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なぜ疲れが取れない…?「休息」について考える(黄金の90分への準備の仕方)

4月は本当に疲れた…。心身共に疲れが抜けなかったという感じ。睡眠が翌日の調子を大きく左右していると感じます。

「眠りの質」という言葉、最近よく耳にします。枕やベッドメーカーがやたらと叫ぶこの言葉。実はあまりよく分かってなかったりしませんか?

最近では「睡眠負債」という言葉もメディアで取り上げられ、関心が高まってます。分かってるようでも、「私は大丈夫!」と胸を張れる人、実は少ないように思います。

実際、自分自身もめちゃくちゃ寝たのに次の日一日中気怠い感じがしたり、あまり寝なかったのに翌日キビキビ活動的に動ける日もあります。この違いはどこから来るのか。

もうGWに入られた方も多いと思います。改めて「休む」ってどういう事なのか、整理してみます。

睡眠時間は足りている?

まずは睡眠時間から。みなさん昨日、何時間寝ましたか?

3/18は睡眠の日だったそうで、OECD(経済協力開発機構)が発表した平均睡眠時間のデータがこちら。

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9時間近く寝ている国も多い中、日本の平均睡眠時間、めちゃ短いです。愕然としますね、7時間半程度。しかも6時間未満が40%もいると言われてます。日本人、明らかに何かがおかしいですね。忙しくて眠れないという側面もありますが、そもそも睡眠の価値を軽視しているのかもしれません。

最近よく耳にする「睡眠負債」という言葉。これは睡眠不足が積み重なるほど心身にダメージが溜まるという考え方。負債という言葉にドキッとしますが、先の日本人のデータからすると、「ちょっと週末に寝溜めします」では返せないレベルの負債が溜まってると言えます。

この「負債」が大きいとどうなるのか?睡眠研究のトップランナーであるスタンフォード大学の研究によると、睡眠負債により下記のリスクが高まると警鐘を鳴らしています。

•太る
•糖尿病
•高血圧
•認知症
•寿命が短くなる

恐ろしいですね。睡眠不足により食欲抑制ホルモンのレプチンが減り、逆に食欲を高めるグレリンが増えます。常態化すると結果、太ります。睡眠不足はインスリンの分泌を悪くし、糖尿病に。さらに交感神経優位の時間が増え高血圧にも。他にも認知症、ひいては寿命にまで相関があるとのこと。

そのためには「睡眠時間を確保しましょう」となりますが、時間だけが問題ではなさそうです。時間よりも睡眠の「質」を上げることこそが重要です。

初めの「90分」を最高に

人は眠りにつくと、レム睡眠→ノンレム睡眠→レム睡眠…このサイクルを4回ほど繰り返して目覚めます。その中でも最も深い睡眠は実は初めにやってきます。ここの質をいかに良くするかが重要。

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つまり「睡眠の質」とは「初めの第一周期のノンレム睡眠の深さ」とも言い換えられます。何事も初めが肝心ですね。この時間は「黄金の90分」とも言われてます。

この黄金の90分では成長ホルモンが出ています。この時間の質次第で免疫力も高まりますし、さらには「脳の老廃物」の処理もこの時間に行われます。

頭蓋骨の内側に脳脊髄液がありそこに脳は浮かんでおり守られています。この脳脊髄液に老廃物が溜まり、脳のパフォーマンスを下げていると言われてます。その老廃物を減らすのも初めの90分が鍵を握ってます。さらに記憶の定着もこの90分で行われます。めちゃくちゃ重要な90分なんですね。

ではどうすれば黄金の90分を最高にし、睡眠の質を高められるのか?

大切なのは「体の芯温」コントロールと「脳への刺激」コントロールの2つ。

睡眠は実は「お風呂」からはじまる

実はお風呂の入り方が睡眠を左右します。ポイントは「寝る90分前に風呂に入り湯船に15分間浸かる」コレです。

眠気はどこからやってくるのかというと、上がった体温が下がる時に眠気が来ます。つまり、スムーズな眠りのためには一旦体温を上げる必要があります。

湯船に15分間ほど浸かる事で体の芯の温度を上げることができます。そして、上がった体温が下がるのに必要な時間が90分。体の熱は手足から外に放出されます。寝る前に手足がぬくぬくなのは芯の温度が下がっている証拠です。その時に眠気がやって来ます。

ちなみに、女性の方で冷え性を心配して靴下を履いて寝る方もいますが、これは実はよろしくないです。芯の温度を下げるために足から熱を放出するので、靴下を履くとうまく熱が放出できず、芯の温度が下がらない。結果、スムーズな眠りを妨げてしまいます。

