🔴KITAMASA Exhibition 『東幻京- TOGENKYOU - 桃源郷 ~表裏一体~』2020

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🔴Vol.8『転換点』

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気候　地球の氷の変化
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１つ目の限界値が存在する分野は気候

地球の気温は有史以来最も高く、既に限界値を超えたと考えられます

最も恐ろしいエビデンスは地球の氷の変化です

スエーデンの子供は皆、ケブネカイセ山の南峰がこの国の最高峰だと教えてこられました

スエーデン人にとっては根付いている共通認識です

しかし、悲しいことに今はもう最高峰ではなくなっているのです

ケブネカイセ山の南峰は
近年、最高峰の地位を失いました

山頂を覆っている氷河が徐々に溶け

この５０年間
標高が毎年５０センチ低くなっています

こうした現象が、ケブネカイセ山だけのことであれば地球の安定性が損なわれる事はないでしょう
しかし、北極圏や南極圏全体となると話は違います

地球の両極に氷があることでこの星全体が冷やされそのおかげで私たちの文明は維持されてきました

だからこそケブネカイセ山の小さな氷河にしろグリーンランドの氷床にしろあちこちで氷が溶けている事が非常に懸念されるのです

なぜなら、こうした全ての氷が力を合わせて地球を冷やしているからです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

この冷却効果のおかげで完新世の間地球の気温は一定に保たれていました

氷は太陽光を反射して、適量の太陽エネルギーを宇宙に送り返しています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

真っ白な氷床は、太陽から届く熱の９０〜９５％を跳ね返しています

しかし、氷床が解けていくと氷の無くなった周辺部では、色が暗くなり熱を吸収する状態になります

表面だけが融解した場所でも、色が変わり同じことが起きます

そしてある時点で、今までクーラーとして機能していた氷床がヒーターとなってしまいます

これは地球のシステムにとって非常に重大な転換点です

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

転換点とは、そこを超えるともう後戻り出来なくなる地点のことです

坂道に停車していた列車が動き始める様なものです

ブレーキが効かなくなると、列車はどんどん加速します

そしてある地点から制御不能になります

既に私たちは、グリンランドの氷が溶けるのを止めるブレーキを失いつつあります

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

何千年もかけてグリーンランドに降り積もった雪が盛り上がって３.２kmもの厚さの氷となり大気を冷やしています

（地質調査所　ジェイソン・ボックス）

氷が溶けると溶けた水が表彰の低いところに流れ出し、より暖かい空気に触れるためさらに融解が進みます

溶ければ溶けるだけ元に戻す為には低い温度が必要になります

しかし、今の地球の気候はグリーンランドにとって暑すぎます
（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

今の気候はグリーンランドの限界を超えています

１秒間に、１万立方メートルもの氷が消えているのです

これは平均的な損出率ですが、温暖化が進んで行く限り、同じ割合で氷が無くなって行くでしょう

そしていつか、消えてしまう

（地質調査所　ジェイソン・ボックス）

私たち人類は、地球を急激に冷やす事ができなければ、グリーンランドの氷床の融解はこのまま続いていきます

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

転換点の怖いのは、一度スイッチが入ったら止められません

やり直しは効きません

「しまったグリーンランドの氷を溶かしてしまった、元に戻そう」そう思ってももう遅いのです

転換点を超えてしまったらもう後戻り出来ません

これまで私たち人類を支えてくれていた地球の姿が

一気に変わっていくのを目の前にしてどうすることも出来なくなるのです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

グリンランドの氷床が全て溶けてなくなると地球の海面は７m上昇すると言われております

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

想像してみてください

海面の高さが安定しない世界を

今も何百もの沿岸都市が危険にさらされています

海面の高さが安定していたからこそ文明は発達できました

（地質調査所　ジェイソン・ボックス）

しかし、グリーンランドの氷床は南にある大陸に比べれば小さな氷にすぎません

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

最近まで南極には優れた回復システムがあると考えられていました

南極の氷の層は気候変動にあまり影響を受けないとされていたのです

しかし、状況は一変しました

南極大陸では大きな氷の塊が次々に消えています

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

西南極が全て解けると海面は５m以上、上昇します

東南極はその１０倍の大きさですから、溶ければ海面は５０m以上、上昇します

大事なのは地球のシステムは、全ての要素が連携しているということです

地球の気候を支えるシステムの構成要素のうちどれか１つでも転換点を超えると他の要素も次々に限界を越える可能性が高いのです

それはまるでドミノ倒しです

一つ倒すと影響は周りに広がります

今のまま地球の温暖化が進むと、いつか地球のシステム全体が転換点を超えます

（ポツダム気候影響研究所　リカーダ・ヴィンケルマン）

転換点を超えると取り返しのつかない変化が生じます

地球はこれまで二酸化炭素吸い込み

熱を吸収し、人類による負荷を自ら軽減してくれる友でした

しかし、転換点に達すると温暖化は加速して地球は私達の敵になるかもしれません

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.9『科学的不確実な世界』

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温暖化の原因　温室効果ガス
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地球の温暖化は、温室効果ガスの影響が強く、温暖化による転換点は二酸化炭素の量として決める事ができます

