広報とマーケティング(広告)の違いって?

突然ですが、「広報」と「広告」の違いをご存知ですか?
「広報」と「マーケティング」の違いをご存知ですか?

片手間で広報に着任してから1年。専任になってから約半年。
会社で「違うんです!」と主張し続けているものの、いよいよ説明をしようとすると、なんとなくでしか説明ができず。
これを機に自分の中の「なんとなく」をなくすために、改めて概念的なところから調べてみました。

まずは何でも知っているWikipedia大先生に聞いてみましょう

【広報】
企業だけでなく行政や各種団体の活動内容や商品などの情報発信を行う業務、またはその担当者や部署。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%A0%B1
【マーケティング】
企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け〜〜(長いので以下略)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0
【広告】
非人的メッセージの中に明示された広告主が所定の人々を対象にし、広告目的を達成するために行なう商品・サービスさらにはアイデア(考え方、方針、意見などを意味する)についての情報伝播活動であり〜〜(長過ぎるので以下略)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%83%E5%91%8A

うーん…事前知識がないと、全部情報発信じゃん?ということしか分からないですね。

★メモ★
Wikipediaや各協会の記事を読み漁ってアカデミックな概念をインプットしなくても大丈夫。
文明の利器をふんだんに活用して、自身で理解しやすい知識のインプットをしていきましょう。

では、もう少し噛み砕いた表現を見てみましょう

Googleを駆使して、自分なりにしっくりきたものが以下。

【広報】
企業・団体が事業や商品について、「社会の人々に理解してもらい」「信頼関係を築き」「最終的にファンになってもらう」ためのコミュニケーション活動が「広報」ということになります。
引用元:https://www.anety.biz/pr/about/
【マーケティング】
商品開発から販売戦略の策定、広告宣伝に効果検証までの一連のプロセスを、一貫して計画して実行・管理すること。すなわち、商品が「売れる仕組み」をつくることが、マーケティングの全体像を表しているでしょう。
引用元:https://satori.marketing/marketingblogs_cat/what-is-marketing/
【広告】
「広告」は、新聞やテレビ、ネットなどの広告枠を買い取り、自ら製品やサービスをアピールすることです。
引用元:https://www.y-enjin.co.jp/feature/know-how/86.html

つまり、広報は理解や信頼を得てファンを増やす、マーケティングは売れる仕組みや手法を作っていく、広告はコストをかけてメッセージを訴求する、という役割。

広報の手段はコミュニケーション、マーケティングの手段は「広告」や「宣伝」であることがここでうっすら分かってくるかと思います。

それでも、広報とマーケティングは手段が違えど、主に「情報発信」が活動であるのに、なぜ分けられているのか?という疑問は残りますね。
前置きが長くなりましたが、本題に入りましょう。

広報は"Love me" 広告は"Buy me"

PRプランナー資格認定制度一次試験対応テキストに記載されている一節。
広報はコミュニケーションを活用し、理解を求める間接的な訴求であることに対して、マーケティングでは広告を活用し、直接的に購買に繋がる働きかけだということを表しています。

この一節は非常に分かりやすいので、「広報と広告の違い」で検索をすると出てくることも多いです。

では、具体的には何が違うのか?
これまで読み漁った様々なサイトや書籍の内容を簡単にまとめてみました。
(引用元は多岐に渡ることと自己解釈でのリライトをかけているため、割愛させていただきます。)

