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なぜ違和感を感じるのか?テレワーク下の会話7つのポイント

「オンラインでのミーティング、何かしっくりこないな・・・」

テレワーク下でこのような感覚を覚える人も多いのではないでしょうか。私の職場はコロナの影響が出る前の昨年からフリーアドレス制を採用し、週に数回テレワークをすることを進めていました。オンライン上での会話の難しさには実は昨年から悩まされていました…。

実施する中で次第に「オンラインはオンラインの『やり方』がある」と分かってきました。単純に「いつものミーティングをパソコンやタブレット越しでやるんでしょ」と思っていると、いつのまにかチームや取引先との距離が離れてしまう、そんなリスクさえあります。

改めて「テレワーク下での会話」について、距離を遠ざけない会話スキルを整理したいと思います。

オンライン会話の問題点

直近の調査によるとテレワーク制度自体の導入率は全体で32%。従業員1000人以上の企業では57%とかなり普及しています。企業規模による差はありますが、このトレンドは今後さらに広がるでしょう。

テレワークと共にSkype、teams、zoomなど、さまざまなツールのおかげでオンラインで会議は急速に広まっています。これらは便利なツールではありますが、使い方を間違うとオフラインのリアルな会議より生産性は低下しかねません。主な問題点を挙げてみます。

・相手の表情が見えにくい
・発言の温度感が掴みにくい
・見られていないがゆえに集中力が低下しがち
・参加人数が多いと発言する人としない人で偏りが出る

特に、「表情」「温度感」が掴みにくいのは、コミュニケ―ションに大きなズレを生みかねません。つまり非言語領域の情報量が低下するということです。

非言語情報こそ重要(メラビアンの法則)

言語と非言語がコミュニケーションに与える影響を示したものとして、「メラビアンの法則」があります。メラビアンの法則は、非言語的コミュニケーションの重要性を説いたもので、コミュニケーションにおいて、人に影響を与える情報は以下の割合と言われています。

言語情報(話の内容など):7%
聴覚情報(声のトーンや話の早さなど):38%
視覚情報(見た目など):55%

つまり、言語情報が1に対して、非言語情報が9の割合であるという考え方です。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」とも言われたりします。

例えば「この仕事は今のところうまく行っています」というグッドニュースを伝える時。

言語情報(話の内容など):「うまく行っています」
聴覚情報(声のトーンや話の早さなど):弱々しく上ずった声
視覚情報(見た目など):瞬きが多く、そわそわ落ち着かない感じ

といったコミュニケーションをすると、上司からすると「本当に大丈夫なのか?何か問題があるのでは?」と隠されている問題に気づいたりします。言語情報(話の内容)よりも、聴覚情報や視覚情報のほうが影響を与えやすいということです。

オンラインのコミュニケーションはオフラインのリアルな会話に比べて、この「9割を占める非言語情報」が伝わりにくいという、圧倒的なマイナス要素があるということを理解しておく必要があります。

オンライン会話の7つの要点

前述の通り、放っておくと「9割を占める非言語情報」が欠落した会話をしがちです。こうした会話を重ねると、情報のズレだけでなく、波長のズレを生み、「何考えているかわからないな」と余計な不安や詮索をしてしまい、人間関係に溝が生まれて行きます。

そうならないように、「非言語情報を補う」姿勢が求められます。以下7つのポイントを整理してみます。

1.いきなりはじめない

オンラインミーティングでは初めの数分間にアイスブレイクを入れることが非常に重要です。軽いウォーミングアップをしてからでなければ温度の通わない、ムードの悪いミーティングになってしまいます。

おすすめはみんなで軽くストレッチすること。背伸びをしたり首をぐるぐる回したり。やることは簡単ですが、参加者全員が「同じアクションをする」ことに価値があります。一体感がグッと上がります。私はこの「ストレッチスタート」をチームメンバーと毎回のミーティングでやっています。気持ちよく会議を始められます。「健康」は誰に対しても関心がありますし、お互いの状態を気遣う上で最適なテーマです。議論の本題に入る前に、参加メンバーの「人」に関心を寄せることで、良いムードを創ることができます。

