ストレスによる健康障害
健康障害のメカニズム
ストレスとは
外部環境が正常な身体に“ひずみ”をもたらすことを一般的にストレスと言う
ストレッサー:体外から加えられた各種の有害刺激のこと。ストレス要因
ストレス:体内に生じた傷害と防御反応のこと。ストレス反応
精神症状(不安、怒り、不満、抑うつ気分)
身体症状(疲労感、食欲不振、不眠)
行動の変化(喫煙や飲酒量の増加)
【ストレッサーの種類】
物理的ストレッサー:温熱、寒冷、騒音など
化学的ストレッサー:有害化学物質、薬剤、環境ホルモンなど
生物学的ストレッサー:細菌、ウイルス、かびなど
精神的ストレッサー:人間関係、将来に対する不安など
自律神経系(交感神経系)
交感神経系:日中に体を活発に動かしているときに優位になる
瞳孔:散大
唾液:減少
心拍:増加
末梢血管:縮小。血圧が上がる
消化活動:抑制
自律神経系(副交感神経系)
リラックスしているときや睡眠時に優位になる
瞳孔:縮小
唾液:増加
心拍:ゆっくり
末梢血管:弛緩。血圧が下がる
消化活動:促進
内分泌系
ストレッサーが生じたときは交感神経系が活性化され、神経伝達物質(※)が分泌される
(※)アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール
内分泌系(アドレナリン、ノルアドレナリンの作用・病気)
【作用】
血圧や心拍数の増加
血液凝固の促進
中枢神経覚醒
胃粘膜血流低下
【病気】
高血圧
狭心症(きょうしんしょう)
心筋梗塞
不整脈
脳卒中
内分泌系(コルチゾールの作用・病気)
【作用】
糖の産生の促進
免疫抑制
胃酸分泌促進
【病気】
糖尿病
感染症
胃十二指腸潰瘍
免疫系
仕事や試験によって過労や睡眠不足、心理的葛藤などのストレス時には身体の免疫力が低下する
ストレッサーからストレスまでの脳の反応
ストレッサー →
「大脳皮質」認知・評価 →
「大脳辺緑(だいのうへんえんけい)」感情の発現 →
「視床下部」自律神経系、内分泌系、免疫系 →
ストレス反応 例)高血圧、糖尿病、風邪など
職業性ストレス
強いストレスを感じている労働者の割合
58.0%
(厚生労働省より公表されている2018年度の労働安全衛生調査)
【要因】
1位:仕事の質・量(59.4%)
2位:仕事の失敗・責任の発生等(34.0%)
3位:対人関係(セクハラ・パワハラなど)(59.4%)
NIOSH職業性ストレスモデル
NIOSH:米国国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health)
職場のストレッサー→(仕事以外の要因)+(個人的要因)+(緩衝要因(社会的支援))→ストレス反応→疾病(しっぺい)
職場のストレッサー
職場環境
仕事のコントロール
交替制勤務
人間関係
仕事の量的負荷と変動性
個人的要因
年齢、性別
雇用保証期間
肩書
性格
自己評価(自尊心)
仕事以外の要因
家族、家庭からの要求
緩衝要因
社会的支援(上司、同僚、家族からの支援)
ストレス要因
心理的反応(仕事への不満、抑うつ)
生理的反応(身体的訴え)
行動化(事故、薬物使用、病気欠勤)
管理監督者に必要なマネジメントスキル
組織のマネジメント
ハード3S:経営者が比較的容易に変更できて、コントロールしやすいもの
戦略(Strategy)
組織(Structure)
システム(System)
ハード4S:経営者が変更に時間がかかる。労働者によって決まるもので、簡単には変更できない、変更しにくい
価値観(Shared Value)
スキル(Skill)
人材(Staff)
スタイル(Style)
管理監督者の役割(部下のメンタルヘルスケアという側面でみた場合)
職場環境等の把握と改善
労働者からの相談対応を行う
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?