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経営の仕組み化はいつから始めるか?

中小企業の社員採用は競争が厳しく、また採用の敷居が高いと企業の成長を妨害してしまう、という話をしてきました。

それなら、いつから仕組みを作ればいいのでしょうか?特に創業から数年は売上をあげることが何よりも大切です。では、売上がどの程度まで増えれば、仕組み化の検討に移行できるのでしょうか?

経営の「仕組み化」は早いほどいい

経営の仕組み化は、今すぐやるべきです。
例え社員がいなくても、会社の仕組みを明文化し、いつでも誰かに頼める状況にしておくほうがよいです。

これは、世界145カ国で7万社の中小企業の成長支援を行ってきた、マイケル・E・ガーバーが主張していることです。

とはいえ、個人的には、売上がほとんど上がっておらず、マーケットの需要も定かではないうちから仕組みづくりに血道を上げるのも、バランスを欠いていると感じます。

そこでご提案したいのは、仕事の内容を組織図として書き出すことです。

私はひとりでコンサルティング会社を経営しています。いくつかの理由から、コンサルタントを社員として雇用しないポリシーを持っています。

それでも、組織図としてこういった図を書くことは可能ですし、意義のあることだと思っています。

人に仕事をつけるのではなく、機能に人を張り付ける

組織図を書くことの目的は、会社運営に必要な「機能」に人をはめ込む意識を持つことです。

中小企業の経営者に、組織図を書いていただくと、個人名が書いてあることが多いです。社長の下に、幹部社員の名前があり、その下に社員の名前が書いてあります。

私が作った組織図は、そういった形式のものとは異なります。

  • 会社全体がどのような「機能」の組み合わせで動いているのかを書き出しています。

  • それぞれの「機能」が、どういった成果を出すことに対して責任を持つのかを書き出しています。

コンサルは私がやりますが、それ以外のところは、誰か得意な人に任せたり、協業したいなと思います。その際には、マニュアルを残します。

  • それぞれの作業工程で何をどのようにするのかを明文化する。

  • 作業をする人が変わっても、同じ結果が出るようにする

  • 作業の難易度に応じた、仕事のランク付けをする。

  • 作業の分岐が複雑にならないよう、提供するサービスを標準化する。

  • 作業を極力、自動化する(システムは疲れないし、退職しない)。

ここまで作り込んでおけば、特定の社員に依存せずに会社が運営できるようになります。

組織の規模が大きくなるほど、「仕組み化」へのシフトは重くなる

これを、例えば年商2億になってから作り始めると、すごく大変だと思います。仕事の進め方が変わることで混乱する社員も出るでしょうし、仕組みの整理より眼の前の仕事をこなすことが優先だ、と主張する社員も出てくるので、説得が必要です。

それと比べれば、ごく小さい段階から、社内の仕組みを定義しておき、業務量が多くなったらマニュアルを作り、決まったルールで格納しておく「仕組み」があれば、あとで混乱がなくて済むのではないでしょうか?


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