72.日本のメタル/ハードコア探訪1 = Jurassic Jade
Jurassic Jade(ジュラシック・ジェイド)は1985年に結成された日本のハードコア/スラッシュメタルバンドです。1987年、X(後のX Japan)も参加したオムニバス・アルバム「Skull Thrash Zone Vol.1」に参加。黎明期のアンダーグランドメタルシーンから現在まで活動を続けているベテランです。このオムニバス・アルバムは熱いメンツですね。Metallizationで感銘を受けたShellshockも参加。
メンバーも安定しており、日本アングラメタルシーンの女帝ことHIZUMI(Vo)、リーダーでGtのNOB、ドラムのHAYAが不動のメンバーとして在籍。Bassは何度かメンバーチェンジし、現在は1994年からローディとして長きに渡ってバンドを支えてきたWATANABEが7代目ベーシストを務めています。メンバーの安定と同様、音楽性もブレずにずっとアンダーグラウンドな薫り。遅ればせながら2021/3/13に初めてライブを観たのですが、濃厚なオリジネイターの凄みを感じました。こういう空気感とか音像が好きなんですよ。個人的にはナゴム(というか初期筋少)が好きなので、そこから更に少しさかのぼった時代。ライブも圧巻でした。ライブの雰囲気が伝わる動画を見つけましたのでどうぞ。
Jurassic Jadeに出会ったのは2021/3/13@渋谷CYCLONE。JUDASSIC JADE/IN FOR THE KILL/COCOBAT/END ALLの出演イベント。ライブレポがてら、残りの3バンドも紹介します。
まずはIN FOR THE KILL。2013年結成、2017年にデビューアルバムリリースの東京を中心に活動する4人組のバンドです。メンバーはINA(稲本剛章:vo)、RYO SUKE(市川亮介:g)、TOMO(鈴木友博:b)、TORU(渡邊 徹:ds)。他のバンドでの活動歴もあるメンバーが在籍しており、演奏力も完成度も高いバンドです。
歌詞は日本語と英語のハイブリッドで、独特のグルーヴがある。ジャパニーズ・アンダーグラウンド感というかハードコア感を持ったエクストリーム・メタル。日本語ということで兀突骨をちょっと連想したり。ライブの様子もわかるMVがあったのでそちらをどうぞ。全体的に演奏力が高いですが、個人的にはボーカルの声が印象に残りました。芯があって歯切れもよくいい声。日本語の歌詞が入ってくることもあり(だいぶ聞き取りづらいですが笑)、やはり欧米のエクストリーム・メタルバンドとは違う拍やノリを感じます。
続いてはミクスチャーメタルの大御所、COCOBAT。シンボルキャラクターでもあるグラスホッパーを連想させる緑の照明が映えるステージ。
COCOBATは1991年結成、1992年デビュー。ベースのTake-Shitを中心に結成され、幾多のメンバーチェンジを経て今のメンバーはHIDEKI(ヴォーカル)、SEIKI(ギター)、TAKE-SHIT(ベース)、KIM(ドラム)の4名。ギターのSEIKIは渋谷CYCLONの店長でもあります。今回のライブはHIDEKIが足に怪我をしているようで、ライブ前半は楽器隊だけによる演奏。これがプログレ感というか、メタリカの間奏部のようなスラッシーなストーナーメタル感があって最高でした。後半になるとHIDEKIも参加し、松葉杖をつきながらも力強いスクリームを披露。
COCOBATって、MCがないんですよね。ガンガン曲を畳み掛けてくる。真剣勝負の凄みというか、迫力があるバンドです。ライブを観るのは2回目かな。2009年以降、音源をリリースしていませんが今も活発に活動中。バリバリ現役感のあるバンドです。3.13のライブをアップしてくださっている方がいたのでどうぞ。
最後はEND ALL。実際のライブでは一組目に登場。
2008年結成。Vo兼Bのさとつ / SATOTSUが中心人物。スリーピースバンドで演奏力も高い。前回、レコ発ライブでも観たので2回目。ただ、ライブだとボーカルが弱いというか、、、。ちょっと声量も音程も頼りないんですよね。演奏はかなりかっちりしているのに。もちろん、音楽ジャンル的にそれほど歌がうまい必要はないんですが(ベース弾きながらだし)、ちょっと声が頼りない。キャラは立っているんですけれどね…。惜しい。曲は良いのでMVをどうぞ。
ちなみにコロナ対策で足元にはソーシャルディスタンスの目印であるシールが。
ご時世柄、モッシュピットもダイブもなし。ベテランからすると物足りないかもしれませんが、逆に言えば初心者には入りやすい環境かも。今はみんなおとなしいし。ライブは観てみたいけどモッシュピットやダイブは怖いなぁ、という方は、今がチャンスです。