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「汗をかいてデトックス」は本当? 汗との上手な付き合い方とは

「はぁ、暑すぎてどこにも行きたくない…」

今日も全国的に猛暑で、40℃近い地域もあるようです。これだけ暑いとコロナの外出自粛に関係なく、ただただ暑いのでそもそも外出する気すら失せてしまいますね。

健康維持で軽い運動を取り入れている人も多いですが、こうも暑いと熱中症リスクを考えて控えがちです。

この時期にやはり気になるのは「汗」。もともとスポーツによる発汗はリフレッシュできたりしますね。一方で、「汗をかいてデトックス」という言葉も見聞きしますが、「本当にデトックスなんてできるの?」と思ったりもします。

改めて、汗とは何なのか、汗との上手な付き合い方について考えます。

「発汗してデトックス」はホント?

健康や美容において発汗は良いイメージがあります。ホットヨガや、サウナなど、思い切り発汗するアクティビティは人気です。

これらはリラックス効果があるだけでなく体の毒素を排泄するデトックス作用もあると言われています。でも、汗をかいて毒素を排出するというのは本当なのでしょうか。

実はどうやらこれは事実ではないようです。というのも、人間が汗をかく理由は「体温を下げるため」です。老廃物や有毒物質を排出するためではありません。その役目を負うのは、腎臓と肝臓であって汗ではないのです。

汗の成分の大部分は水とミネラルです。その中には様々な種類の有毒物質も実際は含まれているそうですが、学術誌「Environment International」に掲載された研究報告によれば、その量はごくわずかとのこと。

汗に含まれるほとんどの汚染物質に関しては、その量はあまりにわずかで、あってもなくても変わらないとの研究結果が発表されています。研究チームが調べた結果、普通の人が1日45分間の激しい運動を行ったとしても、1日の発汗量はせいぜい2リットルほど。これには、運動していない平常時の発汗も含まれています。

そして、それだけの汗をかいても汚染物質は0.1ナノグラム以下しか含まれていないとのこと。
普段の食生活で体内に取り込む汚染物質のうち、汗で出る量は0.02%に過ぎず、さらに運動を激しくしたとしても、0.04%程度までしか増えません。どんなに大量の汗をかいたとしても、その日体内に摂取した汚染物質の1%すら排出できないそうです。

しかも、人間の体内にある農薬やその他の汚染物質の量自体、極めて微量とのこと。そう考えると、「汗をたくさんかいて、デトックスしましょう」というのはなかなか怪しい売り文句のようです。

良い汗と悪い汗

とは言え、汗は生理現象ですので意思に関係なく出てしまうもの。「できることなら汗はかきたくない!」という方も多いでしょう。特に女性からすると化粧が落ちたり、男性が考える以上に汗に悩む人も多いです。

しかし、体温調整の役割を持つ汗を適度にかくことは、人間が生きる上で欠かせません。汗をかいてそれが蒸発することは体調管理上、理にかなった生理現象といえます。

ただ、一言で汗と言っても、「良い汗」と「悪い汗」があります。

良い汗とは
汗はもともと体温調節の機能です。良い汗はすぐに蒸発し効率的に体温調整ができます。不快感もありません。

•汗の粒度細かい
•成分が水に近い
•サラサラ
•においが少ない
•すぐに蒸発する
•汗をかいた後もすっきり

悪い汗とは
ミネラルを多く含んでおり蒸発しにくいため、汗をかいても体温調整しにくいです。体に必要なミネラルも排出してしまうため、かきすぎると夏バテや熱中症の原因にもなります。

•汗の粒度が大きい
•ミネラル分が多い
•粘度があってベタベタ
•においが強い
•蒸発しにくい
•汗をかいた後は不快

良い汗か悪い汗かの違いは汗腺機能によると言われています。汗腺の機能が弱まっていると悪い汗をかいてしまいます。

良い汗をかくための工夫

汗腺は鍛えることができますし、それ次第で良い汗をかけるようになります。日々の生活習慣で取り組める工夫についてご紹介します。

1.部屋の温度を下げすぎない
汗腺は冷え過ぎによって衰えますので、冷房の設定温度は、出来るだけ下げないようにしましょう。冷房ではなくドライ設定にするのも良いです。冷風が体に直接あたらないよう風向きを工夫したり、冷房温度は高めにして扇風機やサーキュレーターを併用するなど、冷え過ぎない工夫をしましょう。

2.急な温度変化を避ける
冷房で冷えた部屋にしばらく居ると皮膚の温度が下がります。そこから暑い屋外にいきなり出るとなかなか汗が出ない事があります。体温調節が効率的にできない状態です。そうならないためにも、外出前はいきなり炎天下に出ず、冷房を切ってしばらく体の冷えを抑えたり、玄関などで外気に体を慣らしてから出るようにしましょう。

3.通気性のいい服を着る
汗は自然に出した方が体にとっては良いですが、汗をかいたら早めに蒸発させて体温を下げることがポイントです。着る服でも快適さが大きく変わります。綿や麻、吸汗速乾素材の通気性の良い服などを選びましょう。

4.お風呂で発汗を促す
手足を重点的に温める「手足高温浴」という手法があります。手足の先の汗腺を42~43℃の熱めのお湯で刺激して、働きを活発にする方法です。ひじから先とひざから下を10~15分ほどお湯につけて温めます。

また、半身温浴もおすすめです。36℃程度の少しぬるめのお湯で、みぞおちあたりまでの半身浴を行います。10~15分ほど体を深部から温めることで、じっくりと汗をかくことができます。

お風呂に入る時はしっかり水分補給するのと、お風呂上がりには自然に汗が引くのを待ってから着替えると良いでしょう。

5.有酸素運動で汗を流す
ウォーキングやジョギング、ストレッチなどの有酸素運動も有効です。全身の血流がよくなり、発汗しやすい体づくりができます。とはいえ今の時期は熱中症が心配です。夏場は気温に注意しつつ、早朝や夕方以降の暑さが落ち着いた時間帯に行うのがおすすめです。

まとめ

こうも猛烈な暑さを見舞われると、冷房の効かせ過ぎ、運動不足に容易に陥りがちです。そのような生活により、知らず知らず汗腺が衰え、悪い汗をかく原因にもなります。

冷房温度の設定や、なるべく快適な時間帯での適度な運動、お風呂を活用し、適度に良い汗をかける体を手に入れましょう。

汗腺は、年齢とともに衰えていくといわれています。大人になるほどベタベタとした悪い汗をかきがちです。年齢に負けずに、いつまでもサラサラの良い汗をかきたいものですね。

また、汗をかきにくい体になると、温度調節がしにくくなり、夏バテのリスクも高まります。それを防ぐためにも、汗腺を鍛えることを意識した生活習慣を取り入れて、体質改善を心掛けたいですね。

もうしばらくこの猛暑は続きそうですが、工夫しながら汗腺を鍛え、サラサラの汗で健康的な夏を過ごしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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