見出し画像

『新歴史・時代小説家になろう』第5回「大河ドラマ、朝ドラ活用法」

【PR】

 前回は「歴史ドラマとか時代劇とか見ようぜ!」という話でした。
 今回はその続きに当たります。

大河ドラマ、朝ドラの影響力

 今、歴史創作において、NHKの大河ドラマ、朝ドラの影響力は相対的に高まっています。
 相対的に、というのが留意点です。
 どういうことかというと、昔は地上波の民放でも新作時代劇や歴史ドラマを多数放送していた時代があったのです。ところが2020年現在、NHKを除き、新作時代劇や歴史ドラマはほぼ壊滅状態。あるとすれば、BS放送になってしまいました。そのため、相対的に大河ドラマや朝ドラの影響力が高まった格好です。
 さて、こんなことを話すと、訝しがる向きがあるのではないでしょうか。
「最近の大河ドラマとか朝ドラ、そんなに視聴率を稼げてなくない?」
 エンターテイメントの選択肢が少なかった昔は、それこそ毎週のように視聴率20%、場合によっては30%を叩き出していた時代もあったみたいですが、確かに最近は落ち着いていると言えます。
 でも……。
 たとえば、年間視聴率10%の大河ドラマがあったとします。で、現在、一応カラーテレビの家庭普及率は90-100%の値にあるとされています。そして現在、日本の平均世帯人数は2.5人程度。つまり、少なく見積もっても、10%の視聴率の番組はおおよそ300万人程度は視聴していることになります。
 いや、300万人ですよ?
 小説で100万部の大ヒットなんていったらもう出版社の本社ビルが建て直されちゃうレベルですし、間違いなく映画化しますからね? そんなレベルの社会現象クラスの数字を、一晩にして稼いでしまうのがテレビというメディアなのです。
 つまるところ、300万人クラスのマスのイメージづくりに寄与しているのが大河ドラマ、朝ドラという歴史劇なのです。

歴史クラスタを発見する場所としての大河ドラマ、朝ドラ視聴空間

 そして、Twitterの普及により、大河ドラマ、朝ドラを巡る状況は少し変化をきたしています。
 大河ドラマや朝ドラはとんでもないマスなので、たとえば出版社や通信社といったメディアが、そうした人々に向けて情報提供をしています。要は、大河ドラマや朝ドラを見ながら、往時の歴史を勉強できる素地が出来上がっているわけです。
 さらにTwitterでは、大河ドラマ、朝ドラの感想を述べている人々に混じり、モチーフとなった時代や事件、登場人物の解説を行なっているアカウントがいくつもあります。大河ドラマ『真田丸』の時には、歴史考証を担当した歴史学者の先生自身がTwitterで情報発信なさっておられましたね。また、そうでなくとも、趣味でその時代について調べておられる方や歴史ライターの方、はたまた歴史に詳しい小説家や言論家などもドラマの内容を参照しながら意見を発信している様を目撃することができると思います。
 こうした人々のことを「歴史クラスタ」などとTwitterでは称呼するわけですが、大河ドラマや朝ドラなどを視聴したのちTwitterで検索すれば、こうした人々の存在を知ることができるんですね。
 ここからが大事なのですが、歴史クラスタの方の中には、歴史的知見の発信のためにTwitterを使ってらっしゃる方もいらします。つまるところ、そうした方をフォローしておけば、あなたのタイムラインに半ば強制的に歴史的なトピックスが飛び込んでくるようになるのです。
 もしかしたらそれらの情報は、あなたの興味から外れているかもしれません。けれど、それでいいのです。むしろ、往々にして「興味がない」と弾いている情報の中にこそ、あなたの新しい興味の種が隠れています。Twitterという場所は様々な興味関心のもとに独り言が繰り広げられる場所です。なので、今まであなたが考えもしなかった興味の種を育むことができる場所ともいえます。
 もしもあなたが歴史・時代小説を書く気がないとしても、少しでも気になったアカウントはフォローして、情報収集のためのアンテナとするというTwitter運用はかなり有効なものと言えます。
 上で説明したのは、歴史時代小説執筆に向けたTL作りの一環なわけです。

今後の本エッセイの展開について

 さて、五日余り毎日更新しましたが、ここからは週刊連載にしようと思います。
 基本的には毎週土曜日更新とします。予告なく日時変更を行なう可能性もありますので、そこはお含みおきください。
 取り上げてほしいトピックスがあれば、Twitterなどで話しかけてもらえば検討します。まあ、誰からも来なくても、毎回ネタを考えてやっていきますよ……。
 というわけで、今後とも本エッセイをよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?