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日本初と言っても間違いではない<Pが語るグランヌーボーシルクその1>

 サーカスプロデューサーとして、グランヌーボーシルクという大型イベントをプロデュースすることになりました。是非3/30と31は大阪で遊びに来てください。

 グランヌーボーシルクはヨーロッパのサーカスフェスを知る人からすれば「ついに日本でも」と感じる仕立てになっています。何が他のイベントと違うのか。最も大きな違いを簡単に言えば、その目的が違います。
 
 日本で見ることができるのは、基本的に金銭的利益のためのサーカスです。これは、その場だけで盛り上がる消費活動です。もちろんそれは資本主義社会において健全なことなんですが。
 しかし世界には福祉としての役割を持っているサーカスも多くあります。
 
 例えばフランスでは、日本のスポーツジムくらいの感覚でサーカス練習場が多数あり、老若男女がこれに通います。
 「あー、最近運動不足だな~。ちょっとサーカスでもするか」
と玉乗りをしたりするわけです。ショーを見るのではなく、ワークショップベースのフェスもあります。政府が福祉としてのサーカスを支援しているので、国全体で福祉の感覚が共有されていて、特に珍しい事ではありません。
 
 グランヌーボーシルクはそのサーカスの福祉面に重点を置き、来場者がサーカスを体験できる仕立てになっています。
 
 まずワークショップをやります。サーカスの技は練習すると上達するので、自己肯定感が得られます。自分が好きになる、これ大事。
 そして綱渡り体験ができます。人間の可能性を自分の足で体感できます。
 クラウン達と出会いコミュニケーションすることで道化の力(ジョーカーがキングより強いのは歴史的経緯があります)を直接知ることができるし、舞台と客席に区切りが無いストリートアートフェスという形は、人は境界を自由に行き来できる存在だということを教えてくれるでしょう。

 スウェーデンのサーカス演出家が「人間には、リスクを越えようとする、素晴らしい能力があります」と、難民問題とサーカスを結び付けて発言していました。 
 日本も、リスクを取ったり可能性を伸ばしたりするのが全体的に苦手なので、いつかサーカスを日本の役立てようとずっと考えていましたが、今回、グランフロント大阪様から「感謝とアート」というテーマを聞き、「感謝」を伝えるために、サーカスの福祉面を起用しました。

 普通の商業施設だと感謝とは安売りの事を指しますし、地域振興のための企画も目的は動員数とその経済効果なので、今回の企画は日本では相当珍しいと思います。
 むしろ、都会の商業施設内でこれだけの規模の前例は聞いたことがないですね。多分日本初と言っても間違いじゃない。

 大々的に日本初のイベントです!って言えれば分かりやすい推しになるですけど、定義を細かくする必要があるし、この一言で言い表せない感じもまたサーカスっぽいところなんで、ここまで読んだ人だけ、そーなんだくらいに思っておいてください。
 
 次回は感謝とアートの、「アート」について語ろうかと思います。

公式HP:https://www.mbs.jp/gfo-gnc/

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