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士業経営の落とし穴【みんなハマる】 第133話 問題を作り出す力

創業者の佐藤澄男さんが朝礼とかで口酸っぱくいっておられた「問題を作り出せる人になれ」というのが当時あまりピンと来てませんでした。この言葉自体は東海銀行(当時)の関連会社のコンサルタントの講演で聞いたというようなことを付け加えていましたが、痛く納得したということです。
30年前のことです。

今の今まで忘れていましたが内定式の別の方の講話の中引用されて思い出し、いま、あらためて聞いてみるととても合点がいきます。

問題を発見する人 並

問題を提起し、課題を設定する人 良

問題を作り出せる人 優

問題を作り出せる人が経営者になるという筋です。

昭和の経済成長時代は組織での問題(人のペイン、文句)は出まくっていたので、誰でもわかる。その問題を解く人が求められました。

平成の低成長時代は、問題を解ける人が増えつつ、問題が潜在化しました。

つまり組織で文句をいう輩は動物的だと切り捨てられ、一律無視される時代となったわけです。

それはそうでしょう。

自分で選んで組織にいるのにその母体の文句をいうのは自分の選択を貶めている。ただ自分が辞めればいいだけなのにしがみつく矛盾の人という評価が一般的になったからでしょう。

しかし、です。
そうなると問題が一見なく、和気あいあいとした”優しい”組織が蔓延し、しかし、当然生産性は上がらないので、場合によっては管理職が詰められて鬱になってしまいます。

令和の今、問題を作り出す人が一層求められる理由は、問題の全く見えなくなったところに、高い目線と基準で問題を作り出し、組織をあるべき姿にもっていくことが死活問題だからということでしょう。

こんな30年を経ても通用する、超高度な話を内定式で聞かされる今の若手諸君にはいささか同情するとともに、こういうことをわれわれ先輩が解釈、実践してないと恥でしかない。

創業者が化けて叱りにこないように襟を正していきます。

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