寝る前に脳を使わない

温度ともう一つ、寝る前に大切なのはいかに副交感神経優位に持っていくか。いわゆるリラックス状態でいられるかです。簡単に言えば「脳を使わない」ということ。

コツとしては、ルーティンを決めるとよいです。寝る時間、起きる時間を決める。そこから逆算して90分前に風呂に入る。風呂から上がった後はリラックスする事を最優先する。クリエイティブな事をしない。作業、仕事、考え事、全部NOです。

そして大切なのが「光」を遠ざけること。風呂から上がった後は寝るまでの間、室内の灯りを落としましょう。そして何よりスマホ、これが最大の敵です。なるべく画面を見ない、ベッドに持ち込まないことが大切です。

以上、芯温と光のコントロールで黄金の90分を確保しましょう。

起き方にもコツがある

朝起きるのに自信がないので何個もスヌーズをセットし、目覚ましと毎朝格闘している方も多いと思います。冷静に考えて、あまり良い朝の起き方と言えませんね…。

実は朝はレム睡眠とノンレム睡眠を20分ごとに繰り返します。レムが浅い眠り。この浅い眠りでは小さい音でも起きれます。小鳥の声や、外の小さな騒音で目覚める事がありますが、それはこのタイミングで目覚めた時。

逆にノンレムの深い時には目覚ましの爆音すら気づかないときがあります。レムで心地よく起きるにはどうすべきか?

コツは2個だけアラームをセットします。1回目は優しい音でセット。2回目はしっかり目の音で20分後にセットする。スヌーズの設定はしません。こうする事で20分サイクルのどちらかに引っかかります。

起きた後はすぐにカーテンを開ける、もしくはベランダに出る。日光を受けるとメラトニンが分泌されて体内時計がリセットされます。この体内時計、サーカディアンリズムとも言われますが、実は24.2時間周期なのです。24時間じゃない…。つまり「ほっとくとズレる」。ここをリセットさせるには太陽の光を浴びる事が必要です。

また、朝の体温コントロールも大切です。冷たい水で手首まで洗う。手首の表面には太い血管があり、そこを冷やすと効率よく体全体の体温が下がり、眠気が無くなります。

そもそも何のために休息するのか?

ここまで、睡眠の質を良くするための工夫を見て来ましたが、そもそも何のためにそんな事をするのでしょうか。目的が曖昧では意識があがらず、長続きしません。

私は睡眠の質を意識しているのは「翌日のパフォーマンスを最大化したいから」です。シンプルですが、明日のために今日しっかり休む。この積み重ねで、日々の生活に善循環が生まれると思います。

「シリコンバレー式 よい休息」という本に、よい休息のための4原則としてこう紹介されています。

1.労働と休息はパートナーである
休んでいる時でも脳は活動しており、戦略的に休むことでその働きを活用できます。

2.休息は活動である
休息=受動的ではない。脳や精神の休息は活動的。

3.休息は技術的である
少し勉強し理解すれば、はるかにうまくできる。

4.戦略的休息は、創造性を刺激し、維持する
労働と休息は一方だけでは成り立たない。創造的な人にとって、休息は極めて重要。

「労働」と聞くと、仕事ばかりが人生じゃないとも思ってしまいますが、ここの言葉は「生活で一番時間と情熱を割いているもの」に置き換えれば良いと思います。社会人の多くはそれが「仕事」になるのではと思います。

幸福をもたらすものは、富でも豪華さでもなく、平穏さと仕事である。
トーマス•ジェファーソン

素敵な言葉です。この「平穏さ」とは心身がリラックスしていることであり、それは休息、ひいては睡眠からもたらされるものだと思います。

まとめ

非常事態宣言後のこの1ヶ月間は多くの人にとって過去体験した事がないほどストレスフルな日々だったのではないかと思います。

今年のGWはゴールデンならぬガマンウィークという人もおりますが、「今できる事をちゃんとやる」という風に前向きに捉えましょう。

その一つは「休息」だと思います。
今一度、自分の疲労度に意識を向けて、そうなっている原因の生活習慣を見直してみましょう。睡眠に目を向けてみましょう。睡眠の質を高める事は免疫力向上にもつながります。


今日の疲れを明日に持ち越さない。

「リカバリースキル」を身につけ、ハイパフォーマンスな充実した日々を送りましょう。

そして、素敵なゴールデンウィークにしましょう。


最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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