私たち人類が地球上に現れるよりずっと前から、地球の平均気温は大気中の二酸化炭素の濃度に合わせて上下してきました

完新世の間、この濃度はほぼ一定に保たれていましたが産業革命によってそれが大きく変わったのです

１９８８年地球の大気に含まれる二酸化炭素の濃度が３５０ppmを超えました

この時、人類は地球の限界値を超えたのです

それ以来、この星は温室効果の暴走がいつ起こってもおかしくない状況です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

大気中の二酸化炭素の濃度が３５０ppmを超えるとその先は危険ゾーンです

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

ヨハン達が設定したこの３５０ppmという最初の限界を私たちは優に超えています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

現在、大気中の二酸化炭素の濃度はおよそ４１５ppmまで達しています

私たちは既に気候変動の限界を超え危険ゾーンの真っ只中にいます

干ばつ、熱波、酷暑、洪水、氷の融解、永久凍土の急激な解凍、森林火災の頻発などが起こっているのはその影響です

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

次の限界はすぐそこです

人類は二酸化炭素の濃度４５０ppmへと急速に近づいています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

私たちはさまざまな可能性が考えられる化学的に不確実な領域を危険ゾーンとしました

そこに至るまでの３５０ppmまでの領域が安全ゾーン

そして、４５０ppmを超えて不可逆な変化が起きる領域がレッドゾーンです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

最後の極めてリスクが高いレッドゾーンに踏み込むと回復はほぼ不可能です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

平均気温が産業革命以前より摂氏で１.５度 高くなると温暖化の限界に達します

エビデンスから１.５度を超えるととてつもないリスクを抱えることになります

今は既に１.１度上がっていますから１.５度は目の前です

温暖化の限界を超えないためには３０年後までに化石燃料の使用をゼロにするしかありません

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

この国際的な取り組みは、各メディアで大きく報道されてきましたが、全体像の一部にすぎません

この地球の安定性を支えているのは気候だけではないからです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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https://elu.jp/item/LWpoxG6nufD2PoTvnAMN

🔴Vol.10『森林の減少の分断化』

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アマゾンのサバンナ化
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研究を進めていくうちに生物圏に関しても限界が４つあることがわかりました

つまり地球上の生き物の限界です

まずは、土地の使われ方、生物群系の形状

三大熱帯雨林や温帯林、北方林、草原、湿地など

二つ目は生物多様性

水中の生き物と陸上の生き物

三つ目は生物圏の血液、水の循環

そして四つ目が栄養素

生物圏の活動を支える窒素やリンの循環です

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

生物圏の限界の一つ目は生物群系

人類が生き物の生息環境をどう変えてきたかです

野生生物の宝庫と言える場所の一つが今、急速に転換点に近づいています

アマゾンです

カルロス・ノブレはアマゾンが地球の安定性にとっていかに重要かを数十年に渡って研究し、いち早く警告を発しました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

１９７１〜７２年頃のアマゾンは健全でした

森も　川も

ピラニアが住むネグロ川を泳いでも特に問題なかったですよ

（サンパウロ大学　カルロス・ノブレ）

その後、アマゾンの熱帯雨林の多くが家畜の飼育や大豆の生産の為に開拓されました

カルロスは、この開拓によって残りの雨林が致命的な変わり目を迎えようとしていることに気づいたのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

１９９８年私たちは熱帯雨林で初めての実験をスタートさせました

（サンパウロ大学　カルロス・ノブレ）

いくつもの観測タワーを建てこの土地の気候を観測したのです

その結果、熱帯雨林の大半がとても乾燥しているとわかりました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

アマゾンの乾季は長くて３ヶ月

しかし、地球の温暖化と活動

特に家畜の飼育や大豆の生産によって森林が減少している為

１９８０年以来、その乾季が１０年毎、６日長くなっています

（サンパウロ大学　カルロス・ノブレ）

森林の減少と分断化により

乾季に雨を降らせる本来の水循環システムが損なわれています

もし乾季が４ヶ月以上に及べば、ジャングルの木々は枯れ果て

そこが、サバンナとなります

これはサバンナ化と呼ばれる現象です

アマゾンの一部では変化の兆候が見られます

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

森林破壊の割合が２０〜２５％を超えると地球温暖化との相互作用により

アマゾンの森林の５０〜６０％がサバンナ化します

そうなってはもう取り返しがつきません

（サンパウロ大学　カルロス・ノブレ）

現在、既にアマゾンの熱帯雨林の２０％近くが失われています

このままでは、これまで地球の味方だったアマゾンが地球の敵へと変わってしまいます

ジャングルがサバンナとなり大くの木が枯れれば

大量の二酸化炭素が放出されます

カルロスの計算では、今後３０年でアマゾンは２０００億トンの二酸化炭素を排出します

これは過去５年間に、地球上で排出された二酸化炭素の総量に匹敵します

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

転換点は目前です

私たちは選択を迫られています

気候危機と戦い、森から二酸化炭素が放出されない様に努力するのか

無関心でいるのか

（サンパウロ大学　カルロス・ノブレ）

非常に厳しい状況ですが、人類は未だに自然の生態系を壊して農地を拡大し、熱帯雨林を伐採して地球を危険に晒しています

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

熱帯雨林だけではありません

地球の安全性を維持する為にはあらゆる種類の樹木の存在が不可欠です

ですから世界を覆う森林のうち２５％が失われただけで、地球に壊滅的な打撃を与えるリスクがあります

しかし、私たちはもう４０％を開拓してしまいました

人類はすでに、危険ゾーンに入っているのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.11『６度目の大量絶滅』

