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「口ぐせ」の力とは? 言葉で自分の脳をうまく導く工夫

「口にしてたら、なんとなくそう思えてきた」

こんな体験ありませんか?ここ1ヶ月ほど、自分の中で意識してやっていることがあります。それは「口ぐせ」のマネジメント。

要は自分で口にする言葉を意図的にコントロールするということです。繰り返し使う言葉を自分で選ぶ事で、思った以上に自分のマインドセットが変わっていく事を体感しています。

改めて「口ぐせのチカラ」について考えます。

ネガティブな気持ちはどこから来るのか?


「なぜかうまくいかないな…」「運が悪いのかも…」など、仕事やプライベートでうまく進まない時にそんな気分になる事は誰しもあります。

しかし、実はふと自分で思ってしまったネガティブな思考こそが、何をやってもうまくいかない負の連鎖を作り出している原因だったりします。

野口健幸さんの著書「人生は口ぐせでまるごと変えられる。」には、言葉が持つ力についてのヒントが詰まった一冊です。


この本には行動と感情の関係についての示唆が書かれています。例えば、満員電車で体を強く押された時、「もう何するんだ!」と一言口にした瞬間、怒りのモードにスイッチが入り、感情が爆発したというケース。

舌打ちも同じ事が言えます。「チッ!」と舌打ちをした時から眉間にシワがより、イライラの感情が心を埋め尽くしていきます。

また悲しみの感情も同様です。一般的には悲しいから涙が出る、と思いがちですが、これは実は逆。「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しくなるのだ」とはストレス学説で有名な生理学者ハンス・セリエ氏の言葉です。

たとえ嘘泣きであっても脳は「今とても悲しいことが起こっている」と錯覚して感情が動いてしまうという事ですね。

つまり、行動が感情をコントロールしてしまうということ。そして、その心理状態にあった脳内ホルモンが分泌されてしまいます。

脳は簡単に騙される

この原理を前提に考えると、喜怒哀楽といった感情は脳が作り出していて、それは多分に錯覚によるものも含んでいるということです。

人間の脳は複雑なようで、実はとても単純で、些細なことで騙されてしまいます。

これは私にも体感したエピソードがあります。それはフルマラソンのレースや特に100kmのウルトラマラソンにチャレンジした時のこと。長距離のマラソンは実は脳との騙し合いです。

「もうしんどいな…」「膝が痛くなってきたかも…」「これ以上は無理だ…」そんな気持ちが少しでもよぎると、脳は体を止めようと痛みのサインを続々と出してきます。そうなると完走の確度がどんどん下がります。

エンデュランス系と言われる持久スポーツで長時間体を動かし続けるには、脳のこの弱気サインを出させないようにすることが重要です。

例えば、天気に恵まれていること、仲間と走れること、エイドポイントで補給できる幸せなど、感謝や楽しさで出来るだけ脳の中を埋め尽くすように努力します。そうすることで、脳の中からネガティブな感情を追い出し、たとえ体に無理が来ている状態でも、脳を騙すことで体の痛みのサインを出させないようにします。

改めてこう文字にすると、あまり体に良いことでは無いように思いますが、レースとはそういうものかなと思います。無理や、限界と思う先に自分の成長を感じたりします。そのためには時に自分の脳も騙さなければなりません。こうした体験から、自分の脳がいかに弱きに流れるかという事を体感しました。

言葉の力で脳を活性化

日常生活で、ポジティブなマインドセットをキープする工夫として、「いい言葉」のパワーで脳を活性化させるという手法があります。

仕事やプライベートで、物事がうまくいく状態を引き寄せるには、脳がいきいきと働いていることが重要です。

科学的にも、人間の脳は気分のいいときに最もよく働くことが証明されています。そのために有効なのが「前向きな言葉」を浴び続けることです。こうすることで脳の自律神経系が活発になります。

「素晴らしい!」
「楽しい!」
「良くなってきた!」
「好き!」
「良い感じ!」
「嬉しい!」
「感動した!」
「ありがたい!」
「ありがとう!」
「感謝!」

などなど、好意や感謝の言葉を積極的に口にする事を心掛けるだけで、ものの考え方や感じ方がポジティブ変わります。

物事に向かう姿勢も前向きになり、人との関係も建設的なコミュニケーションに変わっていきます。

また、一つの現象(ファクト)を目にした時にどういう角度で捉えるかも大切です。

例えば一見好ましく無い状況に追い込まれたとしても、「このタイミングで気づけたのはツイてる!」「ある意味うまくいってる!」「失敗という一歩前進ができた!」「経験出来て良かった!」というプラスの解釈を口にすることで、自分にとってプラスの結果に翻訳することができます。

