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自分を悪い子だと思ってしまう

父が言うには、わたしは4歳の頃、とある出来事をきっかけに"いい子ちゃん"になってしまったらしい。

母が病気になって、祖母の家に預けられていた頃。時々、父や弟と一緒に母に会いに行っていた。

去り際、わたしは素っ気なく、母の顔も見ずにバイバイとだけ言って帰ろうとした。そこで父は「その態度はないだろう」って怒ったらしい。4歳の娘に。

その次の週から、わたしはすっごく"いい子ちゃん"になってしまったらしい。

20歳の夏、いまだに"いい子ちゃん"を続けるわたしに、父は謝った。だけど、まだ父はわたしに"いい子ちゃん"が染み付いてしまったことを理解できてないと思う。

親や教師、先輩や大人、その場に求められる人物をわたしは演じてしまう癖がある。演じるって言ったらなんだか大層に見えるけど、なんだろな、仮面を被る癖がある。

いっつもニコニコして、明るくて真面目で優しそう。わたしがよく言われる言葉。所謂"いい子"。全部当たってるけど、それってわたしの一部分。無意識に、悪い自分を隠すようにして"いい子"の仮面を被ってる。

じゃあ悪い自分って何?って話なんだけど、わたしの中で悪い自分って、我儘を言ってる自分だったりする。黒い自分、本音の自分、自分のことしか見えてない自分、自己中心的で酷いことを平気で言ってしまう自分、配慮が足らない自分。

隠してるつもりでも、多分みんなからも見えてるしバレてるんだろう。わたしが自分勝手で、人を容易く傷つけてしまうようなことを言えちゃう人間だって。

祖母がわたしによくしてくれてるの。本当に愛してくれてるし、たくさんお世話になってる。その祖母がくれたものに、あーこれは要らないなあ、とか、わたしに選ばせてよ、とか、思っちゃうことも、あーわたしって酷いなって感じちゃう。

悪くは、ないんだろうけど。なんだろね。

そのあと、ふと「きっとわたしのことを考えて買ってきてくれたんだなあ」って気づいてさ、ちょっと泣きそうになる。ごめんね、酷いこと思っちゃってごめんね、って。わたし悪い子だなあって、そう思っちゃうの。

なんだろうなあ、みんなは思わないのかな。思うのかな。罪悪感で心が痛くなる。

ちょっとイラッとしちゃった後も、相手は悪くないのに。ごめんね、って思うし、喜怒哀楽が激しくて自分のことでいっぱいいっぱいな自分自身が嫌になることも多い。

たくさん振り回して、たくさん迷惑かけて。謝って感謝伝えても、それしか出来なくて。わたしに何ができるのか、わたしは何もしない方がいいのか、わからなくなっちゃう。

優しい人にいっぱい助けられると、自分が本当に酷い人だなって思っちゃう。わたし、なにも出来ないのに。出来てないのに。わたしは、相手のために何か考えれてたかな?何をすればよかったかな?って考えて、頭が痛くなる。

自分のことしか考える余裕がなくて、わたしはいつもたくさんぶつかって当たって傷つき傷つけながら生きてる。

"いい子ちゃん"でも、悪い子でもなく、優しい人になりたい。優しそう、じゃなくて、優しい人になりたい。人を思いやれる人になりたい。

いっつもいっつもありがとう。わたしはこんなにも未熟で、こんなにも悪い子でごめんね。我儘で、自分のことしか考えられてなくてごめんね。

誰も悪くないのに、多分他の人がこんなこと言ってたらみんなそうだよ、って声かけるのに、わたしは自分に対してそう思っちゃう。

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