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生物圏の限界の２つ目であるこの生物多様性損失
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森林破壊によって引き起こされる悲劇の２つ目は生物多様性の損失

これも深刻です

生物圏の限界の２つ目であるこの生物多様性は、人類が地球上で健全に暮らすための基盤ですが

私たちは、これまで蔑ろにしてきました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

自然界は今、人類史上類を見ないほど急速にかつ広範囲で劣化しています

（環境学者　アン・ラリゴーデリー）

現在、世界中のあらゆる場所で自然が損なわれています

環境学者である　アン・ラリゴーデリーは現状に危機感を募らせています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

地球上に生息する動物や植物は、約８００万種と推定されますが内１００万種が絶滅の危機に晒されています

このような情況が続くと、いずれ６度目の大量絶滅が起こってしまうでしょう

（環境学者　アン・ラリゴーデリー）

わずか５０年の間に、人類は地球上の野生生物の６８％を絶滅に追い込みました

もはや生物多様性は危機にあります

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

生物多様性という基本構造が失われば、人類の生命も脅かされます

現在のように生物多様性が損なわれていくと自然界の機能はうまく働かなくなります（食料不足）

自然が健康でなければいけません

（環境学者　アン・ラリゴーデリー）

ヨハンは、故郷で知ったある出来事によってこのことを痛感しました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

ある日、新聞にイギリスの科学者がスエーデンに短毛マルハナバチの女王蜂を盗みにきたという記事が載っていました

夜中に忍び込んで１００匹の女王蜂を盗み、イギリスに持ち帰って壊してしまった生態系を救おうとしたらしいのです

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

ヨーロッパでは、作物の受粉に短毛マルハナバチが活躍していますが、イギリスでは１９９０年代までに絶滅してしまいました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

つまり、今は自分の国の生態系を機能させる為に、他の国に行って受粉のための昆虫を盗んで来なければならないような事態に陥っているのです

それを知って実感しました

これはかなり深刻だと

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

世界中で栽培されている農作物の７０％が受粉をある程度、昆虫に頼っています

しかし、大規模な単一栽培の拡大によって昆虫の数は急激に減少しています

皮肉なことに私たちは食物を栽培することによって栽培するのに不可欠な生物を消滅させているのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

この事から分かるように、私達が生物多様性を守らなければならないのは美しいからとか地球に暮らす種として責任があるからとかそういうだけではありません

この地球で、人間社会が機能するために生物多様性が欠かせないからです

食糧生産、綺麗な空気や水、二酸化炭素の排出制御、栄養再循環に不可欠なパズルのピースなのです

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

科学者たちは地球上の昆虫が人類に与える恩恵を評価しようと試みてきました

昆虫には様々な種がありその働きも多岐にわたります

ですから昆虫の評価は難しくその価値は正確には分かりません

ある日、突然いなくなるまで

昆虫がいなくなればこの地球は機能しなくなります

もちろんこうした現象は昆虫に限ったことではありません

地球上の居住可能な地域で農業が拡大するに従って野生生物は締め出されていきました

現在、地球に現存する鳥類のうち野生の鳥は僅か３０％です

そして哺乳類に至っては、野生種は重量換算で４％しかいないのです

では生物多様性の限界はどこにあるのでしょう？

自然界の生き物が、後どれくらい失われたら私たちの社会は崩壊するのでしょうか？

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

自然界には様々な転換点が存在します

生物多様性に関しては、地球の限界１つだけ具体的に示すのは難しいのです

生命は複雑ですから

（環境学者　アン・ラリゴーデリー）

自然界は複雑で、損失率の限界をピンポイントで示すのは難しいでしょう

しかし明らかなのは、限界を優に超えているという事です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

もう、レッドゾーンの深くまで来ています

地球上の種の絶滅と生態系の破壊に関しては、非常に危険な領域に達しています

早急に生物多様性の喪失を止めなければなりません

まずは、２０２０年代の序盤である２０２１年、２０２２年に自然の損失をゼロに抑えるという目標を定める必要性があります

「気温の上昇は、１.５度未満」

「自然の損失はゼロ」

この２つを目指します

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.12『淡水3000リットル』

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淡水
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生物圏の限界の３つ目は地球の大動脈である淡水

