
都道府県を廃止し、「道州制」に移行せよ【政治】
明治維新直後の1871年、日本では廃藩置県が行われた。
その後140年以上が経過し、社会はめまぐるしく変化した。
にもかかわらず、廃藩置県で構築された中央集権体制は基本的に変わっていない。
今こそ、都道府県制度を廃止し、道州制に移行すべきだ。
道州制とは何か
道州制とは、国家の地方行政制度のひとつで、行政区画として「道」または「州」を置くもの。
現行の日本では「都道府県」という区分で分けているが、それを無くし道州制にすること移行することで、より広域な行政区分になるというものだ。
また各道州には都道府県よりも大きな地方自治権を与えるというのも特徴だ。
道州制の3つのポイント
道州制のポイントは、下記の3点だ。
行政区分の拡大
行政業務の分割と人材移動
財源比率の見直しと地方交付税の廃止
順番に解説していく。
①行政区分の拡大

道州制を推進する上で鍵となるのは、その道州の規模だ。
都道府県を廃止し、新たに10の道州と2つの特別区を置く。
特別区となっている東京と沖縄は国家戦略上、非常に重要で特別な自治体である。したがって東京と沖縄は、ワシントンD.C.をロールモデルとした政府直轄とし、「東京担当大臣」「沖縄担当大臣」を設置する。
また基礎自治体も合併を促進する。目安としては1自治体人口10万人程度だ。なぜなら、規模の経済が働く人口規模が最低10万人が必要とされるからだ。
※名称および行政区分は一例であり、議論の余地あり
②行政業務の分割と人材移動

道州制における基本的な考え方は、基礎自治体が行政サービス全般を担当し、それを補完するために広域による施策や合理的な業務を道政府が担当する。そして道政府でも担うことが困難な外交・安全保障政策や通貨政策は中央政府が担当するという形態だ。
これにより、これまで政治的・歴史的経緯によって重複してきた国、都道府県、市町村の行政を改められる。
国の関与がなくなれば、地方政府の政策の透明性も向上し、意思決定の自由度も高まり、対外的な説明責任も強くなる。
行政業務の分割と同時に、人材移動も行われる。
なぜなら国家が行う業務は、外交防衛政策などに限られるからだ。よって、他分野の官僚は道政府または基礎自治体に移動することになる。
③財源比率の見直しと地方交付税の廃止

②で行政業務のかなりの部分を道政府・基礎自治体に移譲した。
それに伴い、財源比率の見直しも必要となってくる。
現状の財源比率は、「中央政府60%、都道府県20%、市町村20%」とされているが、道州制では「中央政府10%、道政府40%、基礎自治体50%」と見直す。
具体的には「税制」を変える。
中央政府の税収は、プラットフォーム提供フィーとして現行の法人税3割と所得税3割を基本。
道政府の基幹財源は「経済に関わる税」。法人税7割、消費税の半分。
基礎自治体の基幹財源は「人に関わる税」。消費税の半分、所得税の7割、市町村税、各種資産税。
それと同時に、「地方交付税」を廃止する。
現状、複雑な交付税制度によって、地方自治体の主体性・自立心が損なわれている。廃止することは不可欠だ。
道政府・基礎自治体は所得税、法人税の一部以外は全て財源となるため、それぞれが切磋琢磨して地域を活性化する仕組みが可能となる。
そのためには、地方交付税を廃止し、「独立採算制」を徹底しなければならない。
道州制の最大のメリット
道州制導入の最大のメリットは、「各道政府の競争原理が働くこと」である。
各道政府の競争原理が働くことによって、経済が活性化され、政治・行政の効率化などにインセンティブを持たせられる。
結果的に日本全体がより活性化されるということだ。
そしてそれぞれが自立した行政運営を行えるようにするには、道州制の導入が不可欠である。
最後までお読みいただきありがとうございました。
このnoteは『日本を動かす「100の行動」』という書籍を参考に執筆いたしました。本書は道州制意外にも日本を良くするための政策が書かれているので、よければお読みください。