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yenta がつくりだす偶発的な出会い ~東工大関連 VC みらい創造機構と高専キャリアがタッグ~

yenta での出会いから資本業務提携を結び、共に事業を興すことになった、株式会社高専キャリア教育研究所の菅野流飛さんと株式会社みらい創造機構の金子大介さん。お二人の出会いがどんなものだったのかお聞きするなかで見えてきたのは、yenta がつくりだす偶然的な人の出会いでした。

東工大と高専というキーワード

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イェンタさん:
まずは、お二人の自己紹介からお願いします。

菅野さん:
株式会社高専キャリア教育研究所 代表取締役社長の菅野流飛です。高等専門学校(以下、高専)という、高度な技術力と現場力のあるエンジニア輩出に特化した高等教育機関に特化したキャリア教育をやっています。また、ライフワーク的なものも含め、高専卒スタートアップの経営コンサルや顧問などもしています。

金子さん:
株式会社みらい創造機構を 5 年前に共同創業し取締役を務めている金子大介です。弊社は 2016 年に東京工業大学(以下、東工大)と連携協定を締結し、33 億円の東工大関連ベンチャーキャピタルを組成しました。東工大の技術をコアにしたベンチャーや東工大在学生、卒業生が創業したベンチャーを中心に現在まで約 20 社に投資をしております。

イェンタさん:
金子さんは、なぜ東工大にフォーカスをされているのですか?

金子さん:
私自身が東工大の卒業生なんです。2005 年に入学し、2011 年に大学院修士課程を修了、その後コンサルティングファームに入社しました。起業前の時点では東工大関連ベンチャーに投資するベンチャーキャピタル(以下、VC)は存在せず、海外大学はもちろん国内の他トップ大学にも連携する VC が出てきて起業環境が整備されつつある中、母校の良い技術が実装されずに埋もれていく危機感を感じていました。また、東工大の学生や卒業生で起業し挑戦している方々を数多く知っていたので、そのような挑戦者にスポットライトを当てて支援したい気持ちもありました。それで起業したのが 2014 年の 9 月です。

イェンタさん:
なるほど。菅野さんは、なぜ高専なのですか?

菅野さん:
金子さんと一緒で、僕自身も高専の卒業生なんです。30 歳のときに自身のキャリアについて悩み、社会貢献度の高い仕事をつくりたいと思ったんですね。高専ってモノづくりの世界では有名なのですが、各世代で 1 %の人しか入学しないので、ほとんどの人は知らないような学校なんです。それによって何が起こるかというと、人事の方が高専を知らないので就職活動の際に実力の割に評価されないことが多かったり、入社後も給料や昇進機会が少なかったりします。一方で、高度経済成長期の現場を技術の面で大いに支えた歴史があったり、ベンチャーを立ち上げて上場した先輩もたくさんいます。そういう実績や実力に対して、社会からの評価、待遇にギャップがあるのが気になり、そこを埋めるということをやりたくて、立ち上げました。

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yenta だからこそつながりが生まれた

イェンタさん:
菅野さんと金子さんが yenta でマッチングして早3ヶ月で資本業務提携を交わすことになったとお聞きしました。そんなお二人の出会いは、どんなものだったのでしょうか?

菅野さん:
yenta でマッチングしたのが 2019 年 5 月 17 日。そこからメッセージを送り、5 月 28 日に定食屋さんでランチに行くことになりました。

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金子さんのプロフィールを見て、東工大の出身であることとファンドをやっているということは知ってたんです。高専キャリアでいつかファンドをつくりたいと思っていたこともあり、参考になるかと思い会ってみることにしました。

金子さん:
私はあまりプロフィールを、見ていなくて。笑
単純に yenta 内に東工大卒業生のコミュニティがあったのでそこでマッチングし、情報交換くらいのつもりで会いに行きました。

イェンタさん:
会う目的がまったく違ったのに、会話が弾んだってことですよね。その定食屋さんでは、どんなことを話されていたのですか?

菅野さん:
定食屋では、お互いのキャリアの話をしていたと思います。僕がキャリア教育をやっていることを話したら、実は金子さんも大学時代にそういうことをやっていたみたいな。

金子さん:
僕も大学時代、キャリアに対して問題意識を持っていて、いろいろ活動をしていました。東工大生って、研究などが忙しく就職活動に専念することが難しいんです。他の大学と違い、学内で就職セミナーなどの開催も豊富ではなく、何も分からない状態で遅れて就職活動をする学生やそのまま研究室推薦で就職していく学生が多い。そこに疑問を思い、東工大生に対して社会とつながる機会を提供する学生団体の代表をやったりと積極的に活動しておりました。つまりは、菅野さんは高専のキャリア、僕は東工大のキャリア、に関わる経験があって共通する部分が多く、盛り上がったんです。

菅野さん:
たしかに盛り上がりましたね。ただ、その定食屋さんは長時間いれるような所じゃなくて。もの足りなさをお互い感じていたので、そのまま近くにあった喫茶店で珈琲を飲みながらじっくり話ました。

金子さん:
喫茶店ではたしか、自分のノートパソコンで会社の事業の詳細を改めて説明しました。そこを起点にお互いの現在の仕事内容、これからどんなことをしていきたいか、というようなことを話していたと思います。

菅野さん:その日は、全部で 2 時間半くらい話たのかな。思ったよりも話が弾んだのもあって、とりあえず来週また会いに行きますって僕から金子さんに言ったのを覚えています。