これも人間社会が欠かすことのできない基本的な要素です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

知ってましたか？

あなたも私も生きて行くために１日につき、
およそ３０００リットルの淡水が必要なのです

「３０００リットルってつまり３トン！えっ嘘だろ」と思うでしょう

まず、飲み水や衛生用の水が５０リット程度です

そして家庭における洗濯などの家事で１００リットル

他に工業用水が１人あたり１５０リットル

これらの合計が３００リットルで残りの２７００リットルは食料用です

私たちが口にする食べ物を作るのに、２５００リットル以上の水が使われています

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

ヨハンは淡水に思い入れがあります

博士課程のテーマであり

また、アフリカの半乾燥地域で何年も調査してきました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

日の出から日の入りまで歩き回り、滝のような汗をかきながらデータを集めました

土を掘ってサンプルを採取し、水分測定をしたりしました

また、風速や雨量のデータも集めました

数え切れないほど植物の葉の面積も測りました

科学者というのは、１つの植物の葉を極めて慎重に数平方ミリ単位で図って行くのです

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

彼はこうした細かいデータから世界中の食糧を賄う為に、どのくらい水がいるのかを導き出そうとしました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

修士課程の時は、水は十分あると結論付けました

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

しかしそれで安心していいのでしょうか？

淡水の使用量には、ここを超えればシステムが崩壊するという限界値はないのでしょうか？

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

私たちは、世界中の全ての河川の流域について調べました

そして、許容できる水の流出量を規定しました

必要な湿度が保たれ、正常な生態系と十分な水の供給と河川流域の機能が維持できる最低限の量です

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

今、世界中で河川から大量の水が取水されています

その為、多くの川が枯渇の危機にあります

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

私たちの評価では、地球の淡水資源は、今はまだ安全ゾーンにあります

しかし、急速に危険ゾーンに近づいています

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.13『酵素とリンの物語』

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窒素とリン
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生物圏の限界の４つ目は栄養素、つまり窒素とリンの循環に関するものです

この２つは地球の生物にとって欠かせない成分であり、肥料の重要な材料となっています

これらの使用が増加していることをヨハンは身をもって体験しました

子供の頃、彼は夏の間バルト海で過ごしていました

釣りが好きでよく言っていました

私は、母や父に夕飯用に魚を釣ってこようかと聞いたものです

川へ行き大抵は十分な獲物をもって帰っていました

その頃の楽しい冒険の一つが、バルト海を船で漕ぎ出し２〜３キロ沖まで行って手でタラを捉えることでした

私は、魚を捌くのがうまかったので、１時間を過ぎる頃には釣りどころではなくなっていました

獲物があまりに多くて、その場で捌かなければ持ち帰れなかったからです

船の上で捌いていると、沢山のカモメが船を取り囲みました

捌いていたタラの内臓や身が沢山あったからです

子供として最高にワクワクする体験でした

しかし、数十年後がたった今状況は大きく変わりました

今では、タラを釣りに出る人はいません

タラがいないからです

水面を見れば、１９７０年代や１９８０年代と全く変わりなく思えます

しかし、その下はすっかり変わってしまったのです

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

ヨハンが子供だった頃は

バルト海の環境は健全でタラなどの魚が大量に泳いでました

しかし、魚の乱獲に加え、周辺の農地に化学肥料が撒かれるようになったことでこの海は悲惨な状況に追い込まれました

世界一汚染された海へと成れ果てたのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

現在、バルト海と同様の現象が世界各地で見られるようになっています

これは、非常に心配な状況と言えます

なぜなら地球全体の回復力が徐々に失われ、地球が弱体化している兆候だからです

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.14『富栄養化』

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化学肥料が地球に与える影響
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エレナ・ベネットは、化学肥料が地球に与える影響を研究しています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

人類は空気中から窒素を抽出し、科学的に合成して植物が利用できる形にしています

また、リンの場合は採掘して使っています

こうした合成法や採掘法が編み出されたことによって効率が良くなり

世界全体の食糧生産の量は２倍、３倍、多い物では４倍にも膨れ上がりました

（モントリオール　マギル大学　エレナ・ベネット）

これは、増え続ける人類が食料を得るためには有益ですが

作物が必要とする量を大幅に超える化学肥料を与えているため

余った肥料が川に流れ混んで、川が栄養過多になってます

この現象は、富栄養化と呼ばれています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

その結果、水面は青緑色のアクのような藻に覆われ多くは悪臭を発します

藻が腐る臭いです

しかも不意廃していく過程で湖の酸素を使い果たしてしまいます

（モントリオール　マギル大学　エレナ・ベネット）

酸素が減少することによって、湖の底の堆積物の化学繊維が変化し、更にリンが放出されます

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

富栄養化が起こると湖の中で悪循環が起こります

湖の中でリンが次々に作り出され、常に富栄養化の状態が維持されてしまうのです

同じ問題は、海でも起きています

こうした状態の海域はレッドゾーンと呼ばれ、現在地球上にあるこのレッドゾーンは数百にもおよびます

（モントリオール　マギル大学　エレナ・ベネット）

すでに今、数万平方キロメートルにまで拡大しているレッドゾーンもあります

こうした海の富栄養化が地球の５大絶滅の一つに数えられる出来事を引き起こしたとも考えられています

あまり知られてませんが、リンと窒素の使い過ぎは生物圏に甚大な影響を及ぼします

それはもう、危険ゾーンを通り越した状態です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

栄養素に関しては、既に限界を超えています

栄養素について考える機会は、少ないですがこの状況をもっと深刻に捉えるべきです

（モントリオール　マギル大学　エレナ・ベネット）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.15『海洋酸性化』