こうした、たくさんの「いい言葉」を意識して使うことで、脳が活発に働きだし、運のいい人、すべてがうまくいく人になって行けるように思います。

その上で野口さんは、「わたしは自分の夢に向かいつつある」と口にすることを毎日の習慣にしているそうです。この言葉は未来に意識を向けている素敵な言葉だと思います。

私は意識して口ぐせにしているのは「死ぬまで発展途上」「今の自分がまだ出来ていないだけ」「いずれできるようになる」これらの言葉を大切にしています。

どんな事も長く続く階段の途中と思えば、腐る事もなく、目線を上へ上げていけるように思います。

「いい言葉」を五感で感じる工夫

言葉は口にする事で、自分の耳にも入ってきます。そして、もう一つ大切なのは文字に起こす事です。

「いい言葉」をたくさん使ってポジティブな日記を書くことはとても有効です。野口さんも著書の中でポジティブ日記をおすすめしています。仕事が忙しい、思うように進まないなど、物事の悪い面ばかりが目についてしまうときは感謝日記がおすすめだと言います。

感謝日記とは、日々ありがたいと感じたことをリストアップし書き留めていくこと。これを続けていくと、どんな状況下でも「ありがたい」と思えるようになり、自分は恵まれているんだという意識を育てることができます。

感謝日記は、ただ書き記すだけでなく時折読み返すことでさらに効果を発揮します。物事のいい面に気づくことができるようになれば、積極性やひらめきを取り戻すことができます。

私もこれは以前からスリーグッドシングスというメソッドで同様の事を生活に取り入れています。自分を取り巻く環境で発見した些細な「良い事」を集めていく事で、感謝の念と、自己肯定感や、自己効力感を養うことができます。

スリーグッドシングスについては以前に書いたこちらの記事も参考下さい。

なぜ充実感を感じないのか? 一日を幸せに終わる工夫とは(スリーグッドシングス)


ネガティブを消し去る工夫

しかし、誰しも常にポジティブでい続ける事は難しいことです。得意な事ばかりではなく、苦手な事もあります。「これは難しいな…」「うまくいかないかも…」といったネガティブな言葉を口にしてしまったときにどうすべきか。

そんな時はすぐに「キャンセル」と言って取り消してしまいましょう。

先日英会話をしている時に「Scratch that!」という言葉を耳にしました。これは日本語で言うと「今のなし!」と、かき消す感覚です。何か口にした時に、取り消し、キャンセルする時の一言。

このような感覚で、自分の言葉や気持ちをキャンセルする感覚を持っておく事で、気持ちを切り替える事ができます。

大切なのは「キャンセル」という言葉を実際に口にする事です。気持ちを切り替える合図を自分の脳に送る事が大切です。

そして「キャンセル!」と言った後は、「でも大丈夫!」「やればできる!」と言い直してポジティブワードで気持ちの上書き保存をしてしまいます。

脳は簡単に騙せると考えて、キャンセルからの「できる」の自己暗示で脳を活発に働かせます。

まとめ

日本には言霊という言葉もあり、日本人は古くから言葉に魂が宿ると信じ、言葉の力を大切にしてきました。この力を信じて、自分のマインドセットを変えていきましょう。

言葉で脳が騙せるとすれば、使っている言葉=脳の状態と考える事もできます。つまり、ネガティブな言葉を使うと脳はネガティブに、逆にポジティブな言葉では脳はポジティブになります。

そして、いつまでも同じ言葉を使い続けるのも良くないです。言葉が変わらない=脳の中もアップデートされない、とも考えられるからです。

脳をフレッシュな状態で維持し活性化させるためには、刺激的な新しい言葉をどんどん使うべきです。そうする事で、新たな発想を生み出していける素地が作れるのではないかと思います。

自分の使う言葉を自分で意図的にコントロールして、脳のステアリングをしっかり握る。

「良い言葉」でうまく自分を導いていけると良いですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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