石塚 康志

「データで殴る」ことにならないように、データが持つ豊富な意義を言語化していくことをモットーにしています。

石塚 康志

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マガジン

  • こども観、教育観について

    安定しているようでいて、実は変化の激しい「こども観」や「教育観」についてのコラムを集めています。

  • 保育とAI(機械学習)

    保育実践に展開できる機械学習についていろいろと考えています。

  • 発達のつながり

    子どもの発達の記録を分析することで、発達過程相互のつながりを、高踏的な一般理論でランクづけるのではなく、個別具体的に可視化できればと思っています。

  • 保育とAR/VR、センシング

    保育や子育てにおいて、AR/VRテクノロジーやセンシングテクノロジーによって、何がどう変わり、付加価値が生まれるのか考えて行きたいと思います。

  • デジタル保育

    子どもたちの発達、成長を専門性を持って支援する保育施設におけるデジタルの可能性について、考えていきます。ホイクテックの普及に向けて!

最近の記事

保育「領域」の実在性を統計学的、分析哲学的に考えてみると

領域と因子分析 「保育」という活動分野において、目標とされているのは、子どもの安全で健康的な生活の確保となる「子どもの充足」(いわゆる療育)と子どもの成長をサポートする「子どもの発達」(いわゆる教育)ということになる。  後者の「子どもの発達」を、21世紀の20年代において、ある程度、科学的、「客観的」(これは、エピソード記録の賞揚の背後にある現象学的に発達を記述しようとする性向とは異なるという意味合いを含んでいる)に把握する場合には、「尺度」を用いた技法となるであろう。  

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    • 保育の5「領域」と因子分析

      保育の領域 保育所保育指針において、「保育の目標」のうち、「教育に係わる内容」の領域として、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」が記されていることは周知のところでしょう。この領域分けは、あくまで「保育」実践の目標の領分分けであって、子どもの発達や成長の種類分けを直接的に示している訳ではありませんが、保育の教育部分の「目標」ということで、子どもの成長、発達の向かう5つ「レーン」のようなものを示しているということになるのでしょう。  そのように受けとめると、子どもの発達

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      • 発達経過記録から、総合的な発達のバラツキを示す指標を試作

        発達指数の試み 保育所保育において、とても重要な記録である、発達経過記録を匿名データ化し、分析することを続けている。その中で、子どもたちの発達度合を印象づける要因、すなわち発達のバラツキを感じさせる「保育の内容」領域が、どこになるかということが課題になってきた。  これまでの多数のクラスの主成分分析結果の確認から、主成分分析の結果である第1成分が、数十に渡る発達記録項目の情報を圧縮した、いわば総合的な発達度合、状況を示すものになるのではないかと気がついた。  そこで、第1成分

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        • 子どもたちのダンスを見る保育士の評価について、分析的に考える

           今回は、「保育における子どものダンス活動の『達成』をどのように評価するのか」ということを、少し違う確度から少し考えてみたいと思います。そのアプローチ方法とは、認知科学的な方法論からみた美学、「実験美学」と言われるアプローチです。 実験美学とは?  哲学の一部又は隣接領域として、個々の作品や対象(自然物など)の評価や鑑賞からはなれて、「美とは何か」ということ、つまり「美自体」について探求する学問として、「美学」というものがあります。さらに、その美学の中に、人の美的経験をデー

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        • 保育士さんの気持ちに関して
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          実際の発達経過記録から、子どもの行動の難易度、属性を解明する(後編-2)

          4分類と「ホップ」「ジャンプ」  今回も引き続き、期首達成率と成長率に基づく、子どもの行動達成の属性の分類の話しを続けます。期首達成率と成長率の2軸による4分類は、ホップ、ステップ、ジャンプ、アドバンスの4分類になります。  ホップは、期首達成率が高く、成長率も高い行動項目となり、ステップは、期首達成率は低いものの、成長率が高い行動項目となります。このホップとステップが、その年齢の子ども達の発達過程のコアを形成しているものと考えます。 一方、ジャンプは、期首達成率は高いので

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          実際の発達経過記録から、子どもの行動の難易度、属性を解明する(後編-1)

          期首達成率と成長率の2軸  前編、中編のエントリーでは、達成時期が記録されている子どもの行動の「属性」を判別するために、期首達成率(年度初めの4月の記録の段階で、ある行動項目が達成できている子どもの比率)と成長率(4月段階で出来ていなかった子どもの中で、最新時点において、その行動項目に「できる」が記録されるようになった比率)による4分類を提案しました。  それらのエントリーでは、エラーデータを取り除いたモデルデータで、実際に、期首達成率と成長率をそれぞれ計算し、それらの比率

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          実際の発達経過記録から、子どもの行動の難易度、属性を解明する(中編)

          期首達成率と成長率による「4分類」  前回のエントリーでは、モデルデータで「目の前の子どもの発達記録」を分析するということで、期首(年度初めの4月)段階で、記録を取っている行動項目の達成度合としての「期首達成率」の状況を紹介し、具体的に期首達成率の「高い」項目と「低い」項目を具体的に見てみました。 この期首達成率と合わせて分析する第2軸としての「成長率」の状況を紹介しようと思います。  ここで、4分類を計算するための二軸として、期首達成率とともに、期末達成率(年度の最終段階