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海洋酸性化
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栄養素、淡水、森林、生物多様性、気候

この５つの分野が、安定性を保ち私たちの生活を支えてくれています

しかし、ヨハンたち研究チームによると他の課題分野も示しています

それは、海の中で起きている現象ですが、これについてわかっていることは多くありません

海は他の要素を上回る影響を地球に与えています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

私たちが待機に排出する二酸化炭素の約3分の１は海に吸収されます

（ARCサンゴ礁 研究センター　テリー・ヒューズ）

テリー・ヒューズは、長年に渡りヨハンと共同研究をしてきました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

二酸化炭素を吸収してきたことによって、海はアルカリ性が弱くなり酸性が強くなりました

これを海洋酸性化と言います

（ARCサンゴ礁 研究センター　テリー・ヒューズ）

二酸化炭素が海に溶け込むと炭酸が生成されます

結果海が脆弱に

過去数十年の間に、地球上の海は２６％も酸性が強くなりました

大気中に含まれる二酸化炭素の濃度が今のように高い状態のままなら海の酸化は今後も止まりません

二酸化炭素が海に溶け込む事で化学反応が起き海中の炭酸イオンが減少します

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

これにより、殻の生成に炭酸塩を必要とする生き物が被害を受けます

牡蠣やムール貝など貝類です

（ARCサンゴ礁 研究センター　テリー・ヒューズ）

海洋酸性化には忌まわしい歴史があります

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

地球の歴史の中で海が酸性化したことにより、繰り返し大量絶滅が起こった事実は地質研究により明らかです

地球の気候を上げることは火遊びと同じです

地球の限界を超えて、未知の領域に踏み込んでしまえば何が起こるか予測できません

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

海洋酸性化に関しては、まだ安全域ですが悪化の一途をたどっています

行く着く先は、壊滅的な大量絶滅かもしれません

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.16『新規化学物質エアロゾル』

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人間が生み出す　汚染物質
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地球は複雑です

ヨハン氏の研究者チームは、地球の安定性を保つための要素（分野）をこれまで述べた６つを含め９つに定めました

残り３つのうち２つは限界値がまだわかっていません

その１つは人間が生み出す汚染物質の分野です

これは新規化学物質と呼ばれ、放射性廃棄物や重金属やマイクロプラスチックなど様々なものが含まれます

（科学者　ヨハン　ロックストローム）

人類は１０万種の物質を作り出してきました

そして、その多くが環境破壊につながる可能性を持っています

今はまだ、これに関する地球の限界は数値化されていません

こうした汚染の長期的、累積的影響はわかりませんが

制御しなければそのほとんどは

今後、何らかの形で地球規模の崩壊を招く危険性があります

すでに世界中に打撃を与えている汚染物質もあります

エアロゾルです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

エアロゾルは基本的に待機の中の粒子です

エアロゾルは待機を汚染します

エアロゾル汚染の７５％はガソリンなど化石燃料の燃焼が原因です

空が霞んで見えるのはこの汚染粒子が太陽の光を遮り散乱させるからです

これは、地球薄暮化と呼ばれています

（気候学者　ヴィーラバドラン・ラマナタン）

ヴィーラバドランは私たちを取り囲む大気の研究に人生を捧げてきました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

エアロゾルは気候も変えます、地球を温めている太陽光を遮断するからです

これにより地球は冷却されます

エアロゾルは地球を冷やし温暖化を軽減すると聞くと皆さんはこう思うでしょう

”温暖化だから好都合だ”と

でも残念ながら違います

エアロゾルの作用は、温暖化の真の影響を覆い隠してしまいます

（気候学者　ヴィーラバドラン・ラマナタン）

エアロゾルによる、冷却効果は温暖化による気温の上昇を４０％も軽減します

しかし、大気汚染によって毎年７００万人以上もの人が命を落とし、更に私たちの寿命が平均３年縮まっています

この大気汚染の限界値は、まだ科学的に特定されていません

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

エアロゾルに起因する死者が７５０万人を超えるようになったら人類は限界を超えてしまったと考えるべきでしょう

（気候学者　ヴィーラバドラン・ラマナタン）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

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🔴Vol.17 『オゾンホーーーーーール』

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地球の限界９つ目の分野　オゾン層
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唯一この分野が他と違うのは、これだけは人類が正しい方向に向かっているということです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

