7日間ブックカバーチャレンジ①『ヒーローを待っていても世界は変わらない』
『ヒーローを待っていても世界は変わらない』
カッコイイタイトルだなあ。
と、思ったら、
湯浅誠さんの新刊です。
この本・・・、
一般の人が読むための最高の政治の教科書だと思います。
一人でも多くの方に読んでほしいと、
ココロから僕が思う一冊です。
政治というもののとらえ方
本当に真理をついていると思います。
湯浅誠さんが、
ホームレス・貧困問題の支援者として、
活動家として、
内閣府の参与として、
真摯に政治というものと向き合ってきたことがよく分かります。
そこには、誰かへの攻撃もなく、
自分が権力を持とうというわけでもなく、
自分の考え方に対する絶対的な正しさを押しつけているわけでもありません。
おそらく、湯浅さんの根底には、
「政治というのは、複雑な利害の調整の結果、全員がしばられる一つの決定を導くものだから、みんなの意見がちゃんと届いて、調整していくことでしか、最良の…つまりみんなが納得できる決定ができない。」
という思いがあるのではないかと思います。
そして、きっとそれができる社会にすることは可能だという、みんなへの、この社会への信頼感があるのではないかと思います。
中々政策が変わらない上に、自分の生活の閉塞感や余裕のなさの中で、
「さっさと決めてくれ。ただし、自分の思い通りに。」と
「強いリーダーシップ」を発揮してくれるヒーローを待ち望む心理が高まっていると、指摘しています。
そういう心理をたくさんの人が持った時に、なにが起こるのか、
本書は、湯浅さんのお兄さんの実例や水戸黄門のたとえ話を用いて、
とても、明解に示しています。
もう一つ、この本の内容で特筆すべきところは、
民間と官の意思決定の違いを明解に示しているところです。
民間と官の世界の両方を経験した湯浅さんならではかもしれません。
民間は、「この指とまれ」方式だと説明しています。
要するに民間の活動は、その趣旨に賛同した者だけで運営し、賛同者と取引するわけです。
言ってみれば、反対者を切り捨てることで、狭いが濃い活動ができると。
政府に入って、この民間の発想で行政や政策を見てはいけないと気づいたと言っています。
行政は強制的に徴収した税で事業を運営しますから、趣旨に賛同しない人のお金も使うということです。
したがって、その事業に関係のない人も含めて、相当程度の合意をとりつける必要があるのです。(この営みが「政治」なんです)
ここは、反対者を切り捨てることが許されない世界だと言うのです。
誰にでも、分かるように政治の本質を書いたとても読みやすい超おすすめの本です。
ぜひ、読んでみてください!
政策や政治について、色んな立場の人とフランクに話をするサークル「千正道場」はこちら(↓)
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