【広報】
目的:企業やサービスへの中長期的な理解・信頼・知名度の獲得
情報発信の対象:ステークホルダー(株主・グループ企業・社員・消費者・求職者など発信内容によって異なります)
発信者:メディア・マスコミ
掲載媒体:プレスリリース・雑誌や新聞記事・Web記事 etc.
情報発信の計画性:基本的にない。繰り返し同じニュースを出さない。
費用:メディア側の記事化や特集化にはかからない
掲載の確実性:メディア次第
情報の説得力:第三者による評価のため、信頼性が強い
KPI:広告換算値・パブリシティスコア・発信数・掲載数 etc.
【広告】
目的:製品やサービスの売り込み、顧客やリード獲得
情報発信の対象:顧客・消費者
発信者:企業・広告主
掲載媒体:TV CM・雑誌や新聞の広告・電車の中吊り etc.
情報発信の計画性:コントロール可能。繰り返し発信もあり。
費用:かかる。施策によっては高額化することも。
掲載の確実性:100%
情報の説得力:不特定多数への発信、掲載エリア制限などで情報が絞られ、弱くなりがち
KPI:問い合わせ数・リード獲得数・案件化数 etc.

ここまで掘り下げたらイメージがはっきりとできてきますね。
広報は中長期的な活動を通して、知名度をアップして様々な企業活動の土台に効き目を発揮します。
例えれば、筋トレやヨガのようなワークアウトだったり、サプリメントや漢方薬のような存在。
速度は遅いものの、じわじわと浸透して強く長く効いてきます。

一方、マーケティングは広告などの宣伝活動を通して短期的にPDCAサイクルを回しながら、効率的に営業活動や利益創出に貢献して瞬発的な効き目を様々な切り口で発揮します。
病院でもらう風邪薬や点滴、注射みたいな感じですね。
速度が速く、即効性があります。

どちらも企業には必要な存在であり、相互作用を起こすため、双方でお互いの視点を持ち、役割を理解して仲良くやっていくのがいちばんです。

★メモ★
KPIで記載した内容は企業がどこに重きを置くかで変わってくるので、広報のKPI項目については別の機会に触れたいと思います。

「広報は無料でできるマーケティングだ」と断言できない!

よくあちこちで言われていたり、見かけたりする「広報は無料でできる最大のマーケティング手法だ」という言葉。

私も広報着任当初はそう思っていましたし、情報発信を定期的にしてコンテンツを積み上げていけば、何かしら成果が出るだろうと思っていました。
実際は間違いではないものの、深く知れば知るほど甘い考え。。。反省。

メディアと関係構築をして、記事掲載につながれば広告費を使わずに自社の情報を幅広く発信することができます。

しかしながら、その裏側では、広報担当者の人件費が当然のことながらかかってきます。
その他にも、社内への広報活動に対する啓蒙活動や経営層との認識合わせ、経営方針に基づいたメディアの選定やメッセージの作成なども行わなければいけません。
これにはそれなりの時間を要します。

社内理解や経営層とのコンセンサスが完璧に取れている状態からのスタートでも、本格的に広報活動で記事化の獲得などができるようになるまでは、着任から最短で半年はかかると思った方が良いでしょう。
設立したての創業期の企業であれば、組織や方針が流動的になります。
広報活動の方針やステークホルダー、メッセージもそれに合わせた見直しが必要になるので、より時間を要します。
プロと呼ばれる長年広報で活躍してきた方々なら、そこまで時間を要さないかもしれませんが…

掲載を短期で獲得できたとしても「やったー★短期間で達成したー★」では終わりません。
記事化までの成功事例を積み上げ、活動を通して掲載に繋がるまでのプロセスの型化、露出後の社内外の意識や反応の変化を通した分析、情報発信の内容とタイミングの見極めなど、やることは盛り沢山。
掲載に繋がっていても、広報と経営層がしっかりと認識を合わせていかなければ、せっかく活動をして報道や記事化をされても歪みが生まれ、広報のレピュテーションには繋がりません。

最後に・・・

ここまでつらつらと書いてみましたが、私もまだまだ勉強中のひよっこです。
やっとここまで書けるようになりましたが、まだここまで。

ぜひ同じように広報の勉強中の方はTwitterなどで絡んでいただけるととても嬉しいです。
もちろん、ベテラン広報さんからのアドバイスもじゃんじゃんお待ちしています。

今回、参考にした書籍はこちら↓

基本的な概念やお作法、必要なことはこの本に詰まっているので、初心者広報のバイブルと言っても過言ではありません!

それでは!
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪

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