イェンタさん:
結構長い時間話されていたんですね。お互いに興味領域を話してみたら意気投合して、そこから深堀をしていくことで話が弾んでいったという感じでしょうか。

菅野さん:
まぁ、共通点が多いという印象はあったと思いますね。

金子さん:
特に時間も決めていなかったですしね。2 人で話しているときは特に今後の連携については何も思ってなかったんですが、喫茶店からの帰り道で、なんとなくふと菅野さんとなら一緒にタッグを組んで事業をやっていける気がしたんです。実は、当時弊社では新規に 1 人採用しようとしていて、とても良い候補者の方が最終面談まで進んでいました。でも、yenta での出会いにより、現在のフェーズでは新しく従業員として優秀なメンバーを迎えるよりも、菅野さんの会社を買収し、一体となり熱量をもって社会に色々仕掛けていった方が面白いのではないか、ってふと思ったんです。1 週間後 2 回目に会ったときに菅野さんに開口一番「買収したい」と話したら、「いいね!」とまさかの快諾をしてくれて、話を進めていくことになりました。

イェンタさん:
それが、最終的に資本業務提携になっていったということですね。なぜ、また会おうとなったのだと思いますか?

菅野さん:
やるかやらないかではなく、おそらくお互い何か感じる気配があったんだと思います。東工大生と高専生を比較すると、高度な技術や R&D の部分では東工大生の方が強いんですよ。ただ、それを実現するためには現場でものづくりをする人たちが必要で。そういう人たちが高専生なんですね。なので金子さんと初めて会ったとき、人材的にもコミュニティ的にも東工大生と高専生って相性が良いよね、と思っていました。

金子さん:
そうですね。東工大に高専から 3 年次編入で学生が毎年 30-40 人入って来ており皆様とっても優秀で学生時代から交流もあり高専には注目していました。弊社の投資先の社長も高専から東工大への編入組の方がいます。なので、高専に対する興味は今も昔もありました。

菅野さん:
僕は、ファンドをやったことがなかったけど、創ってみたいと考えていて。なので、そこは深く知りたかったですし、一緒にやれる可能性がゼロでないのであれば、もう少し議論したいなという感じで、遊びに行かせてくださいって言ったんだと思います。

金子さん:
スケジュールを決めて、2 回目に会ったのが翌週の 6 月 3 日ですね。それから毎週のように会うようになり、結果的には買収という形ではなくお互いの独立性をもたせつつ、資本業務提携の形をとるのが最も社会にとってもお互いにとっても良いのではないかということに自然とまとまりました。

イェンタさん:
お互いこういったパターンがそこまで多くないと思うのですが、yenta だからこそできたことって何かありますか?

菅野さん:
信頼関係から入っていけることかもしれません。利益だけを考えていたらお互いの人間性ってそんなに見ないと思いますし、ここまで意気投合もしないと思います。逆に仕事の場だと、何の同意をとるのか、何を成果にするのか、など自分の目的を達成するために会って話すモードになってしまうと思うんです。でも、yenta で会う人は、ほぼ知らない状態だし、新しい友達になったら嬉しい、そうならなくてもランチしただけだしみたいな。そんな気軽さがありますね。

金子さん:
6月に菅野さんと会ったときに、弊社の女性社員を紹介して会議にも同席してもらったんです。その日の夜にその社員からこんなメッセが来ました。「菅野さんはいい人そうだし、目指す世界が似ていて、2人でなお良くなるので良いのではと思いました。なんだか『恋愛』っぽく感じました。これからは『結婚』したと思って、密にコミュニケーションを取りながらお互いの既存事業を応援し手助けし合うと良いかと。それで次のファンドを『こども』と思って共同作業で『産む』。資本業務提携は『結納金』という感じですかね。」。弊社社員ながら中々素敵な感性だなと。笑 もちろん恋愛ではないですが、yenta で出会ったからこそ、ある意味でそういう要素があるのかなと思っています。

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yenta の良さ = セレンディピティ

イェンタさん:
偶然的に人と出会うことができる場が、yenta なのかもしれませんね。

金子さん:
ゆるふわな感覚と予期せぬ出会い、あとご縁ですね。それを意図的にやってしまうと結果的につながったとしても、面白くならないと思います。なので、偶然や偶発性は大事だなと感じています。そういう意味では yenta は良い機能だと思います。

菅野さん:
僕も意図せず、人と出会える場として今後も yenta を利用していくつもりです。

(ライター:西野 愛菜)


菅野さんの yenta の使い方

菅野さんのこれまでのマッチング数、興味ありされている人数

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yenta を使い始めたきっかけは?

リリースされた3年前にニュースなどで見て使い始めた。新しいアプリにはアンテナをはっている方です。


yenta はどんな目的で使っていますか?

今は高専卒の方に会うために使っています。お相手の方からご連絡いただいた場合には、プロフィールを見て高専卒以外の方ともお会いする場合があります。
高専卒の人とも 30 人ぐらいには会っています。


どれぐらいの人に yenta で会いますか?

時期によってまちまちです。今は比較的忙しいのでほとんど会わないのですが、多い時は週に 15 人ぐらい会っていました。
平均すると月に 5 人ぐらいは会っています。


どんな人を右スワイプ (マッチしたい) しますか?どれぐらいの確率で右スワイプしますか?

全部右スワイプしています。なので、100% です。マッチしてから会うかどうかを決めています。


マッチングして会いたい人とはどうやって会いますか?

基本はランチです。


マッチングした後はどんなメッセージ送りますか?

「高専卒なんです」などの自己紹介をしながら、ランチを提案します。
返事が来たら日付と場所を決める感じです。


yenta の改善点

「会えます」はちょっと上から目線に見える。


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