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柔軟な発想で支援をーそのために必要なこと

この記事は、2,673文字です。個人差はありますが、4分〜5分ほどでお読み頂けます。

よこはま発達相談室の佐々木です。4月2日は世界自閉症啓発デーであり、4月2日〜8日までが発達障害啓発週間になっています。この1週間はそれに関連するシリーズでお届けしています。今回は「柔軟な発想で支援を」がテーマです。

当事者やご家族の方々から学ぶ

自閉症の方の特性を理解した上で、プラスで自閉症の方が10人いればそれぞれの特性があるように、10のご家族があればそれぞれのご家族の在り方は違うと思います。でも、自閉症の方であれば支援の原則があるので、それを大切にした上で、この方、このご家族にはどのような暮らし方があっているのか、あっていないのかを柔軟に考えていくことが、難しいところだけれども大事なことでもあるかなと思ったりはします。

困った時には「先生たちならどうするんだろうな」というのを考えたりしています。クリニックの中では共有している、例えば主治医が宇野先生、担当心理がぼく、主治医が内山先生で、担当の言語聴覚士、担当の心理がいて。その中で意見交換はかなりしている方だとは思います。その時に、「こんな風に考えたらどう?」という意見があって、発想が柔軟で、「そんな風に考えたらいいんだ」と思うことがたくさんあって。そんな風に柔軟に考えていけるようになるにはどうしたらいいのかなって。

勉強すればするほど、知識は増えていくんです。知識が増えるので「こうかも」と思ってしまうけれども、その方にフィットするとは限らないわけじゃないですか。だから、勉強すればするほどわからなくなることがあって。柔軟に考えていくことが大事だなって。それをその人のセンスとしてしまうと身も蓋もなくなってしまうので、その辺はどうしていけばいいんでしょうか。「自閉症の支援はこうあるべきだ」と思わずに、「これもあり」と柔軟に考えていけるようになるにはどうしたらいいでしょう?

やっぱり非常に単純に言えば、当事者の方から学ぶということ。色々な先生についてきて良かったと思うけど、例えば、最初に梅ヶ丘病院にいたときに、中根晃先生も面白い先生で。自閉症の子が帰る時に、ぼくがバイバイしても返してくれなくて、中根先生がしたら返してくれて。なんでかなと思ったら、「立ち位置が違うよ」って。中根先生はしゃがんで子どもの目の前でバイバイして、ぼくは俯きながらしたんですね。「子どもの視界に何が入っているかが大事だよ」って言われて、なるほどって。TEACCHも大きかった。留学した時に、師匠のジャック先生には、「こうしたらこの子はこう反応すると思うよ」って言われて、確かにそう反応するので、「なんでわかるんですか?」って聞いたら、「子どもをよく観察すればわかるし、アセスメントすればわかる。だけど、大事なことはこうすればこう反応すると思ってやった時に、違った反応、予想外の反応をした時に勉強になるんだよ」って。「あー、なるほど」って思って。

だから、自分の経験をすごくメモしたり、発信するようにした。発信していたのは、自分で記録しておきたいというのもあって。基本的には当事者から学ぶと。予想外の反応をしたときに、なんで予想外の反応だったのかというのは、すごい勉強になると思います。

どう伝えるかよりも、どう伝わるか

臨床家同士で話をしている時には、違う立場の先生でも話が通じやすい。だけど、メディアとの関係になるとそういう人たち(政治家や評論家)は大事な存在だけど臨床をしていないから、そういう人たちに説明をする時には、それなりの説明の仕方を考えないといけない。臨床家同士とそうじゃない人と話す時には視点を分けないといけない。それはすごく大事。ショプラー先生やウイング先生から学んだことで、政治家に対するアピールもしてきた先生なので。

内山先生のお話を聞いて思ったのは、ぼくらは、「なんとなく関わらせていただく」ではなくて、いつも考えながら関わらせて頂いて、かつそれを自分自身で振り返りをしていくことがとっても大事なんだと思います。これは外に向けての発信でもそうですし、当事者の方に向けての同じだと思いますけど、ぼくらが伝えたいことを伝えればいいわけではなくて、それがどう伝わるかが大事だと思うので、そのためには、どう伝えたら伝わるんだろうかなとか、それぞれの方にフィットするというか伝わりやすい表現ってあると思うので、そういうことを考えながら伝えていくのが大事なのかなぁなんて、今聞いていて思ったんですけれども、宇野先生はいかがですか?

よい仲間、よい繋がりを持つこと

内山先生が仰られたみたいに、本人、家族から学ぶというのは非常に大きいなと思います。自分の思っていなかった視点とか、そんな風に思うんだとか、そんな生き方があるんだと教えてもらえるのは、本人、家族からなんですね。それを踏まえた上で他にということで言うとすれば、全国に良い実践をしている仲間たちもたくさんいるんですよね。

そんな仲間たちも入れながら、佐々木先生はオンラインサロンを展開しているのかなと思います。尊敬できる仲間、信頼できる仲間と出会ってディスカッションして、「なるほど、こんな面白いアイディアがあったんだな」とか「こういう考え方でうまくいったんだな」とか、良い実践から学ぶことも多い。そういう色々な実践の引き出しが増えてくると、「今はこのアイディアを借りてみよう」とか「これを組み合わせてみると良いかもしれない」と出てくるので、よい仲間たちと繋がっていく。もちろん、ぼくらは職場がそうなったりもしますけれども、それだけではない外の仲間たちもそれぞれに持っています。外にもよい仲間を作りながら、自分を研鑽する場をきちっと作っていくことが大事なのかなって思ってます。

蛸壺にならないことは、すごい大事ですよね。自分達だけでやっていると、独善的になっちゃうんで、良い仲間と、外部とも、海外とも適度に繋がって。一人、一つのグループでできることって限られているからね。

続きは、また明日以降配信いたします!
明日は、「よい仲間を作っていくには」をテーマにお話をしていきたいと思います。ご関心ある方はご視聴ください。

よこはま発達相談室
佐々木康栄

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