ショート・ショート

4

ショート・ショート:ヒーロー

ある晴れた朗らかな日曜日。 道を歩いていると少年は力を得たと実感した。 花粉症に耐え抜いたご褒美だろうか。 理由はわからない。 実感としてある。 でも、少年は慎重だった。 今の力をもってすれば、くしゃみ一つ、放屁一発で町を破壊出来そうな感覚があるからだ。 「力ある所に責任あり。」…

ショート・ショート:少年の夢

 夕暮れ時、風をきる音。  息が白い。 「またやってる。」  呆れたような声。  少年がバットを振っている。 「ご飯できてるからね。」  疲れた顔の若い母親。  意図せず彼女は侮蔑的視線を向ける。 「うん。」  少年はバットを振っている。  彼女は舌打ちをした。 「才能がない。」…

ショート・ショート:振り返る闇

ある村で化物が話題になっていた。 闇夜に紛れ、神社へ向かう山道の石段を登るという。 「食われちまうぞ。近づかない方がいい。」 噂はあっという間に広がる。 ある日、諸用で遅くなった村人がその場所を足早に通り過ぎようとする。近道だった。 「こわやこわや」 何かに気づき足を止める。 硬…