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過去投稿からの進化・変化⑯規制リスクは教育産業にも

中国や米国など海外市場では政府や機関による、市場介入のような政策が見られ始めている、という点について下記投稿でもお話しました。

その規制対象の一つとなった中国の配車アプリDiDiは、6月末に中国共産党の警告を無視して上場したことで、新規ダウンロードや会員を獲得できない、という縛りを受け、今後は再度非上場化へ戻すのか、とも言われています。

習近平(シー・ジンピン)指導部が滴滴を審査したのは、米国への情報流出の懸念があるためとみられる。滴滴は国内移動に関する個人情報に加え、地域ごとの交通量などから詳細な経済活動にかかわる情報や国家安全にかかわる場所に関連するデータを保有している可能性がある。....中国当局の慎重さを求める程度を滴滴が読み間違えたとの見方も出ており、中国当局は7月から滴滴に対して厳しい姿勢で臨んでいる。2日に滴滴に対して審査を始めたことに続き、16日には中国の国家インターネット情報弁公室、公安省、国家安全省、自然資源省、交通運輸省、国家税務総局、国家市場監督管理総局の合計7部門が共同で立ち入り調査を実施。前例のない大規模な調査だったことから、当局の強硬な姿勢が滴滴に抜本的な対応の検討を促した可能性もある。中国当局の調査を受けて、滴滴の株価は下落した。新規株式公開(IPO)の公開価格は仮条件の上限の14ドルとなったが、一時は上昇したものの、最近は8ドル台で推移している。

そしてDiDiへの規制のような話が、先週中国の教育企業へと来ました。

子育てにおける教育の費用が巨大化し、家計を圧迫している、ということから、小中学校の学習塾は非営利へ、市場での資金調達は不可能等、指導が入ったようです。

中国政府が小中学生を対象にした学習塾の規制強化を打ち出したことで、教育サービスを手掛ける民間企業は塾運営などの事業を手放し、学習以外の分野の指導・教授事業を強化する可能性がある―。...中国政府が学習塾の非営利化を義務付ける方針を示したことを受けて、新東方教育科技やTALエデュケーション・グループ、高途など、香港や米国に上場している教育サービス企業の株価は26日に2営業日続けて急落した。
共産党と国務院(政府)が7月24日に発表した小中学生向け学習塾の規制策は、業界に衝撃をもたらした。既存の塾は非営利団体として登録し直す必要があるほか、新規開業許可の停止、上場による資金調達の禁止、外資企業の買収などによる経営参画の禁止を含む。開始時期は不明だが、まず主要都市で試行する。中国では所得向上と受験戦争の過熱を背景に、教育にお金を使う家庭が増加。習指導部は教育費を減らすことで、深刻化する少子化対策につなげたい考えだ。

今回の教育業界への介入を通じて、どの業界でも、稼ぎすぎる・負担を課しすぎている、となると中国政府から規制が突如くる可能性も高い、という事実を再認識させられた、ということだろう。成長率が高くないと株式市場や上場前の市場で魅力的には映らないが、突発的な政治リスクを加味して投資する必要が今後はありそうだ。



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