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「スマート法律相談」 プラットフォーム機能リリースのお知らせ

リリースされました

弁護士の勝部です。
昨日、スマート法律相談の新しいバージョンがリリースされました。

詳しいサービス内容は共同事業パートナーのトレードワークス様のIRリリースをご確認下さい。

リーガルテックサービス「スマート法律相談」 プラットフォーム機能リリースに関するお知らせ
https://pdf.irpocket.com/C3997/wigp/FOqX/DarJ.pdf

サービスの概要

スマート法律相談は、現在LINE公式アカウントとしてリリースしています。

(1)LINEの画面から質問を開始します。ある程度の表記ゆれはシステムで絞り込んでくれますが、外れることもあります。

(2)チャットボットの自動回答で知りたいことが出てこない場合、弁護士に質問することもできます。

(3)リンクを開くと、LINEログインの認証後、質問フォームが開きます。この辺りの動作はデータが蓄積されればより洗練されると思います。

ジャンルはLINEの会話から自動で選択されます
ジャンルに対応して自動でヒアリングが走ります

(4)弁護士側の回答画面に投稿された質問が入ります。デザインはまだ改修が済んでいませんが、近いうちに手をつけます。

(4)回答する弁護士は「トピック」と「条文」の2つのデータベースを利用できます。
質問はパワハラを受けている場合にどうすればよいのか、という内容なので、「パワハラに該当するか否か」の一般的な定義や、「パワハラの場合になしうる法的請求」についてはトピックデータベースから引用することにします。

「埋め込み」を押すと回答欄に引用できます。
左上の+ボタンを押すと自分でトピックを追加することもできます。
追加されたトピックはチャットボットの方にも反映されます。
同じ要領で条文の検索・引用もできます。
日本の全法令を取り込んでおり、リンク付きで引用できます。
条文はトピックにも本件のコメントにもどちらにも引用できます。

(5)弁護士からの回答がつくと、ユーザーに通知されます。

条文はモーダル表示されます。
現在も有効な法律かどうかはe-govの該当箇所へのリンクで確認できます。
e-govへのリンクは外部リンクを自動生成することで対応しています。

プロフィール編集などの他の機能には触れていませんが、チャットボットの利用から弁護士の回答までの一連の流れは以上のとおりです。

何でこのサービスを開発しているのか?

スマート法律相談は、今のところユーザー・弁護士双方のいずれも無料で利用できます。
事業提携先との間でビジネス的な計画はあるのですが、開発を進めている一番のモチベーションは少し違うところにあります。

現在、弁護士のサービスに関連して色々なリーガルテックサービスが開発されています。こういったツールはやっと普及し始めのフェーズにありますが、今後、弁護士業務の生産性は確実に上がってくるはずです。

法律相談はすべてのリーガルサービスの入り口ですが、現在余り効率化されていません。現在日本には約4万人の弁護士が登録していますが、弁護士1人が1日平均1件の法律相談を受けていると仮定しても、1日4万件の法律相談が実施されている計算です。こういった相談のデータが構造化されたデータとして蓄積し、有効活用したいというのが開発の一番のモチベーションです。

日本では、まだまだリーガルサービスに対する敷居が高く、顕在化していないニーズもたくさんあります。その中には法律事務所が仕事として受任できないものも大量にあるとは思いますが、どうせ受任できないから放置していてはいつまでたっても社会は良くなりません。
少なくとも、困りごとに関して一般的にどのような法的ソリューションがあるのか、その依頼に対してどれくらいのコストがかかるのかくらいは効率的に提示できるとまた状況は変わってくるのではないかと考えています。

現在頭の中で描いているのは、日本の法体系全体を一つのプログラミングコードのような仕組みにする原型を作りたいという全体イメージです。

法律というのは、プログラミングで言うとオブジェクト指向的なつくりになっていて、If then文で記述された関数とクラス変数のような定義規定の塊が一つの法典の中にいくつも散在するような形で出来上がっています。

司法試験の勉強では、各法律の構造をまず頭に入れて、どのオブジェクトがどの辺りに存在するのか、そのオブジェクトの射程やあてはめの際のローカルルールを理解して、使いこなすということを訓練します。
今までこういった思考作業をどうやってシステム化するのか(AIによるアプローチが適しているのか、別のソリューションが妥当なのか)は余り深く研究されていませんでした。
開発の中では、法体系に整合した補助ツールをどのようにアルゴリズム化するのかという点も並行して進めていきたいと考えています。

まだ開発を進めなければいけない箇所はたくさんありますが、引き続き開発を進めていこうと考えています。

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