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コロナ禍における現場での実践

*この記事は、2020年6月にYouTubeにて配信した動画から一部抜粋し、すでにYouTubeやstand.fmで配信している内容を記事にしたものです。動画では、草原比呂志先生(あじの里地域生活支援センター)、宇野洋太先生(よこはま発達クリニック・相談室)にお話をお伺いしております。お二人には、現在運営しておる「オンラインゼミ」でも、「地域における支援」をテーマに、5月いっぱい鼎談の様子を配信中です。緊急事における地域の支援のために、どのように地域の力を培ってきたのか、そのためには何が大切なのかについてお話をお伺いしております(個人的には、そのような取り組みをしておられる方は他には存じ上げておらず、「すごい」の一言に尽きる内容です)。ご関心ある方は、最下部のリンクを載せておきますので、そちらより詳細をご確認ください。

*以下は、敬称略で記載していきます。

今だから生まれたアイディア

草原:休日になったら電車に乗らないと気が済まないっていうお子さんがいらっしゃって、でもコロナで電車に乗れない状況が続いたので、「どうしよう?」とご相談を受けました。そこで、小型のプロジェクターってあるじゃないですか?これを使えるかもということになって、ご自宅のリビングにお父さんと段ボールで簡易式の電車(運転しているような形態)を用意して、窓にスクリーンも作って、そこにYouTubeからプロジェクターで電車の風景を映したんですね。

そしたら、YouTubeだから、全国の電車が見れるので、自分で検索して「次はこれにして」と、言葉では言わないけれどもジャスチャーで要求して、お父さんもそれは成功体験になったようでした。

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親子で成功体験を

宇野:お父さんも、今までと違う関わりができて、それで次もやってみようってなるでしょうし、うまくいくと、次もやってみようってなるのは、お子さんたちにとっても同じですよね。

草原:お子さんの支援だけでなく、お父さん、お母さんが子育てしていく上で、どれくらい成功体験を作っていくかっていうのは、重きを置いて支援をしています。親御さんだって疲れちゃうこともあります。

宇野:(コロナになって、外出できない分)時間があることで、今までと違う取り組みができたり、そうした機会になったご家庭もあったように思いました。

ご本人を理解してもらえる場所を

佐々木:ありがとうございます。まだまだ現場は混乱、忙しさはあると思うのですが、今後変わっていくことや新たな展開はあるでしょうか?

草原:福祉サービスとして考えていく中で、在宅で生活している方については、こういう状況になった時にどこにもいけなくなってしまうんですね。ですので、自宅以外で生活する時間と経験をどう培っていくかが大事だと思っています。
例えば、短期入所も、もちろんご本人にあった支援でなければ意味はないけれども、短期入所の利用も考えていかないといけないこともあります。その際にも、通常短期入所は一泊二日で終わることが多いのですが、緊急時・非常時のことを想定すると、連泊の経験もいると思います。これまでも、祖父母のご自宅に一時避難する方がいたのですが、一泊目は良かったけれども、その後はもう帰るってなって落ち着かなくて大変だという話も聞いたりします。

親御さんも、「自分が見れるうちは自分が」というのは有難いのですが、ご本人のことを理解してもらえる場所をどれくらい作るかが重要だと思います。

日頃の支援が何より大切

宇野:そこ(短期入所など)での過ごし方も重要になるでしょうか?
草原:そう思います。ただ単にその場で過ごしたり、余暇活動だけすれば良いというわけではありません。香川でも、障害支援区分でいうと5か6の方(つまり、重度の方)が、ホームヘルプや親御さんの協力を得ながら、ご自宅で一人で生活している方もいます。そういう時には、どういう風に隙間時間を埋めるか、どういう活動が保証されているかが大切になってきます。

宇野:そうしたことを考えても、スケジュールの理解や活用が大切ですね。

以上になります。動画のフルバージョンは下記にリンクを載せておきます。30分ほどの動画になりますが、是非ご覧ください。

よこはま発達相談室
佐々木康栄

今回編集した動画

以前公開したフルバージョン


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