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「どうしま症候群」の目的

「店長、こんなことが起きています…どうしましょう?」

部下からの報告がある。

それに対して店長は答える。

「その場合は、こうやって対応をしましょう。」

具体的に対応を伝える、それを聞いて部下は

「わかりました。ありがとうございます。」

何気ないやりとりだけど…

それがぼくには「もったいない時間」に感じた。

たぶんこのコミュニケーションを繰り返しても

店長、部下ともに成長することはなく

同じような時間を、同じようなやりとりを

犬が自分のしっぽを追いかけるように

ただくるくると回ることになる。

それはそれで、疲れるし、働いた感じはする。

「スパイラルアップ」

というマネジメントサイクルを考えると

くるくるとその場で回らないために

くるくる回りながら螺旋階段のように

上に向かってステップアップしていくために

「考える」ということを伝えたほうがいい。

部下からの「どうしましょう?」という質問。

ちゃんと状況を報告してくれて有難いけど、

けれどもその質問は見逃せない。

ちまたで要注意の「どうしま症候群」だ。

どうしま症候群
多くは無症状で、上司や先輩にも移ることはない。「どうしましょう?」という質問をしてあとは黙って回答を待つという症状。

怖いのは…上司や先輩も聞かれているから

いい気分になって答えてしまうところ。

「教えてあげる」という行動はそんなに

悪い気がしない人は多い。

短期的視点に立って考えると、部下や後輩は

早く対応できて問題解決できる。

しかし、少し長期的な視点で考えると

話は変わってくる。

それはその部下が「どうしましょう?」と

質問してくるたびに、上司はその問題について

考えなければならないからだ。

しかも大体上司は自分の経験値の中での解決策を

安易に提示しがちという問題もある。

「あぁ、このパターンか…それならこれだな」

ぼくも何度もこれで目先の「楽」を得てきた。

ちなみに緊急事態の場合はやむを得ずこの対応になる。

この「どうしま症候群」の目的は?

そんなことを今日考えた。

どうしま症候群によってその人はどうしたいのか。

「考えることを放棄して責任を回避したい」

これは考えすぎか?

自分の権限では決められないという理由を盾に

考えることすらをしようとしない、

もしくは考えていても意見として表現しない、

上司の回答のあとに「そうなりますよね」

みたいに被せてきたら末期症状かもしれない。

ではこの症状への処方箋は?

「あなたはどう思いますか?」

質問を返すことで、最初は「えっ?」となる。

変な空気になる。

耐えよう…この処方箋には最初時間がかかる。

「考える機会を与える」

というと偉そうな感じだが、それによって

長い目でみると、その部下の考える力があがり

様々な場面でいくらでも時間は取り返せる。

目先の時短よりも少し先の未来を考えるんだ。

しかもこの効用として

「自分の経験値以外の解がある」

ということを知ることができて上司の視野も広がることがある。ぼくは実際にある。

ただし、この質問返しは入社して間もない社員、経験値が少ない人には要注意だ。

そんなときには

「状況を確認していきましょうか」

というかたちで並走することもある。

確認しながら、できること、できないことなど

状況をメモに書きながら再確認する。

そうすると部下は解決策まで辿り着くことがある。

あとは補助輪を片方ずつ外していくような感じで

徐々に離していくのだ。

「日々のコミュニケーションをみると元上司との接し方がわかる」

研修ではなく、面談ではなく、

毎日の何気ないコミュニケーションのなかに

成果を上げ続けるヒントがある。

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