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「甘いものを控える」べき理由

ドラッグストアの店頭で働いていた2010年ごろ。糖尿病持ちのお客さんて結構当時から多くて、世間話したり、糖尿以外の話したりしてる中でも、最後に「甘いもの控えないといけないですね」とつけることは多かった。
すると、その中の結構な頻度で、「(糖尿もあるから)日頃からおやつは煎餅やあられにしとる」という回答。
そうそう、煎餅やあられは甘くないお菓子ですからねー、っておい!
煎餅やあられも、「甘いもの」として避けるべきお菓子なんですよー。

10数年経った今でも、もしかしたら同じ勘違いをされている方が結構いらっしゃるかもしれないと思い、書いておくことにします。

「甘いもの」を避けてほしい理由

特に糖尿病の方や疲れやすい方などに、ですが、「甘いもの」を避けてくださいとアドバイスすることがあります。ダイエットなんかでもそうですよね。甘いものを控えた方が成果が得やすい。
この時、「甘いもの」というのは、糖分のことを指しています。
「甘いものを避けて」より、「糖分を摂る量を控えめに」という表現が正しいのだけど、字面を見ても前者の方が「わかりやすい感じ」なので、前者がよく使われていると思います。
しかし、言葉通り受け取れば、「甘いもの」というのは、「舌が甘いと感じるもの」であり、煎餅やあられは該当しないという判断が正しくなります。「わかりやすい表現」「受け入れやすい表現」にしたばかりに、誤解が生じやすくなっている典型例とも言えます。
本来伝えたい「糖分摂取量を控えるように」という意味で行けば、煎餅やあられは控えるべき食べ物に当たります。なぜなら、原材料がお米だからです。
お米はでんぷんでできていて、唾液・膵液により糖に分解され吸収されるわけですから、塩や醤油でコーティングされて舌はしょっぱく感じても、体にとっては大量の糖分となります。

糖分を控えてほしい理由は、例えば、糖分をとりすぎると腎臓で処理しきれず血中に溢れてくるわけですが、これが血糖値が高い状態です。血糖値という数字が高いことが悪いのではなく、それだけ糖分の濃い血液が全身を流れていることが問題です。(体の各細胞たちが要求している場合はいいのですが、現代の生活様式ではそれほど使われない。残念)
毎日毎日、シロップが体を流れているわけで、ベタベタしますよね。しかも、飴玉を口の中にずっと入れておくと、頬や歯茎の粘膜が変なふうになりませんか?あれが血管内で起きてしまう可能性も。
体にいいわけない。
だから「糖分を控えてほしい」わけで、「消化吸収すると糖分になるもの」を全般的に控えてねという意味になります。つまり、でんぷん(米、小麦、芋、タピオカなど)も避けてほしいわけで、煎餅やあられも該当します。

さらに別のパターン。糖分だから炭水化物や白砂糖を止めればいい、となってしまう人が出てくる。

甘い味のするものたち

特に白砂糖は悪物扱いされています。白砂糖も使うべきときはあるのに。
それはまたいつかのお話にします。
白砂糖も黒砂糖も、同じです。ただ、黒糖は精製されていない分、糖以外の味わいがあり、その味わいのおかげで使用量を減らすことができる場合がある。使用量を全体として減らせれば、摂取してしまう糖の量も減ります。
それだけの仕組みです。
だから白砂糖の時と同じ量の黒糖を使っていたら、意味がないです。
また、蜂蜜も同じです。なのに、蜂蜜は体にいいと言って、ダバダバ使う人もいます。赤ちゃんにまで使って、色々ありましたね。(そもそもなんですが、赤ちゃんに、甘みをわざわざ添加したものを食べさせるのって、どうなんでしょうね)

そして、自然物の中では果物や野菜も強敵です。お医者さんによっては、糖尿病の方には果物もやめてくださいという方もあるくらいです。
現代の果物は甘すぎますね。糖度という数値で測れるので、店頭でも押しポイントにしやすいのでしょう。本来は、その果物が持つ香りや甘み以外の味の強さ、バランスが、その美味しさを生み出すのに、もったいない発想です。
野菜も、トマトや玉ねぎ、さつまいもを筆頭に、にんじんも白菜もキャベツも、「甘くて美味しい」を売りにしているところがあります。ピーマンや茄子も、そうなりかけていて、そのうち唐辛子やキノコまでそうなるんじゃないか。ちょっと怖いです。
もちろん、果物や野菜の甘さは糖ですから、「甘いもの控えて」と言われたら該当します。ただ、これらのうち、本当に避けるべき甘さのものは結構高額なので、一般的なスーパーのものであれば、特に野菜は気にすることはないかと思います。芋、かぼちゃ系の甘い野菜は別として。(糖尿の方は主治医に確認してくださいね)
厳しいところでは、乳製品も消化されると糖を生み出すので控えるように言われます。

さらに、人工甘味料も、問題ありです。発がん性がどうこうという話は、門外漢ですので置いておきます。
人工甘味料で、消化されても吸収されないものが色々あります。が、中医学的視点で見ると、甘い味を感じれば、脾は活動をします。科学の側で表現すると、膵臓がインスリンを出します。(血糖値が上がったのを確認して分泌するだけではない、というのがわかっています)
舌が甘いと感じれば、脾に負担はかかる。脾に負担がかかれば、疲れやすくなり、むくみやすくもなる。
ダイエットにはなるかもしれませんが、体にはそれほどいいことばかりではないです。

論理的になって盲点を減らそう

書き始めの動機から少し外れてしまったな。
「甘いもの控える」理由は、糖分の体内での悪影響(いい影響ももちろんあるけど)から逃れるためです。だから、口に入れた時に舌が甘く感じなくても、体内で糖になるものは控えましょう。そのために原材料をちゃんと知りましょう。という話でした。
途中で気づきましたが、市販のカレールーも、味は辛いけど小麦粉たくさん入ってるから煎餅あられと同じ罠にハマる食べ物ですね。他にも何があるかな。
もし思い付かれたら、コメントに書き込んでいただけると嬉しいです。
みんなで盲点を減らしましょう。

ちなみに、私は小倉山荘の嵯峨乃焼と、名古屋の白木さんのおかきが好きです。

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