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才能無し、母能少々あり。

令和6年 夏

世の中に大切な事は沢山ある。
自分自身の事も優先にしたい事もある。
けれど...
頭の中にある1番の悩みは明日の米が無い事だ。

一年を半分頑張ったご褒美に会いたい人に会いに
行く人や大切な人と楽しい旅行に行くお盆の時期に大きな地震が起きてしまった_

災害大国を逞しく生き抜いて来た日本人。
意識の高い国民が一斉に愛する家族に米と水を
確保した。地が揺れた30分後には品切れの札。
日頃から行動力に欠ける自分にダメ出しの溜息も束の間で、現実は食べ盛りの学生が目の前でお腹を摩る姿。
一足先に夏休みが終わり弁当作りが始まった矢先の事態。とうとう最後の米が尽きた...

落ち込んでいる暇は無いから頭を切り替える。
物が無い時代、米不足の時代を乗り越えて来た
過去の偉大な母様方と時空を超えてハグをする。

無い物は無い。
だからと言って食べ物は無いか?ある。

まずはそこに感謝なんだ。工夫を楽しむ。
餃子の皮を焼いたり、細切りにしてみたり。
小麦粉ですいとん作りや麺類メニューはおNew(にゅう)メニューに挑戦。
お弁当箱の中に何風なんて無くて何でも詰める。
なんて贅沢なんだ。こんな時だからこそ子供に教える事がある。
子育ての最終章に立ち反省ばかりしていたが、
神様から貰えた大切な教材の様に思える。

熱を帯びてしまった地球の事や、生かされているからこそ大切な命を語り合える時間。
人類が、沢山の自然災害を乗り越えて今日がある事に想いを寄せてみると不思議と元気が込み上げて来る。
人がお茶碗についた真っ白なご飯粒を丁寧に、真剣に拾い口元に運ぶ姿は生きる喜びを感じる。

カレーを食べる為に白飯の代役にマカロニを湯掻いていると、テレビ画面に台風到来の文字が映った。
深海の溜息一つを自分に許し、淡い桜色のお茶碗を両手で包みながら戸棚にしまった。

さて、明日のお弁当は何を入れましょうか_

皆、同じ空の下。

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