桔梗の旗書影

2020年の小説刊行について(ごあいさつに代えて)

【PR】

 いつもこちらのnoteをご覧の皆様、またわたしの本を読んでくださっている皆様、2020年もよろしくお願いいたします(あけましておめでとう、と申し上げないのは、これをご覧になっているあなた様が喪中であられる可能性を考えてのことです)。

 新年といえば……抱負?
 いや、そんなもんねえよ!
 小説家が持つ必要のある目標は、一作一作に対して掲げる「小目標」、五~十年後くらいの展望である「中目標」、死ぬまでの目標である「大目標」に大別されるというのがわたしの考えで、これらは暦の影響を受けるものではありません。「年ごとの目標」が立てづらい稼業なんですよ。実際問題、わたしは今、2019年から引きずったままの仕事を抱えており、これら作品に課した目標を果たすべく、今日もがりがり小説を書いてます。

 とはいえ、年ごとに皆さんにお示しできるものはあります。
 ずばり、刊行点数です。割とこれらの情報は把握ができるものなので……。

 といいつつ、申し訳ない! たぶん今年は、単行本1~2冊、単行本からの文庫化が2冊程度という感じになりそうです。

 実を言うと、わたし自身、「単行本は年間に2~3本(2年で5本)が限度だよなあ」と思っております。実はここのところ、文芸、ことに単行本の世界では「傑作主義」がどんどん高まっており、単行本を書くのならとにかくしっかりと長い間話題になるようなものを、となっています。それに対応するためにも、「二年で五本」はある意味で現実的なラインです。
 ……と書くと、何やら谷津が刊行点数を絞っているように聞こえるかもしれませんがさにあらず。実は、今手持ちの原稿の中で一番作業が進んでいるものでも、本にするまでにもうしばらく時間がかかりそうなのです。実はその原稿すらも、

「谷津さん、この本は作家、編集者共に力を入れた本なので、拙速に刊行を目指さずじっくり仕上げましょう」

 と編集者さんから提案があり、谷津も同感、同意した次第なので、今年の新刊は去年と比べるとちょっと減りそうだぞ、というわけなのです。具体的には、上半期に単行本は刊行されなかろうといった感じです。

 文庫化については、『信長様はもういない』は刊行される運びになっているほか、1~2冊ほどあるんじゃないかなー、というくらいの感じです。実は単行本に比べると文庫化は突然決まる感じなので、わたしもあんまり把握はしていません。

 といった感じで、昨年の単行本3、文庫化3という感じではないものの、今年の谷津も意気軒昂に参ります、ということでなにとぞ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?