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オンライン学習があってよかった

「みんな、ちょっと聞いて〜。大事なお話があります。
なんと、今日はオンライン学習最後の日です!」

いつもどおり、8時半になる少し前にZoomに接続したiPadを子どもの前に置き、別のPCでメールのチェックなどをしていると、「おはよー」と挨拶を交わす声のあとに、グループリーダー(いわゆる担任)の先生のこんな声が聞こえてきました。

我が子が所属する大日向小学校は、今度の月曜日から通常の登校が始まります。新入生は4月から、在校生は臨時休校の要請が出た3月から続いてきた「オンライン学習」が、昨日で終了となったわけです。

5月18日からはクラスごとに週1日、6月1日からは週2日の分散登校が始まりましたが、私たち親子にとってはすっかり「オンラインが日常」になり、登校日は特別な日と感じていました。それゆえ、「オンライン学習は終了」の言葉に、思わず感慨にひたってしまったのでした。

ここまでを振り返ると「オンライン学習があってよかった」と思うのですが、これには2つの意味があります。

1.オンライン学習ができる学校でよかった

休校が長期化してもオンライン授業などができているのは一部の学校だけ、多くの学校は大量の宿題を課して指導は保護者に丸投げーーみたいな現状がニュースでもたびたび取り上げられ、問題視されています。

そんななか、大日向小学校はオンラインでできるだけのことをやろうしてくれる学校で良かったと、心から思います。

昨年開校したばかりのチャレンジ精神にあふれる学校だし、入学希望者との面談もZoomでやっていたので、オンラインでなにかするということ自体は驚きではありませんでした。

大事なのはその中身です。

最初の3週間くらいは、子どもたちが飽きずに楽しんでできることや、友だちや先生に興味を持ったり、小学校というコミュニティに慣れていくきっかけになるようなことを考えて工夫されていることが伝わってくる内容で、親としては学校への信頼感や親しみが増しました。(トップの画像は、その頃のもの。画面共有されたYoutube動画を見ながらみんなで踊っています)

4月の最終週頃にクラス分けが発表され、そのあたりから少し「学習」っぽい活動にシフトしました。と言っても、先生がZoomで算数の授業をやるとか、そういうことではありません。

もともと大日向小学校では、教科の学習は「ブロックアワー」という時間に、自分で立てた計画に沿って個々に進めるスタイルです。また、1日の始めと終わりには、クラスで「サークル対話」を行い、お互いのことを知り合ったり振り返ったりする習慣をとても大切にしています。(下の図は、小学校のウェブサイトの「イエナプランについて」のページより)

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オンライン学習では、上の時間割の最初と最後にある「サークル」(オレンジ色)と「ブロックアワー」(黄色)を、ギュッと短い時間の中でやっているような感じでした。

「ブロックアワー」の時間は、学校から配布される「今週の課題」をもとに「わたしのスケジュール」というフォーマットに何をどんな順番でやるか考えて記入し、予め先生が作っておいてくれた解説動画などを見ながら自習していました。Zoomは繋ぎっぱなしで、困ったことやわからないことがあったときは先生に声をかければサポートしてくれます。

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(写真は「外で見つけた花や虫の絵を描く」という課題をやっているところ)

基本は自習で、動画を観られる環境を整える、ちょっとした質問に答える等、近くにいる親がサポートするケースも多いですが、「宿題を用意したので、家庭でやっておいてくださいね」というのとは、似て非なるというか、全然違うものだったと思います。

Zoomでつながっていて最初と最後にサークルの時間があることで、他の子たちがやっていることに刺激を受けたり、がんばったことを認めてもらったり、というのが毎日ある。それがすごく大きいと感じました。

逆に、家庭の中に閉じた状態で、親だけで子どものモチベーションを支えていかなければいけないとしたら、本当に大変だったと思います。

2.オンライン学習から始められてよかった

オンライン学習があってよかった」のもう一つの意味は、「うちの場合は」という面が大きいです。

・子どもにとって

東京から長野への移住、小学校入学、という大きな変化に適応するのに、まずはオンラインからスタートできたのが、とても良かったのです。

うちの子どもは未知のものごとに対する不安がかなり強い方で、保育園の友だちと離れて知っている子のいない小学校に行くことを非常に不安がっていました。卒園も間近になると、会う人会う人に「小学校、楽しみでしょう」と言われるんだけど、黙ってうつむいてしまうような状態だったんです(気を遣うタイプなので、「楽しみじゃない」と本心を言うこともできず……)。

でも、小学生になること自体は喜んでいて、「どんな勉強をするのかな」という期待もしていました。「コロナで学校に集まることができないから、しばらくはオンラインでやるんだって」と言うと、「そうなんだ〜」とびっくりしながらも、「知らない子ばかりの教室にひとりで行かなくていい」「家でできる」ということをポジティブに捉えたようです。

実際、オンラインの時間は毎日とても楽しみにしていて、徐々に他の子や先生たちとも話ができるようになりました。5月の後半から週1回の分散登校をすることが決まったときには、「やったー!」と素直に喜ぶ姿を見せてくれ、私としてはホッと胸をなでおろしたのでした。

・親にとって

親としても、自宅にいながら教室の雰囲気を知ることができたという点で、大きなメリットを感じました。

仕事をしながらなので、ずっと隣りにいて耳をそばだてていたわけではありませんが、Zoomからチラチラと聞こえてくる会話から、「先生はこんな風に子どもたちに接しているんだ」とか「3年生の子はこんなにしっかり考えて話すのか」とか、いろんなことが分かってきて、学校のことをとても近しく感じられるようになりました。

もともと大日向小学校はかなりオープンで、保護者はいつでも見に来てどうぞ、という感じではあります(ウィルス感染防止のため、今年はちょっと違うかも?)。それでも、この3ヶ月でこれほど学校に親しみを感じられるようになったのは、毎日Zoomでその雰囲気を感じていたからこそだと思うのです。

従来、子どもたちが学校に行った後のことは先生におまかせで、教室の中でどんなやり取りがなされているのか親には分からないというのが普通だったと思います。

でもこれからの時代、担任の先生だけが子どもに必要なすべてを教えてあげることなんてできないでしょう。他の先生や保護者や地域の人や、みんなの力を寄せ集めて子どもたちを育てていく社会にしたい。そのためには教室をオープンにすることが有効で、オンライン授業参観、オンライン公開授業みたいなものも、頻繁にあったらいいんじゃないかな、そんなことに気づく機会になりました。

なにはともあれ、ここまで努力してくださった学校の皆さまには本当に感謝です。そして通常登校が始まるこれからも、大いに楽しみにしています。


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「働き方」をテーマに、取材、情報発信をしているフリーライターです。 Yahoo!ニュース(個人)オーサー。女性の働き方提案メディア『くらしと仕事』初代編集長。一児の母。 お問い合わせはこちら→ https://forms.gle/uUCeBocv6xp3X8GDA

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