見出し画像

個別の支援プランのために心理・発達検査を活用して

この記事は1,621文字/個人差はありますが、約3分~4分程でお読みいただけます。

よりよく知ることがスタート

こんにちは。よこはま発達相談室の佐々木です。以前、「心理・発達検査はなんのため?」という記事を書かせていただきました。

検査、評価、アセスメントなどさまざまな言葉で表現されますが、基本的には「その方をより良く知るため」という意味だと思ってもらえればよいと思います。もちろん、より良く知るというのは、その方個人のことだけでなく、周囲の環境も含めて知る必要があります。

その理由としては、ASDの方々は周囲の関わり方も含めた環境により多くの影響を受けることが知られているため、よりよいサポートや調整を考える上では今の環境を理解し、環境を整えていくことが大切とされているからです。

 

支援につなげるために必要なこと

支援現場では、一律な方法はなくて、それぞれに合わせた対応を考えていくことが重要です。それは、同じ診断名だとしても、得手不得手や興味関心はそれぞれで異なるためです。

診断は、大きな支援の方向性を考えていくためにとても大切な情報です。でも、それだけでは個々の細かい特性がわかるわけではありません。つまり、
診断がつく=支援の方向性がたつ≠個別の支援プランがたつ
ということです。

例えば、自閉症スペクトラムの方であれば、視覚的な支援を原則としていくことがわかります。でも、その方にとっての役に立つ視覚支援は、文字なのか、写真やイラストなのか、あるいは具体物なのかというところまでは診断がつくだけではわかりません。

視覚支援一つとっても、その方にあった支援になるためには、診断に関する情報に加えて、その方の認知特性(ものごとの捉え方や感じ方)を知ることが大切です。

ちなみに、視覚支援については、ぼくが別に書いているnoteでもう少し詳しく書いていますので、ご参考まで。

どんなアセスメントがあるのか?

アセスメントには、「フォーマルアセスメント」と「インフォーマルアセスメント」とよばれるものがあります。それぞれについては以下のようなイメージを持ってもらえればと思います。

  • フォーマルアセスメント=検査

  • インフォーマルアセスメント=行動観察

医療機関や相談機関ではフォーマルアセスメントが、支援現場ではインフォーマルアセスメントが用いられることが多いと思います。

どちらも支援を考える上では非常に重要なため、ぼくらは、フォーマルなアセスメント(=検査)をしながら、インフォーマルなアセスメント(=行動観察)をしていくようにしています。

実際に、ぼくらが臨床的によく活用する検査は下記です。

ただし、これらの検査を無目的に実施することはありません。検査は支援のために行いますので、それぞれの方の状況に合わせて、どの検査を、どんな目的で実施するのかが大切です。そのためには、それぞれの検査の役割や何を見ているのかを知る必要があります

そして、検査は「誰が実施しても同じ」ということはありません。支援プランまで考えていくには、ただ検査を実施できればいいわけではなく、目の前の方々をより良く観察し、質的なアセスメントをできるスキルが必須だろうと考えています。

こうしたことについて、現在2つの研修会を企画しています。一つは、上記で提示した検査について、我々がどのように活用しているのかについての研修会です。もう一つは、ウェクスラー式知能検査をどのように臨床場面で活用しているのか、詳細に解説しているより実践的な研修会となっています。

「専門家としてよりスキルアップしたい」という方は、ぜひ詳細をご確認いただき、お申込をご検討ください。

この記事が皆さんのお役に立てば嬉しく思います。

よこはま発達相談室
佐々木康栄

メンバーシップ

よこはま発達相談室へのご相談


専門家向けスーパーバイズ


コンサルテーション

その他SNS

▼個人note

▼Facebook

▼Twitter

▼Instagram



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?