オゾン層は有害な紫外線を遮ってくれます

紫外線は私たちの遺伝子（DNA）にダメージを与え皮膚ガンなど命に関わる疾患の原因になります

その為、1980年に南極でオゾンホールが見つかった時、世界はパニックになりました

（気候学者　ヴィーラバドラン・ラマナタン）

オゾンホールの原因は、大気中に排出された化学汚染物質です

各国は、化学汚染物質を減らす努力を始めました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

化学が鳴らした警鐘が政治を動かし、行動に繋がったのは素晴らしいことです

私達が地球を正しく管理できている最初で唯一の好例です

地球の限界値を超え極めて危険なレッドゾーン（高リスク域）まで踏み込んでいた人類が、安全に意制御できる範囲（安全ゾーン）へと戻ってこられたのです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

実に素晴らしい事例です

化学者の警鐘で世界が行動したのです

ヨハンら科学者達のお陰で、私たちは９つの分野とリスクを知りました

【オゾン層】以外にも、【海洋酸性化】と【淡水】については、今はまだ安全ゾーンにいます

一方、大気汚染やその他の汚染、新規化学物質については危険ゾーンにどの程度迫っているのか分かっていません

最も懸念すべきは４分野で地球の限界値を超えているということです

【気候変動】【森林破壊】【栄養循環】【生物の多様性】

レッドゾーンに足を踏み入れつつあります

そして地球が私達人類の文明を支えられなくなってしまう日がもう目の前に迫っているのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

現状を見れば、地球は明らかに限界があります

エビデンスから明白なのです

気候変動は危険ゾーン、生物多様性の損失はレッドゾーンの深くまできています

干ばつの増加、熱帯雨林のダメージ、オーストラリアやアマゾンの山火事、氷の急激な融解、サンゴ礁の崩壊などがその証拠です

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

【作品画像データ】
https://elu.jp/item/b5jklEZxvB7jAUfBBJh4

🔴Vol.18 『サンゴの白化現象』

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サンゴ礁の白化現象
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こうした変化を実際に目の当たりする科学者たちは、悲痛な思いを抱えています

テリー・ヒューズは人生を賭けてサンゴ礁の研究をしています

白いサンゴは病気です

周囲の海水温が上がりすぎるとサンゴの白化現象が起こります

温暖化の影響でこうした現象はより顕著に頻繁になりました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

ここ数十年、極端に温度が上がり広範な白化が起きました

この数十年の白化現象では、水温が極端に上がってしまう為

サンゴがあっという間に死んでいます

白化した面積の大きさは、最大級のサイクロンの１０倍です

面積や影響の大きさは、計り知れず発生の頻度も増えています

（ARCサンゴ礁 研究センター　テリー・ヒューズ）

テリーは、世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフを研究しています

以前はサンゴの白化は限られた地域で稀に起こる現象でしたが、この２０年は海洋熱波の影響で白化が拡大しています

そして過去５回の大規模白化現象のうち３回はこの５年以内です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

白化現象が起こる頻度が高まっているのが心配です

グレートバリアリーフでは、2016年、2017年の夏に初めて２年連続で白化現象が起こりました

（ARCサンゴ礁 研究センター　テリー・ヒューズ）

白化の間隔が開かないとサンゴ礁は回復できません

既に半分のサンゴ礁が死んでしまいました

テリーは珊瑚の白化現象を記録するための航空測量の指揮をとっています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

航空測量の時はできるだけゆっくり低空を飛んで、１つ１つのサンゴを見ながら、白化した個体の数とそうでないものの数を確認していきます

白化したサンゴ礁は、何キロも離れたところからでも見えます

それぐらいこの現象が拡大しているのです

こうした調査は、これまで５回行われ私は直近の３回で指揮をとりました

できれば２度とやりたくないと思いました

本当に身につまされる思いでした

（ARCサンゴ礁 研究センター　テリー・ヒューズ）

このままでは、いずれグレートバリアリーフはサンゴの墓場と化します

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

気象予報をモデルに考えると今のまま二酸化炭素を放出し続ければ

今世紀末には、毎年夏に白化現象が起こるでしょう

サンゴの白化は転換点を超えています

この数十年、科学者や環境保護活動家が温暖化について警鐘を鳴らしてきましたが一向に聞いてもらえなかった

（ARCサンゴ礁 研究センター　テリー・ヒューズ）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

【作品画像データ】
https://elu.jp/item/E8lQWMM61Rjsz7SGArLa

🔴Vol.19『2020年オーストラリア地獄の夏　~30億の生物に迫る生命の危機~』

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２０２０年オーストラリア森林火災
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怒り… 悲しみでなく怒りを感じます

そう思うのも当然でしょう

科学者達は、科学に基づきこの３０年間訴えているのに何も変わらない

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

焦ってください

私と同じ不安を感じてほしい

そして行動を

危機から抜け出すのです

家が火事になったと想像してください

それが今です

（環境活動家　グレタ・トゥンベリ）

２０２０年オーストラリアの夏は地獄と化しました

記録的な高温と数ヶ月に及ぶ激しい干ばつが影響し、２０万平方キロメートル以上が焼失しました

人々はこれが新たな日常になるのではないかと恐れていますが、もはや日常は失われたと話す科学者もいます

ダニエラ・テスクエアラは、オーストラリアで絶滅が心配されているテリクロオウムを研究しています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

