過去は未来に復讐する。

私の知らない君を、誰かが知っているということに、私は嫉妬している。
過去を変えることはできないが、過去の話を聞くことはできる。
しかし過去の君を、本当の意味で知ることはできないし、君の過去に影響を与えることは私にはできない。
君がいつか何かを思い出して、そこに出てくる誰かの気持ちを考えたとしたならば、君の未来さえも過去に囚われてしまう。
私はそんな彼の変えられない過去に対して嫉妬してしまうのだ。

しかし、過去の人たちは今は彼の中にはいなくて、私が彼の未来を変えることができる。
私がか過去になることで、彼の心を縛ることもできるのかもしれない。

でもそれは、過去の私がすることであり、未来の私はきっとそれを望んではいない。
それよりもきっと、君と一緒にいる今を大切にしないといけないのだろう。

太陽が西に沈み、2人の影は伸びて重なり、夜になったら星が出て、日の光で目を覚ます。
当たり前を当たり前と認識してしまうと、そこに意味を感じてしまわなくなる。
しかし私はいつまでも、彼の行動の意味を考え続けるのだろう。
答えがないから終わらないのではない、答えがないから終われないのだ。
むしろ、答えがなくて良かったとさえ思っている。

結局私自身が、過去の彼に囚われてしまっている。
私が嫉妬しているように、彼も嫉妬をしてくれていると良いのだけれどと思いながら。
好きだとか、愛しているだとか、それは結局記号であり、大切なのはお互いがお互いに、同じ気持ちを持つことなんだろう。
そして、それがたとえ嫉妬だとしても、私にとって全く問題ないんだよ。

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