マサラのチカラ
本業はデータドカタなので、一日の大半をデスクに座ってひたすらPCに向き合っている。しかも過集中型なので、4時間程度なら気づかず経過してしまうことも多い。完全なる運動不足だ。
もちろん筋力は衰え、血行も不良だ。特に下半身のむくみがひどい。
春にインドに行った際、かつてないほど体調が良くなった。インドといえば行った誰もがお腹を壊す話しか聞かないが、私はお腹を壊すどころか胃弱ゆえの胃腸の重さや体のむくみは綺麗に消え去り、驚くほど体が軽くなった。どうやらあらゆる料理にふんだんに使われた「マサラ」と呼ばれるスパイスが、体質に合っていたようだ。考えてみれば、このスパイスまみれの食事は漢方薬まみれということなので、つまり薬膳料理のようなものなのだろう。
以前、コロナ禍で海外渡航ができなかった頃、旅行会社が様々なオンライン企画をしていたが、その中でインド現地のアーユルヴェーダ医に診断してもらうというものがあり、参加してみた。時間をかけて私の体の悩みや普段の生活をヒアリングし、アドバイスしてくれたのが「ターメリック(ウコン)をギー(澄ましバター)で炒めて牛乳で溶いたものを毎日飲む」というものだった。その時は、「なんだその飲み物」と思って実践しなかったが、おそらくターメリックが私には合うのだろう。
私はコーヒーを飲まないので、お茶をよく飲む。海外に行くと、現地でお茶を買うのも楽しみの一つだ。インドではやはり、マサラチャイが美味しかった。スパイスの風味がフレッシュで、しかも使われている種類が多いのだろう。複雑な味わいで、そして体がとても温まる。
デリーでショッピングした際に立ち寄った高級茶専門店VAHDAMで購入したチャイは、種類も豊富で香り高く、そして日本の感覚では考えられないくらい安かった。もっと買えばよかったと、帰国してから後悔している。次回インドに行くときには、遠慮なく大人買いしたい。
以来、体調のコントロールにマサラチャイを活用している。チャイと言ってもミルクは入れないので、マサラティというかスパイスティというべきか。仕事で脳に糖分補給する際、もともと甘いものが好きでないので少量でガツンと甘いものを摂取するのだが、その際にもチャイは口の中をスッキリさせてくれるので重宝している。
夏の間にすっかり衰えた体力を回復するため、チャイを積極的に飲むようにしたい。