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パフォーマンスで食べていくシンプルな方法

よく「パフォーマンスじゃ食べていけない」と耳にします。でも実は食べていけるようにするシンプルな方法があります。

それは「ファンを作ること」です。

これを説明するために、まず自主公演を打ったときの例をあげましょう。

Aには、どんなイベントにも飛んでくる熱狂的な100人のファンが居ます。Aは3000円の自主公演を行います。会場費などの経費は80%だとすると、Aは6万円の収入を得ます。

この単純な例え話を推し進めてみましょう。

Aがイベントに呼ばれたとします。Aを呼んだことによって100人来場者が増えます。よって3000円のイベントでAを呼んだとき、会場費などの経費が80%だとすると、ギャラ6万円が損益分岐点になります。

これは、集客能力のあるAに対してのギャラの支払いは会計としてシンプルに成立することを現しています。

もし全くファンがいないBを呼んだ場合、損益分岐点は0円です。これでは、どこか他の所からお金を調達しなければいけません。このイベントが収益目的の場合、Bを呼ぶのは難しく、またギャラも安くなるでしょう。

実はこれ、音楽イベントがこの考え方なんです。

収益が目的の音楽イベントは集客力はかなり重視されます。どんな大物ミュージシャンでもギャラと集客が見合わなければイベントに呼ばれません。ライブハウスでよくあるチケットノルマという制度も(主催者が集客努力をしないなどの問題もよく言われますが)経理上は理に適っています。

(海外ミュージシャンブッキング費用例)

現在パフォーマーはファンが居なくても仕事がありますが、その多くはイベントの目的が広告・ブランディングの場合だと思います。「自社製品はこの人のように優れている」というイメージを来場者に与えるために、広告費として計上します。


(広告のために呼ばれる覆面ダンサー群)

また既に顧客が居る遊園地やショッピングモールのような場合は、顧客満足度をあげたり滞在時間を増やして顧客単価をあげたりするために呼ばれます。

つまり、ファンを持つか持たないかと言うのは、他者の経済行為にどのように関わるかという問題でもあるのです。

広告でのみ活躍するのか、経済的利益を目的としたイベントでも活躍するのか。後者になるためには、ファンが必要になります。

ファンと言っても様々な形があるし、作り方もいろいろです。個人じゃなくてジャンルやチームに付く場合もあります。

また、AとBの間のような、少しだけファンを持つCという在り方もできます。

実は大物ミュージシャンの場合でも費用が高すぎてそのファンだけで費用を埋める事は難しく、物販に頼ったり、対バンの集客で補填したりしています。また一般的な小劇場演劇の場合でも、役者にチケットノルマを課し、最低限の費用を捻出します。

「パフォーマンスで食べていくシンプルな方法」という表題の結論としては、「ファンが居るとライブ・エンタテインメントのお仕事あるよ」というお話でした。

広告費推移:http://nmbr.jp/blog/2014/03/18163938.html

ぴあライブ・エンタテインメント白書 2009
(2009年以降、さらに延びているはずですが、ネットに情報が見つかりませんでした)

ファンを作るのは難しいし、パフォーマンスの質との両輪が必要だしで、話はシンプルでも実行は簡単では無いんですけどね。

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