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付き合いが長い=信頼関係ではない

*この記事は、2020年6月にYouTubeにて配信した動画から一部抜粋し、すでにYouTubeやstand.fmで配信している内容を記事にしたものです。動画では、笠合竜明先生(社会福祉法人 金沢手をつなぐ育成会)にお話をお伺いしております。笠合先生には、現在運営している「オンラインゼミ」でも、「人材育成」や「自立課題をどう生活につなげていくか」などのお話をお伺いし、来月に動画配信予定です。ご関心ある方は、最下部のリンクを載せておきますので、そちらより詳細をご確認ください。

*以下は、敬称略で記載していきます。

信頼関係を育むのは付き合いの長さじゃない

佐々木:笠合さんは、現場の実情、つまり療育、サポートの仕方を知っている立場で相談支援員をしておられますよね。僕も相談というのは仕事の一つですが、ご本人・ご家族にとって、何かあったらこの人に相談できるんだ、この人が近くにいるから安心と思える人が地域にいらっしゃるのはとても心強いなぁと考えています。

さっきのエピソードでもあったみたいに、親御さんにも言えなかったけど、笠合さんには言相談できるというのはすばらしいことですよね。

笠合:実は、その方に「どうして僕には教えてくれるの?」と聞いてみたことがあるんですね。付き合いも長いので、「喋りやすい」とか、そうしたことが理由かなって思っていたんですけど、違ったんですね。
じゃあ、何でだろうって聞いたら、「わかりやすいから」って言われたんですね。相談の際には、内容を紙面にまとめながら、選択できるような項目も作って相談してるんですけど、「これがあるから」って教えてくれました。周囲からは、そうした手立ては必要ないと思われているし、ご本人も「大丈夫」と言ってしまうんですね。

やっぱり付き合いの長さよりも、情報をわかりやすく伝えていることが大切だと思います。具体的に、わかりやすい形でお互いに情報をシェアすること、具体的にできてるかの方に届いているかを考えます。どう提示したかじゃなくて、相手にどう伝わっているかが大事ですよね。そこを確認しながらやっていく、相手の特性を考えながら近づいていく、それがいい意味で密な関係になっていくと思うんですね。

サムネ

表現の前に理解を

佐々木:支援の本質的なエピソードですよね。コミュニケーションでもそうですが、僕らは表出をなんとかしようとします。それももちろん大事なんですが、その前提として理解してないといけないなぁと思います。

そう考えると、表出だけをサポートするのではなく、受信をどう伸ばしていくか、わかる情報をどう増やしていくかが表出につながっていくと思います。

笠合:そうなんです。本人にとって実感できないと。表出をさせたことが凄い、表出をさせることが目的とかではなくて、「これいいなぁ」と実感して使える仕掛けをどう作るか

言わなきゃいけない、求められてるからという使命感で言わせられても、周りからすると「すごい、表現できてる」となってします。でも、「誰のためなの?」「支援者の自己満足になってない?」ということは気をつけています。

結果も大事だけど、目的はもっと大事

笠合:いかにご本人が、率先して、自然に表現できるようになっていくか、「あっ!」て気がついていくことが大事ですよね。そして、「この場面、この設定だとそういう形ができるよね」というのを現場職員とシェアしていくようにしています。

僕たちは、つい結果を求めたがる。もちろん結果は大事だけれども、そこまでのプロセス、そこまでの設定の仕方や目的は特に重要だと思います。

こっちが思った通りにいかないこともあるけれど、なぜそうなったかを分析しながら、修正するのか、活用するのかを踏まえて取り組んでいくのがいいかなと思います。

以上になります。動画のフルバージョンは下記にリンクを載せておきます。53分ほどの動画になりますが、是非ご覧ください。

よこはま発達相談室
佐々木康栄

動画のフルバージョン


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