2.大げさな身振り手振り

オフラインのリアルな会話では、目線の動きや細かいしぐさで自然にこちらの意思が伝わりますし、相手の心情を掴むことができます。しかしリモートではそこが難しい。そこで、意図的に大げさにふるまう必要があります。賛成なら親指を立てたり、OKサインを出したり。良いアイデアが出た時は拍手をしたり、メンバーが何かを達成した時はバンザイしてみたり。とにかく感情をカラダで表現して情報を補うことが大切です。

3.表情を意識する

テレワークをしていると、「自宅で独りの環境」に慣れてしまい、表情が固まってしまいがちです。固い表情のままオンラインミーティングをすると、声のトーンも暗く、ネガティブなムードを作りがちです。表情が明るいと声も1トーン上がります。オンラインは「見られていない」ではなく、むしろ「見られている」という意識を持って、顔をつくりましょう。喜怒哀楽、豊かな感情表現を持ってコミュニケーションすることで、欠落しがちな非言語情報をカバーできます。ポジティブな会議にしたい時は、開始前に無理やりにでもニッコリ笑って臨むと、気分も声色も変わります。

4.テキスト情報の併用

オンラインミーティングではチャットツールを併用したコミュニケーションが有効です。議論の要点になりそうなキーワードを文字情報で打ち込むことで、ミーティングをガイドできますし、備忘録にもなります。さらに、会話で「例えば〇〇みたいな感じ」と発言したメンバーがいれば、さっと検索して画像のURLを共有。「そうそう、コレなんです!」と会話に弾みが生まれますし、助け合いながらミーティングを創っている雰囲気を創ることができます。

5.メンバーの性格に合った参画の仕方

オンラインミーティングで難しいのは「話し始めるタイミング」です。同時に発言し「どーぞ」「どーぞ」というシーンがよくあります。話好きの人は放っておいても発言シェアを奪っていきますが、奥手な人や、内省的な性格の人はどうしても口数が少なくなります。そういう人は存在感を出せなかったりします。そうならないように、ミーティングオーナーは意見を言いやすいように指名したり、話を振るなど、参加メンバーの性格に合った参画の仕方をデザインしておくことも大切です。発言が苦手な人には先ほどのテキストチャットで議論を見える化する担当をするなど、役割を与えることで、ミーティングの生産性向上に寄与できます。

6.フィードバックをする

ミーティングの最後に数分時間をとって、ミーティングの仕方自体について少し会話をします。「〇〇さんの話方は伝わりやすかった」「あそこでしっかりうなづいてくれたから説明しやすかった」など、気づきを共有します。こうすることで、オンラインミーティングのリテラシーは上がっていきます。これはスキルです。磨けばよりよいものになっていきます。

7.素直な自分でいること

「オンラインミーティングでは上司が部下を叱るケースが減った」、という記事を見たことがあります。これは頷けます。画面越しに人を怒鳴ったり、叱るのは難しいですね。これはつまり、上下の隔たりが少なくなっているといえるのではないでしょうか。オフラインのリアルな会話には「場の空気」がありますが、オンラインではよりフラットで妙な「空気」は感じにくいです。だからこそ、変に気を遣う必要もないと思います。「ミーティングに貢献したい」という前向きなモチベーションだけを持って、空気を読まず素直な自分で臨むことが大切です。

まとめ

オンラインの会話は、通常の会話で重要とされる非言語情報が大きく欠落しがちです。だからこそ、「欠落した情報を補う」という意識を持つことが大切です。

デジタルに支えられた環境ゆえに、今まで以上に「リアルさ」をケアしましょう。喜怒哀楽を表現する、身振り手振りで大げさに感情を表現する、表情を豊かに会話する。これはつまり、画面の前では、「人間味あふれる自分でいる」ということだと思います。

そしてこのテレワーク環境での仕事の仕方は「スキル」だと思います。磨いていくことが大切。しかもミーティングは自分以外の誰かとやること。自分だけがスキルアップすればよいのではなく、働く人と一緒にスキルアップしていくことが大切です。

自分の働き方、一緒に働くチームの働き方を「発展途上」と考え、お互いがお互いにフィードバックし合い、よりよい働き方を身に着けていけたらいいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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