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自己紹介から生まれる信頼関係

ここ数年でトレンドワードになった「コミュニティ」。今やオンラインサロンは当たり前の時代となり、地域コミュニティだけではなく、メーカーまでがコミュニティを作っています。

青山ブックセンターさんは青山ブックセンターを応援してくれる人と一緒に、店の新しいあり方を模索していくことを目的とした『青山ブックコミュニティー』をはじめました。

キリンビールさんは、ビールの面白さをもっと知ってもらうために『KIRIN BEER SALON』を。

CXプラットフォーム「KARTE」を提供するプレイドさんでは『KARTE Friends Community』を…toC向けのコミュニティもあれば、toB向けのコミュニティまで、同じ興味関心を持つ人たちで集まり、交流する場所が増えています。

2010年頃、コンテンツマーケティングがコンテンツSEOの文脈で流行ったような増え方ではなく、コミュニティの本質を理解した上でしっかりと目的を持ってコミュニティを立ち上げているように思います。

目先のコンバージョンにとらわれることなく、それぞれの課題を解決しうる手段としてコミュニティを立ち上げて、顧客ロイヤリティの向上(カスタマーサクセスっぽい感じ)であったり、成功体験の共有から口コミを増やしていくような動きが見受けられます。

僕はコンテンツマーケティングを1つの軸としているが、コンテンツマーケティングとコミュニティマーケティングの本質は似ているような感じがしました。

まずは目的の設定。何を目的にコミュニティを立ち上げたのか?そして、誰に何を与えるのか?これはマーケティングの基本ですが、コミュニティにもコンテンツにもやはりWho、Whatは大事ということです。

また、コミュニティという場がコンテンツになって発信されているし、そこに参加する人がコンテンツになっています。コミュニティ内で行っていくイベントもコンテンツであり、コミュニティそのものはコンテンツで成り立っていると考えてもよさそうですね。

コミュニティを立ち上げる上で大事なことは、参加する人たちの目的が同じかどうか。見ている方向が同じじゃなければ、目的を達成できませんし、参加する人たちが満足するような企画やイベントじゃなければいけません。そうしたコミュニティの戦略を考えて、参加者と信頼関係を築いて、居場所をつくらなければいけませんね。

居心地のいい居場所を作るということは、自分軸で自分の価値を感じることができる場所のことで、誰のことも気にすることなく、自分の言葉で発言できる場なんだろうなと….これはもうただのファンクラブではないと思います。

改めて、佐渡島さんの「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜」を読むと、こんな一節がありました。

信仰ではなく、信頼へ

この一文を読んだ時、コミュニティは安心できる場所ではなく、信頼できる場所にならなければいけないのかとハッとさせられました。

コミィニティに新しく入った人は、すでに参加している人たちのことを何も知りません。コミュニティに入った時は、安心安全が確保されておらず、そこに「安心」という言葉は見当たりません。

信頼は常に双方向であり、片方が一方的に信頼することはできません。だからこそ、複数集まっていくコミュニティでは、信頼関係を築くことが難しいんでしょうね。

僕は、最所あさみさんが運営するコミュニティ「消費文化総研」に参加しています。月に一度はリアルで集まって各々好きな雑誌をプレゼンしていたり、購読者限定Slackでは議論を深めて、各チャネルでは個々思い思いにまなびを書き示していたりと、誰かと一緒に学ぶことでアウトプットの総量が変わる体験をしています。

最所さん及び、メンバーのみんなと語り合う場が本当に学びになりますが、そのメンバーと信頼関係を築いている場所が「マンスリー自己紹介」です。

最近、読書前感想文(読む前のこと、なぜその本を手にとったか?をアウトプットすること)がマイブームなんですが、マンスリー自己紹介は、参加者がその月に何をするのか?読もうとしてる本や近況アップデートもかねて自己紹介をします。

コミュニティでは常に新しい人が入ってきます。しかし、新しく入った人たちは古参メンバーのことも知らないので、安心・安全が確保されていません。

また、古参メンバーが新メンバーを積極的に受け入れているつもりだとしても、自分たちから話しかけないと、新メンバーは沈黙を拒絶と受け取ることがあります。

そんな安心・安全を確保するのがマンスリー自己紹介。

Slackで毎月自己紹介をする….メンバーそれぞれがまなびのチャネルを持っているが、やっぱりパブリックな場での発言は安心感を生んでくれるから心から落ち着くんですよね。

そしてDoで語るわけではなく、Beで語る。自己紹介は自己アピールではなく、自分の物語を聞いてもらう場所にもなっています。

消費文化総研のメンバーみんなに会えてよかった思うし、本当に居心地がいい場所です。

もしサポートいただければ、今後のnoteに生かしたり、他のライターさんへのサポートに回したいと思います。