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幸せな偶然が天職になる

どんな仕事も、最初から自分に向いている仕事などない。
たとえ素質があったとしても、自分からその仕事に向くような努力をしなければ、いつまで経っても自分に向く仕事にならない。
そして、仕事を自分事に出来なければ、その仕事の真の楽しさも味わうことができない。
でも、そんな仕事との出会いは、偶然に訪れることが多い。

天職との出会い

私が就労支援という仕事に就いたのは43歳の頃、2010年の9月です。
あれから10余年、若者を中心に延べ1万人を超える方々の苦悩や歓喜の声を聴かせてもらった私にとって、就労支援という仕事は”天職”だと感じることができる仕事になりました。
でもそれは、初めから目指していた仕事ではありません。

今の仕事との出会いは、かつてハローワークに通いながら転職活動をしていた私の経歴を見た相談員の女性に、「新卒者の就職を支援するジョブサポーターの求人が出ていますが、高野さんの経験が生かせるのではないでしょうか?」と、提案してくれたことがきっかけです。
その時は、まさか自分が”支援する立場”になることなど微塵も想像していませんでしたが、これも何かのご縁だと思い応募することにしました。

根拠のない自信が活路となる

初心者で、しかもその時点で転職は7回、前職は非正規雇用だったこともあり、「駄目元で受けてみよう」というのが正直な思いでした。
そして面接では案の定、私の転職歴に関する質問が続き、中には遠回しに否定的な意見を述べる面接官もしました。
しかし、それまでの自分の経験は、この仕事に確実に生かせるという、根拠のない自信だけはあったので、私は終始笑顔で面接を乗り切りました。
その3日後、採用の連絡をもらったのです。
後で分かったことですが、その仕事に採用されたのは12名で倍率は約80倍だったそうです。そのうち、相談業務の初心者は私だけでした。

仕事を自分事にするための日々

今思えば、ハローワークで偶然勧められたことが全ての始まりでしたが、実際に仕事を始めると初心者の私は当然ながら自分の力不足を実感することになり、まもなく反省と勉強の日々に突入するのです。

始めは、これは自分に向いているという自信もありましたが、いくら社会人としての経験があっても、人の話を”聴く”というのは意外にも難しく、その技術はにわか仕込みでは身に付きません。
それに、相談に訪れる若者の中には、発達障がいや精神疾患、さらには複雑な家庭事情など、様々な悩みを多重的に抱えている人が多いため、労働三法はもちろん、それぞれの専門知識や社会福祉制度の知識なども必要でした。

でも私は、これからの人生において「この仕事を軸に食ってゆこう」と決めて以来、キャリアコンサルタントの資格取得やメンタルヘルスの勉強など、出来ることから出来る範囲で勉強し、先人たちや専門家の話を聴いては、それを実践してきました。
10年の歳月を経てもなお、まだまだ至らなさを感じる場面もありますが、そういった日々が、この仕事を自分事に変えてゆき、今では天職といえるほどになったと実感しています。


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