
Colivingとか韓国の独立書店とか。最近やっていることについて。 #ペパラボ日誌
Papers & Laboを共同運営している土井です。
数年前にフリーランスエンジニアとして独立しました。それからはWebサービスやアプリを作るのがメインのお仕事でしたが、このPapers & Laboをはじめとして段々仕事内容が変わっていっています。
最近僕が何をしているか、あとこの前韓国の独立書店を見てきたのでそんなところを書きます。
Coliving
2月にachicochiという会社を作ってColivingにまつわる事業をやっています。
「自分の気に入った場所に住みながら働く」スタイルをColivingといって、欧米の人に多い働き方・生き方です。デジタルノマドもこの範疇。日本人でも最近増えてきたかな。住み放題系のサービスがポツポツと出てきていますが、それらもこの文脈のビジネスです。
来年は僕もこのスタイルでやっていきます。春秋は京都、夏は北海道、冬は台湾(or タイ)みたいなね。同じようなことを考えてるのが共同創業者の山本茜さんで、自分らでもこのコンテキストで事業やってみっかとなって会社を起ち上げました。
今は国内に複数のColiving拠点を作ることを目標に物件とコミュニティマネージャーを探しています。
1コミュニティ10人ぐらいを目安に、泊まれる施設と働ける施設を同じエリアに複数所有します。3~4人が泊まれる施設を3軒、10人でゆったり働ける施設を1軒ぐらいが目安。今お話が進んでいるのは上桂にある町家とコンドミニアム。その他には尾道でも探しています。尾道の海を眺めながら働いて、散歩がてら猫ちゃんと遊びに行く生活良くないですか?僕はたまんないです。
コミュニティマネージャーは施設の運営者兼、そのコミュニティのファシリテーターですね。定期的に軽めのイベントを開いて滞在者の交流を促す感じです。
他にもヘアサロンだったり色々やっていますが、ペパラボ含め、よく考えたら実業系のビジネスばっかやろうとしています。今までドITボーイだったことの反動かしら。ばちぼこITをやってきたスキルを実業に活かして、そのIT面をやれたらいいなと考えております。
韓国の独立書店
まずはペパラボのTwitterでも何度か取り上げているこちらの書籍の紹介から
内沼晋太郎さん(編著)、綾女欣伸さん(編著)、田中由起子さん(写真)による、韓国の独立書店とその周りの人々へのインタビューが載っています。
雇われ→自分で事業をするという若者の意識の変化、オンライン書店や大型書店が優遇されていた割引率制度が平等になったことで小さな書店がやっていけるようになった事など様々な理由で、個人あるいは少人数で特色のある書店を始めるケースが増えています。そうした書店を独立書店と言います。
韓国の出版業界の今と昔、これからという所が、独立書店界隈の人へのインタビューによって浮き彫りになる貴重な歴史本です。
しかしながら僕が面白いと思ったのは各書店そのものです。すみませんね本屋好きで。ビールを提供する本屋さん、カウンセリングをする本屋さん、出版をやる本屋さん、コミュニティといえる規模で読書会をやっている本屋さん etc... 各書店は本当に色とりどりで「うわー行ってみてえ」「見てみてえ」と思い、GWに行ってきました。
「本の未来を探す旅 ソウル」の一番始めに出てくる書店がこちらTHANKS BOOKS
グラフィックデザイナーのイ・ギソプさんが2011年に始められた書店で、明るめウッドな雰囲気が居心地いい本屋さんでした。原宿っぽい街 ホンデ にあります。ホンデはいいとこですよ。適度な人の多さでゆったりしていて、センスのいいお店も多い。そういうとこ行くと街ゆく人もセンスよく見えて、スケボー片手にロングボード乗ってたあの子かっちょかったな〜。
本のラインナップはグラフィック関連から文芸書、翻訳書まで様々でしたが、興味を引いたのは独立出版物の多さです。日本でいうZINEなのですが、商業出版物と変わらないボリュームの本から、塗り絵とグラフィックを箱詰めにしているのまで色々ありました。
こちらは店員さんに言って撮らせてもらった独立出版物の棚。neon cakeというタイトルの本(棚最上段中央)のイラストレーションがツボ。シティポップみのある都会的なテイストでした。山下達郎のシティポップミックスとか絶対合う。
てなわけで一冊買って帰りました。作者はシン・モレさんといって1988年生まれの若者に人気のイラストレーターさんだそう。レベル高いわけだ。
「本の未来を探す旅 ソウル」によると、THANKS BOOKSは出版社から直取引で本を仕入れているそうです。取次もありますが日本のような規模ではなく、各地方ごとにあり、そのエリアの小規模書店に本を卸すことがメインです。大きな書店になるほど出版社と直取引をやるそうで、基本的に取次を通すスタイルの日本とは違って新鮮でした。
日本の書店は苦しい時代ですがいつか底打ちすると思っていて、投資のテクニカル用語でいう三番底をつけた後は韓国のように若い人の書店開業が急激に増えたりするかもしれません。そんな時に、このような地方ごとの取次システムがあるとどうなるでしょう?書店開業のハードルの一つとして取次口座が挙げられますが、地方ごとに小規模書店向け取次会社があれば、その口座開設は今よりハードルが下がったりしないでしょうか?大中小一緒くたに取り次ぐために口座開設のハードルが上がっているのかもしれません。
てなことを書いているとそんな取次をペパラボでやりたくなってきた笑 無人書店や会員制コミュニティ書店やりたいね〜なんて話を相方の米本さんと話しているのですが、取次もいいかもしれない。
あ、そうそう。韓国でジョン・ジヘさんがやっているブックファーマシーという活動があります。これはお客さんの話を聞いて、その人にあった本を贈るというものです。これに着想を得た選書サービスをペパラボは準備中です。公開は6月くらいかな。ご期待あれ。
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