4/12、『刀と算盤』(光文社文庫)、4/20、『宗歩の角行』(光文社)発売です
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久々の新刊報告です。
上記の通り、4/12に『刀と算盤』文庫版が、4/20に『宗歩の角行』が刊行されます。
4/12発売 『刀と算盤』文庫版について
2018年に単行本として刊行した本の文庫化です。
江戸の片隅で『馬律(ばりつ)流』という柔術を伝える御家人、紗六(しゃろく)新右衛門のもとに、店や武家の経営再建を生業とする怪しげ極まりない男、一瀬唯力がやってくることから始まる物語です。2018年当時(今もだけど)時代小説をなかなか書く機会がなく、久々に書いたんですがこれはこれで面白いものになったなあ、という感じがしています。今、わたしの側の事情で、なかなかこういうエンタメ全開の時代小説を書くことが出来なくなっているので、ちょっと貴重な本になっている感もあります。肩こりせず、さらさら読める本になっているんじゃないかと思います。
バディものがお好き、とか、痛快時代劇的なものがお好きな方に届けばいいなあと思っております。あと、昔ながらの古き良きやくざとか、表に浮かび上がってこないヤバい人たちとか出ます。ちなみに、
という次第ですのでなにとぞ。(過去に一人だけ気づいた方がいらっしゃいました)
4/20発売『宗歩の角行』(光文社)について
完全新作、書き下ろしです。
幕末期の将棋指しに、天野宗歩という人がいます。
現代の棋戦に「棋聖戦」というものがありますが、この「棋聖」は天野宗歩を指すとされています。
この人物、幕末も差し迫った安政年間に40歳代で死んでいます。あと十年もすれば明治維新を迎えていたので、もし彼が長生きしていれば、江戸期と近代を橋渡しした偉大な将棋指しとして将棋の歴史にその名が残ったはずです。しかし、そうはなりませんでした。
『天野宗歩身分留』という資料に、「病死ということにして上に届けた」旨の記述があります。晩年の宗歩はかなり素行が悪く、師匠筋に金をせびったり、賭け将棋に身を投じていたりとなかなか評判が悪かったようです。天野宗歩の「病死にしておいた」死も、はたして病の結果であったのかどうか。
しかし、将棋の強さは本物でした。現代の棋士も江戸期最強の一人として宗歩を上げる方が多いですし、あの藤井聡太さんも宗歩の棋譜を参考に将棋を学んでいた時期もあるそうです。羽生さんも江戸期の将棋指しなら天野宗歩と戦いたい旨の発言をされているそうです。
謎だらけの天野宗歩の人生を、彼に関わった21人の語りから浮かび上がらせる、異色の歴史小説になっています。
「天野宗歩が何者かに殺された――」。もしかしたら、ミステリ小説的な読み方もできるかもしれません。
というわけで、二作、なにとぞよろしくお願いいたします。
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