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上がらがない気分を上げる

 そろそろ梅雨明けしそうで、もうこの記事は遅いかもしれませんが、知っておいてもらうと来年また使えるかもしれないし、季節に関係なく使える人も必ずいるので、気が載っている今、書いておきます。

 そう。「気が乗っている」という表現にもあるように、私たちの気分は動く時と動かない時があります。一番いいのは、適度に上振れしていて、大きな動きはない状態かなと思います。それがいわゆる「上機嫌」に近いのかなと。
 感情と機嫌はイコールではない、という話もいつかまとめられたらいいなと思うのですが、これはまだ、私自身が全然つかみ切れていないので、いつになることやら。
 朝起きて、ベッドから出たくない、というか出られない。仕事に行きたくないんじゃなくて、行けない。そんな感覚、体験した人にしか分からないかもしれません。自分がしたいかどうかに関わらず、できない感覚。
 鬱が寛解している今、私が感じるのは「ベッドから出たくない」だし「仕事したくない」です、はい。したくないではなく出来ないという場合は、やはり一度は科学の診断も受けた方がいいと思います。薬である程度なんとかなるからです。

 この記事では、したくないでも出来ないでも、どちらでも養生として使ってみてください、と思う方法を書いておきます。

 気分が上がらない、と感じる時は、その感覚を深掘りしてみてください。自分の現状を、既存の、知っている言葉に置き換えようとすると、どうしてもブレる事があります。本当に「上がらない」のか。気が乗らないかもしれないし、元気がないのかもしれません。一番近い言葉を選べるように、深く感じてみてください。その上で。

 中医学の一番基礎となる概念に、陰陽があります。
 陰と陽という二極のエネルギーで、この世界は出来ています。物質も機能も、陰と陽の混合で出来ている。
 そこで、「気分が上がらない」という言葉を考えてみると、「気分」というものが「上」に行かないと言っているわけです。行くチカラがないか、邪魔者がいるか。
 では、「上に行くチカラ」とは。上の逆は下。という事は、どちらかが陰で、もう片方が陽の可能性が高い。
 上向きが陽で下向きが陰です。つまり、体の中で上向きの動きが弱っているという事は、陽のチカラが弱いという事です。なので、気分が上がらない時には、陽のエネルギーを体に補充してあげると奏功する場合があります。
 陽のエネルギーを体に補充することを「補陽」と呼びます。どの臓腑に補陽するのがいいか、と言えば、元気の素になるので腎、または、気を創り出す臓である脾の陽気をプラスするのが効率が良いでしょう。

補腎陽:ニラ、胡桃、栗、いんげん豆、シナモン(妊婦さん禁忌)
補脾陽:鹿
壮陽:エビ、雀、鹿
昇陽:葛

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 コンビニで買えるものでもOK!
 
 特に、朝目覚めが悪い方は、寝る前に胡桃を2粒ほど食べておくと、少し寝起きが良くなることがあります。そこからお試しいただくのもありかと思います。
 陽のエネルギーは熱でもありますし、補陽の食材は温性のものばかりなので、夏や暑いところに長くいる人、元々のぼせや炎症の多い人は、補陽する時は少し気を付けてください。

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薬剤師で薬膳師であり、鬱で入院経験のあるやわるしす塾長が、経験を織り交ぜつつ、薬膳に限らずこころのケアをご紹介します。 一括料金です。月が…

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