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Oculus Quest 2で得た未来への確信と、今後のコンテンツ制作論

 バーチャルリアリティという言葉は古く、最近では毎年のようにVR元年が訪れる。かく言う私も四半世紀前にヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)を着けて余りの重さに下を向きながらパンツァードラグーンで遊んだ記憶がある。ZERO LATENCY VRも出来てすぐに行った。PSVRも抽選で購入した。ずっとVRを待ち望んできた人間として、毎年何らかの挑戦がありそれらはとても良い物なのだが、あくまで個別先行事例であり、いまだVRがありふれた未来になるのは先だと思っていた。

 そんな中、2020年10月13日に発売されたOculus Quest 2。なんと値段が33,800円(税別)。しかもスタンドアローンであり、ただでさえ安いこの機械がさらにPCが不要となれば、相対的には相当安い。

 これは買うべきだと思い、ヨドバシカメラで購入。装着したところ、HMDがかなり軽い印象。スタンドアロンなので沢山のコードをいちいち接続する必要も無ければ、外部カメラを設置する必要も無い。装着すれば直ぐに自由に動くことが出来る。この手軽さはかなり良い。

 そして最も決定的な体験は、解像度。
 カタログ上の数字の話ではなく、明らかに何かの一線を超え、体験が変わった。考えてみればバーチャル「リアリティ」なので、解像度がリアリティと密接に関わりがあって当たり前だったのだ。

 特にOculusで配信しているVR180の動画が未来がいま此処に来たことを確信させた。何気ない東京ナイトクラビングツアー動画が、3DのVR180で配信されていたのだが、これが面白かった。触れることが出来そうな体験だった。
(下記はVR180のサンプルとして)

 明らかに、舞台芸術はVRの方が圧倒的に良い。いままで舞台を撮っただけでは映像としてのクオリティは厳しかったが(ゲキシネは好きです)、これならカメラ1台買って撮影するだけで良いVRになる。空間を切り取るこの仕組みが、いままでの四角い画面に特化した技術論を寄せ付けない。つまらないけど数は多い単なるパフォーマンス動画達は、今後VRに置き換わっていくだろう。

 短期的にはVR180に期待したい。まず、いままでのライブエンタテインメントは360°を必要としていない。舞台演出論が360°に対応できてくるのは、もう少し先だ。
 360°映像のフォーマットはクリエイターを容易に刺激するので、あとほんのちょっとだとは思うけどね。

 また、360°動画は、オリジナルは4K以上の高画質で配信しているが、それを360°に拡大しているため、実解像度は格段に下がる。しかし180°だけの拡大で済めば解像度は2倍だ。解像度が上がるとリアリティがあがり体験が向上する。やはりいま重要なのは解像度なのだと思う。

 動画の解像度は現在は8Kが最大。撮影する機械もそうだが、記録するメモリ、編集するパソコン、配信するプラットホームなどを考えても年単位での向上になっていくだろう。逆に言えば、10年後には超高解像度のVR動画によるライブエンターテインメント視聴がかなりの支持を得て普及しているだろう、と予想ができる。

 舞台 de VRなど、新しい動きも相変わらずあるが、この先いつどこでどんな花が開くか。まだそこまでの予想は付かない。

 ひとまず自分が出来ることとして、360°映像が前提のVRサーカス団「シルクドメタバース」を旗揚げした。ここで得た知見やHowtoについては、積極的にnoteで公開していく。

 きっと直ぐにシルクドメタバースなんてほんのちょっと前からやってるだけで別段目新しい物じゃないよね、なんて言われるに違いない。

VRサーカス団シルクドメタバース
11.27(金)~11.29(日)だけ開催!
https://cirquedumetaverse.com

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