健やかに
データドカタを生業としているので、月末締のあれこれを集計し始める月初の業務が忙しい。この一週間は、締切が多くて本当に忙しかった。ようやく迎えた金曜日はほんの少しだけ早く帰れたので、閉店まで1時間ちょっとしかないビアレストランに駆け込んだ。
QRコードでオーダーしたら、スマホは置いた。私の魂的デジタル容量が、飽和状態なのだ。ビールが到着するまで読みかけの本を開いて文字を追うと、途中になっていたワクワク感が戻ってきた。
今読んでいるのは、この本。
病院の待合室などで細切れに読んでいるが(病院で読むのが相応しくないようなこの上なく相応しいような)、古代の発掘から見られる営みの痕跡や大陸との交流によってもたらされた疫病の流布、今まさに大河ドラマでも話題の平安王朝における貴族たちの生活習慣病など、歴史の話でありながらコロナ禍を経た現代の私たちにも生々しく感じられるような考察だ。まだ読了していないが、最近読んだ本の中ではダントツに面白かった。
砂漠のような感性しか持ち合わせていないため、小説は挫折しがちだ。このため、講談社学術文庫のように現時点で妥当であると考察された書籍が読みやすい。気がつけば、本棚があの紺色の背表紙で埋まっている。
職場がジュンク堂本店に近いため、ランチのついでに気軽に立ち寄れる。面白そうだと手に取った本が、家に帰ると実は同じものがあったということがしばしばある。なぜいつもそんなに新鮮な気持ちで面白そうだと思ってしまうのかと自分の記憶力に絶望するのだが、最近デジタルの力に頼ることにした。
随分前にアカウントを開設したままになっていた、ブクログを再開してみた。
久しぶりの利用なのでアプリをダウンロードしてみたが、書籍のバーコードを読み込むことで簡単に自分のWeb本棚に登録できるようになっていた。いつから実装されていたのか知らないが、これは便利な機能だ。面白くなってとりあえずデスク周りの書籍を次々登録してみたが、ものの数秒でできてしまう。
改めて何冊か並んだWeb本棚を見ると、あまりに偏った読書傾向が可視化されてしまった。悪いことだとは思っていないが、これは自分の課題だな。
なお、一時期Kindleなどの電子書籍でなら大量の本がスマホで持ち歩けるのではと試みたが、スマホを触るとついTwitter(現X)を開いてしまうタイプなので、やめた。