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          実際の発達経過記録から、子どもの行動の難易度、属性を解明する(前編)

          モデルデータによる分析手法の紹介  今回は、発達(経過)記録を「分析」する手法として、どのような方法を試みているのかを紹介していくことにします。分析手法とは言っても、ともて簡単な方法です。子どもたちの発達過程を可視化することが目的であり、高度な分析手法を必要もないのに適用することに意味はないと思います。むしろ、データの整理さえできれば、こんな簡単な方法で、子どもの発達過程について、様々なことが分かるということを実感して欲しいと思っています。  さて、まず分析の前提となる、発

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          砂場遊びで、「次に見るのは、どこか」(後編)

          エントリー前編では、人間が視線を移動させることについての若干の整理を行った上で、砂場遊びに付き添っている保育士の注視先の遷移を「確率」という形式で表現し、それを一覧表の形にして、その状況を少し説明してみた。今回の「後編」では、注視先の遷移を、もう少しビジュアな表現に移し替えるとともに、人間の視覚認知を踏まえて、注視先遷移についての仮説的解釈を述べてみたい。 注視先の遷移をネットワーク図で表現 前編で提示した、「注視先遷移の確率の表」を再度、確認する。 子どもたちの砂場遊びに

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          東洋大学で「保育所のAI&ICT活用」をテーマに講義を行いました

          会社で行っている東洋大学 国際学部への寄附講座「社会保障論」で、6月17日に1コマお話をさせていただく機会がありました。その話しの内容を記事にしていただきましたので、こちらでもご紹介します。 ================================== 技術が保育園にできることとは? 今回の講義テーマは「子ども理解のための洞察やインサイトをどのように獲得するべきか?~保育所のAI&ICT活用について~」です。 石塚は、保育の個別最適化を実現するため、当社の直営保

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          砂場遊びで、「次に見るのは、どこか」(前編)

           保育士養成課程の「子どもの理解と援助」において、子どもの理解を進めるために、子どものことを丁寧に観察することがうたわれている。「子どもの観察」には、子どもの声に真摯に耳を傾けることなど五感をフルに活用するべきことは確かだが、やはり、視覚、つまり子どもを、良く、かつ先入観なく「視る」ということが大きな割合を占めることは否定できないであろう。  では、保育士は子どもと接している時に、何を視ているのだろうか。 今回は、「保育士の視線」の動き、注視先の遷移パターンについて、ごく簡単

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          音声デバイス普及のためには、保育当事者の関係性分析が大事なのでは?

          スマートスピーカーって、どうなの?一時期とても話題になった「スマートスピーカー」だが、2019年はじめの段階でのある調査では、その所有状況は、6%を少し下回る程度の普及率だったようだ。 https://www.dentsudigital.co.jp/release/2019/0218-00356/index.html  新しい技術の普及についての理論であるテクノロジー・ライフサイクルの理論によれば、新規のイノベーションが一気に普及し始めるのは概ね普及率16%を超えたあたりか

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          計算方法の精緻化とメンタルモデルのアップデート

          私たちとしては、一人ひとりの子どもに『個別最適化』した保育を実現したいということがあります。当然ながら、個別最適化した保育をするには、子ども一人ひとりについて丁寧に理解しなければなりません。しかし、『子どもの理解』と簡単に言いますが、そのための手順とかプロセスは、明確になっているとは言えないでしょう。 現時点では、保育士が子どもたちの様子を記録し、それをそのまま見返す、というのが一般的だと思います。 保育所では、日々子ども達に関する様々な情報が蓄積されています。この子どものデ

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          教育と工学、水と油のような感じもするけれど

           皆さんも、「教育工学」という学問分野、研究分野について、耳にしたことがあるのではないだろうか?  「教育」と「工学」という、一見すると水と油のような言葉のつながりに違和感を持つ方もいるかもしれない。  上の図は、日本教育工学学会の会員数の推移であり、既に3000人を超える研究者が参加する規模の組織になっており、学問分野として定着としていると言えるだろう。独立行政法人日本学術振興会の科学研究助費成事業(いわゆる科研費)の配分先の学問分野としても、「教育工学」は存在して

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          子どもの発達の相互連関=相関関係を見る!!

           子どもたちの発達行動の達成時期の同期度合を、相関係数で計測することで、子どもの発達行動の相互連関について把握してみた試行について、紹介しようと思います。 発達の相互連関を捉える! 「子ども(たち)の発達過程」を、発達経過記録から定量的、統計的に、くみ取り、可視化するための研究を進めています。このための作業をしていく過程では、逐次、保育所保育指針における、発達の捉え方に立ち戻るようにしています。  保育所保育指針の第1章「保育所保育に関する基本原則」(2)保育の目標では、

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          因果を知りたがる統計分析と予測したがる機械学習

          (出典)「統計」と「機械学習」の違いの整理で多くの事業会社で「機械学習」が使えない理由が視えてきた! 統計的手法としての機械学習 AIとか機械学習という言葉がニュースなどを通じて、耳目に達することが多くなっている。とはいえ、AI、人工知能、機械学習というと、グーグルのような最先端の大企業での遠い話、あるいは、むしろうさん臭いSFのような話で、眉に唾して話しを聞かないといけないというイメージを持たっている方も多いであろう。過去に何度か人工知能ブームというものがあったものの

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