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林の中の小さな図書館とプチホテル

B・B・C長湯  大分県竹田市

豊かな緑に囲まれて、木漏れ日の落ちる白い板壁。
小さな図書館と長期滞在もできる宿泊施設である。
客室は一軒家のタイプが4室と、フロントの建物に
ある2室の計6室とこじんまりとした規模である。

ラムネ温泉館から、それほど離れていない場所にあり、
チェックインした後、みんなで歩いてラムネ温泉に
向かったことを思い出す。小さい子供たちと、途中で
バッタやカエルを探して歩いたのもよい思い出だ。


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泊まったのは鉄幹という名の1〜2人用の部屋。妻
と小さかった子供たちの3人は、フロントを挟んで
反対側の部屋に泊まった。部屋の名は晶子であった。
え、1人って思うも、旅先の静かな時間もよいものだ。


このホテルは、川向いの大丸旅館が運営している。
大丸旅館は、大正6年創業の老舗の旅館である。
この地を訪れた名だたる文人達に愛用されてきた。
与謝野鉄幹と晶子は訪れた際に歌を残している。

芹川の 湯の宿に来て 灯のもとに 
     秋を覚ゆる 山の夕立 -与謝野鉄幹 -

湯の原の 雨山に満ち その雨の 
     錆の如くに 浮かぶ霧かな -与謝野晶子 -


情景がありありと目に浮かぶ。
繊細な言葉遣いに感動を覚える。
文人を愛し、尊敬する思いが、
このホテルには込められている。



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小さな図書館は、木造の校舎のような雰囲気でとても
懐かしい空気が漂っている。入り口では、女性の銅像が
出迎えてくれる。遠くを見据える姿は凛として美しい。



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図書室には旅行作家・野口冬人氏によって集められた
山岳図書が13000冊もある。常設された畦地梅太郎の
ほのぼのとした版画は、穏やかな雰囲気を作っている。


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その他の客室は、一軒家のように独立して建っている。
こちらは2〜4名用の客室となっていて、その名前は
大仏、雨情、花袋、山頭火と名付けられた4室。今度、
訪れることがあれば、大仏の部屋に泊まってみよう。



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