テリクロオウムは、人を認識します

しょっちゅう通っているとこちらが誰か解ってもらえるので、近づいて彼らが餌を食べている枝の真下で１羽１羽観察することができます

（クイーンズランド大学　ダニエラ・テスクエアラ）

現地の安全が確認されると、ダニエラは普段フィールドワークを行っている場所の１つ南オーストラリアのカンガルー島に行きました

訪れた２月は、テリクロオウムの巣篭もり期です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

野生動物は全くいません

何も残っていない

ここは、まるで変わってしまいました

同じ場所を見ているとはとても思いません

なんというか違う場所になってしまいました

完全に…

この場所でこれまで４年間過ごしてきましたから、これは本当に災厄です

これまではここで、毎晩鳥たちが大騒ぎしてたんです

今頃はひなが生まれていたはず

本当辛いです

ひどい…

この巣はよく知っています

恐ろしいですね

残っているのは木に巻付けておいた鉄製の覆いだけ

この覆いは、木にのっぼてくる動物からひな鳥を守るために巣がある木に取り付けました

見渡す限りこの覆いが取れて地面に転がっています

守れなかった

生態学上の大惨事です

（クイーンズランド大学　ダニエラ・テスクエアラ）

２０２０年の森林火災は、オーストラリア史上 最悪の被害をもたらしました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

気候学者は、随分前からこうした災害について語ってきました

起こることは予測していたんです

でもこれほど早くこんなに大規模な火災が起こるとは誰も予想していませんでした

（クイーンズランド大学　ダニエラ・テスクエアラ）

科学者達によると、この火災により３０億の生物が死んだり住処を失いました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

哺乳類が１４３万、は虫類が２４億６０００万、鳥類が１億８０００万、カエルが５１００万です。

余りに膨大な数字で被害が大き過ぎて受け止めきれません

保護活動家がどうにかできる規模じゃない。

これは警告です

この火災による被害は、今でも既に甚大ですがこれから先も長く影響していくでしょう

（クイーンズランド大学　ダニエラ・テスクエアラ）

人間が気候の限界を超えてしまったことで

山火事やサンゴ礁の白化が起こっています

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

【作品画像データ】 
https://elu.jp/item/lAZAENwSgHSIfiJTB2Xc

🔴Vol.20『COVID19』

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新型コロナウイルス
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しかし、実は人類による自然破壊は今、この不安定な地球に広範囲で打撃を与えている、あの感染症にも深く関わっているのです

私たちの生活に多大な影響を及ぼしている新型コロナウイルス

このウイルスは、強力な対抗策を持たない私たちにとって大きな打撃でした

医療は逼迫され、世界の経済は崩壊寸前です

驚くべきことに世界保健機関（WHO）はこうした事態を事前に警告していました

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

時間の問題でした

私たちは自然をそして生態系を破壊し続けました

貪欲に農業を拡大し、次から次に森林を伐採してきました

加えて私達が今暮らしている都市は、汚染され人口密度も高いです

こうした要素が、新しいウイルスが広がるのにぴったりな環境を作り出してしまったのです

（ WHO　マリア・ネイラ）

自然の回復力が弱まっている最中に、人獣共通の感染症が起こり、人間社会に広がりました

自然が健全でない中で感染拡大が起こったのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

通常病原体の伝染は、特定の種が特定の状況にある状態で、人類がその生息環境を不適切に侵害した時に起こります

人と動物と環境、この３つの健康は連動しているのです　　　

自然と触れ合うのは良いことです

しかし人間は他の種が生きる生態系を壊してはいけません

（ WHO　マリア・ネイラ）

新型コロナウイルスによって、私たちは地球のどこか別のところで起こっている現象が

突然世界の経済に打撃をあたえ、自分の暮らしを瞬時に変えて脅かされてしまうということ思い知たのではないでしょうか？

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

新型コロナの出現は地球の異常を告げています

しかしこれは機転でもある

体制を立て直せばいいのです

ヨハンたち研究者がヘッドライトをつけてくれたので地球の限界値がはっきりと見えたのです

安全ゾーンに回復力の高い未来に戻る道が見えたのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

今はもう経済の成長と環境破壊への対策を別々に考えていてはいけません

持続可能性を核として、世界全体の成長モデルを構築し地球の意思に従って全てを進むべきです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

【作品画像データ】
https://elu.jp/item/wpJCWrjtPqOZFQU8VNb6

🔴Vol.21『限界値１.５度未満』

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二酸化炭素の排出をゼロに
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今、最優先位にすべきは、二酸化炭素の排出をゼロにして、世界全体の気候を安定させ出来るだけ低く保つことです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

