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【旅】「六花亭」はお菓子を売っているのではなかった

 函館に旅行に行った。
 自分の両親が北海道出身で、北海道は毎年のように訪れているからか、改めて感動することは数少ない。(恵まれていますよね、ごめんなさい)
ですが、今回の旅で「ずっとここにいたい」と思った場所がありました。
それは『六花亭 漁火通店』
 お店の外観もおしゃれだし、お店の中に入るまでの導線もなんだか素敵。そして中に入ったとたん、思わず「わー」と声が出ました。窓一面に広がる海。高い天井。そして数々のお菓子。
店舗はまるで美術館、窓からの景色は絵画、そしてこの美術館で繰り広げられる味へのこだわり、全てが具現化されたお店です。
私はここで、六花亭はお菓子を売っているのではなく、お菓子を中心とした文化を売っている、と確信したのです。

六花亭の直営店を訪れるたびに、この会社のこだわりと文化事業に対する熱意を感じます。
「お菓子は文化のバロメーター」
六花亭 漁火通店には、それがギュッと濃縮されていて、ひとりの六花亭Lover、ひとりの生活者としてだけではなく、マーケッターとしても心が震えた時間を過ごすことができました


景観に馴染む建物デザイン

六花亭 漁火通店だけではなく、他の地域の直営店もそうなのですが、徹底されているのは、その場所の景観にお店が馴染むこと。幹線道路を車で走っていても、看板は遠くから見えず、お店の前に来てやっと見えるくらい。本当に主張していません。場所を知らないと素通りしてしまうくらい、わざと景観に馴染むように作られています。

お店に続く通路、バリアフリーになっています

自然と共にある建物

どの直営店も、木々や植物と共にあり、店内にも植物が必ず飾ってあります。六花亭のお菓子は季節によって違い、また自然を素材にしたものが多いことから、きっと建物にも自然に対する尊敬と感謝が表現されているのでしょう。漁火通店は、海と共にあり、そして生の植物も数々店内に飾られています。

絵画のような窓

漁火通店に入ると、窓から見える海に驚きます。窓が大きい、そしてキレイ。実は前日、海沿いのホテルに宿泊したのですが、窓の汚れで写真がきれいに撮れませんでした。
六花亭の窓は、この大きさなのに、毎日磨いていることがすぐにわかります。訪れた前日は土砂降りの雨でしたが、ガラスには雨の形跡が一切ありませんでした。
まるで絵画のように扱われる自然の風景と窓。ここにもお店のこだわりを感じずにはいられませんでした。ここで私は足立美術館を思い出しました。

窓と花

窓を中心に店舗が作られ、1階のお店には、お菓子が沢山販売されていて、2階の喫茶では軽い食事もできます。東京では考えられない風景と店舗なのに、決して高くない価格でお菓子が販売されています。また2階の喫茶も手作りで味にこだわったお料理がこのお値段で?と思うくらいの価格設定でいくつも用意されていました。

2階の喫茶で
このお品、クオリティで5000円しません


コーヒーを飲みながらこの景色は天国!

会社の謙虚さ


六花亭は、コンセプトなど言語化されたものはHPなどに掲載がないのですが、お菓子の味、パッケージ作りから、店舗づくり、そして店舗づくりまで、あらゆる側面で六花亭のこだわりを具現化しています。
それを1955年から『おいしいお菓子を作ろう 楽しいお買物の店を作ろう みんなのゆたかな生活を作ろう そして成長しよう』という基本方針を今まで貫いてきた企業&ブランドです。
そしていつも思うのですが、創業者やトップが表に出てこない。出てくるのは、包装紙のイラストを描かれた画家「坂本直行氏」くらいでしょうか。これだけ歴史があり有名な会社ですが、創業者の写真やお名前が表に出てきたり、お店に掲げてあるなど、一切見ません。
お店の店員さんは、みなさんほんとうに丁寧で、ひとりひとりに対し誠実に接客してくれます。決して商品を自ら薦めてくることはありません。
すべてにおいて、会社の謙虚さ、までも感じます。

今回漁火通店を訪れ、六花亭のこだわりがすべて凝縮された感を感じました。ますます六花亭のファンになった、そんな函館の旅でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

六花亭   漁火通店
北海道函館市金堀町9番18号
電話 0138-84-6686
営業時間 /10:00〜18:00
喫茶室営業時間 /11:00〜16:30(LO16:00)




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