気温の上昇が２度を超えないようにすることはまだ可能です

それを１.５度未満に抑える可能性も残っています

ただし残された可能性はごく僅かです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

産業革命が始まって以来

私たち人類は２兆４０００億トンもの二酸化炭素を排出してきました

気温の上昇を１.５度未満に抑える為に許される排出量はあと３０００億トンしかありません

今のまま年間４００億トンの二酸化炭素を排出し続ければ、７年ほどで許容量の限界に達してしまうでしょう

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

世界中のエネルギー施設を、一夜に断ち切ってしまうことはできません

目標達成の為の現実的な方法は、排出量を徐々に減らしていくことです

今がギリギリ最後のチャンスです

これは科学的に証明されています

では、私たちは最速でどのくらいの排出量を削減できるでしょうか？

今の研究では現実的に、年６〜７％減が限界と考えられます

これを続けていけば１０年で半減するペースです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

排出量が１０年毎に半分になれば指数関数的に二酸化炭素は減ります

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

このペースならやってみようと思えるのではないでしょうか？

自分や家族の二酸化炭素の排出量を１０年毎に半分にしようと決めて今から実行すれば

３０年後には化石燃料を使わずに暮らせるようになります

企業や国も同じです世界中が取り組める

いや、取り組むべきです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

化石燃料の使用を徐々に減らしていくことで気候の限界値を安全な範囲へ戻していけることができます

しかもこれは大気汚染を減らし、海洋酸性の速度を緩め、さらに生物多様性への圧力を軽減することにもつながるのです

ただし排出しないだけでは不十分です

既に大気中にあり温暖化を引き起こしている二酸化炭素の量を減らさなければなりません

そのために、非常に有効な手段とは木を植えることです。

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

【作品画像データ】 
https://elu.jp/item/EJA6OsE6K4t5WQdUhUPn

🔴Vol.22『世界植木現象』

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植樹
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今、世界中で行われている取り組みにより、膨大な数の樹木が植えられています

世界で大量に植樹することは、費用対効果が高く実現可能な温暖化対策です

私たちは排出量をゼロにする努力の一方で、樹木を育て排出され続けている二酸化炭素を相殺する必要があります

こうした二酸化炭素の吸収は、植樹のメリットの一部でしかありません

シェイク・ウンボウは、ヨハンと長年研究を続けてきた樹木の代弁者です

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

樹木には土壌の流出を抑える働きがあります

また、地上に樹木がなければ雨の量は減ってしまいます

木を植えれば土地が肥沃になり食物などの生産量も増えます

私たちは、樹木を中心とした持続可能な開発を目指しています

目標は、木が育つ土地全てに木を植えることです（排出量をゼロにする間）

（プレトリア大学　シェイク・ウンボウ）

木を植え自然界を復元することは、当然生物多様性にとって大きな効果がありますがそれだけではありません

気候や淡水を安定させる手助けとなり、更に食料の生産など自然界がもたらす数々の恩恵にもいい影響を与えます

想像してください、朝目覚めると前の晩眠りについた時より自然が豊かになっているのです

こんな事は、人類が現れて依頼一度もありません

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

【作品画像データ】 
https://elu.jp/item/7xEmwKOb8AJEuKMtOYUu

🔴Vol.23『緩やかな菜食主義』

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健康的な食生活
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他にも変えるべきことがあります

単純ですが地球の限界を超えない為には重要です

あなたにも私にもできる、食べる物を自由に選べる人なら誰にでもできるのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

効果的なのは、緩やかな菜食主義です

赤身の肉を食べる量を減らし、植物由来のタンパク質や果物やナッツを取り、でんぷん質の多いものを減らす事です

全ての人が、健康的な食生活を送ることができるようになれば、気候だけでなく生物多様性や土地、水、窒素やリンについても安全ゾーンに戻れるのです

素晴らしいでしょ？

健康的な食生活こそが地球を救う最も単純で重要な方法なのです

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

【作品画像データ】 
https://elu.jp/item/fesvgjmM2zA4Js38wxFO

🔴Vol.24『循環型経済』

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ゴミの削減
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もう一つかかせないことがあります

これによって私たちは地球の全ての分野で安全ゾーンに戻れます

考えてみてください、ゴミがない、捨てるもののない世界を

ゴミが出るのは当たり前です

多くの製品は、原材料の回収まで考えていません

しかし、こうした直線型の製造工程を循環型に変えて全ての原材料を回収できるようになれば

原料は無限に使えるようになるのです

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

これは多くのエビデンスからわかっていることです

今後、世界中の人々が豊かに暮らしていく為には循環型経済が欠かせません

この事を証明する事実が次々に見つかっています

（科学者　ヨハン・ロックストローム）

私たちはゴミを減らすことによって気候や生物多様性、そして特に栄養素、新規科物質、大気汚染を安全ゾーンに近づけます

地球の限界は私たちに道を示してくれています

再生可能なエネルギーを使い、健康な食生活をし、木を植え、物を捨てない

こうしたことで私たち地球の未来が変わるのです

素晴らしいことにこうした変化が、今の私たちの生活をも豊かにしてくれます

（語り　デヴィッド・アッテンボロー）

出典：NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 「地球の限界:”私たちの地球”の科学」（2021）

⚫︎続き

https://note.com/yellowmaker/n/n9bf9b4982e96