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僕らに情熱は宿っているだろうか? / 23歳で5億円の資金調達をしたお話

はじめにnoteを書こうと思った理由

僕は今Graciaという会社でTANPというギフトプラットフォームを作っている。具体的に誕生日プレゼントとか出産祝いとか結婚祝いまで"ギフト"に関わる悩みをまるっと解決するサービスだ。先日総額で5億円の資金調達をした。融資などを含めると累計で7億円集めたことになる。TANPがどんな特徴なのか、どこが強みなのかについては他のメディア、インタビュー記事が紹介してくれてるのでそこの説明はこのノートでは省く。記事下にリンクを置いておくので気になる人はぜひ見て欲しい。

今回どうしてこんなにたくさんのメディアの方に取材してもらったのにわざわざnoteを書こうと思ったかというと、このタイミングで今の気持ちを文字に起こしてみんなに伝えたい、自分の記録として残しておきたいと思ったからだ。タイトルにも書いたけど、"情熱"について昨晩思うところがあったから、土曜日の昼下がりに五反田駅ビルのスタバで筆をとってみようと思った。
僕とリアルで知り合いの人はわかると思うけど、普段僕はくだらないことばかり言ってヘラヘラしているし、情熱的なことは言わない。恥ずかしがり屋だから。エモい文章を書くのも得意じゃない。恥ずかしがり屋だから。きっとこの文章も後から読み返すことはできない。前置きが長くなってしまったけど、早速書いていこうと思う。

資金調達に至った背景

僕たちGraciaは紛れもなくスタートアップだ。ベンチャーキャピタルからお金を引き受けている以上、M&Aもしくは上場を目指すことを自らに課した制約だ。何かしらのエグジットをすることは目標ではなく義務だ。ただ現実問題として、日本のスタートアップ事情に詳しい人だとわかると思うが、M&Aの企業評価額のレンジは10億円未満が多く、20億円未満が一般的だ。一般的に考えた時に今回シリーズBでの調達をしたらむしろM&Aでのエグジットを目指す方が難しくなり、IPOを目指すことになる。だからもしM&Aをしたいのだとしたら今回の調達をするべきではない。
かっこつけずに正直なことを言うと今回のタイミングでM&Aでエグジットをするか迷った。起業家の先輩にも相談をした。

・経営陣は僕、中内、林、三人ともが初めての起業で、今後ちゃんと経営していけるのか?
・23歳だから一度利確して次のチャレンジをしてもいいんじゃないか?

など。今年の4月くらいはぼんやりとそんな選択肢を考えながら、同時にシリーズBでの調達に動いていた。結果として僕たちはシリーズBで追加の調達をして本気でIPOを目指すことを選んだ。なぜか?僕は一つのキーワードとして”情熱”をあげたいと思う。

情熱ってなんだ?

情熱と聞くとすごく暑苦しい印象がある。熱血教師とかそう言うやつ。きっと僕のことを知らない人が今このnoteを読んでもなんかくさいやつだなと思うに違いない。僕にとっての情熱はモチベーション、生きがい、とかそう言うものに近い。結局、人生は長いし、何を成し遂げようと、それ自体に意味はないと思ってる。なぜ起業するのか、なぜ働くのか、を考え直すと僕は最終的に情熱にたどり着いた。自分が本当に作りたいものを本気で作ることに没頭すること。具体的に言うとGraicaを、TANPを通じて本当に日本のギフト文化を変えていくことに情熱を注いでいる。テックを駆使してこれまで成し遂げることができなかったことを成し遂げたい。

原体験?

(写真注: 1期目のオフィスで開催した忘年会)
原体験と情熱は別物だと思う。事業をやってると数万回聞かれる質問で”どうしてギフトをやろうと思ったのですか?”と言うものがある。正直に答えると、起業した時にギフトについて強烈な原体験などなかった。少し話はそれるが、起業家には2タイプあると思う。ビジョナリータイプとロジカルタイプだ。明確に2タイプと言うよりかはグラデーションになってるイメージだ。僕はどちらかといえば元々ロジカルタイプだったと思う。だけどロジカルタイプにビジョンが全くないかといえばそんなことはない。隠れてるだけだ。じゃないと起業なんてしない。僕の場合は小さい頃からぼんやりと”日本を変えたい”という気持ちがあった。何かしら自分の生きた証を残したい。なぜかはわからない。
じゃあその中でどうしてギフトにしたの?と言われると、誰かを幸せにするようなサービスをしたいと思っていた。あとはリアルに人の文化、行動を変えるようなサービスを作りたいと思っていた。その一つの答えが今の事業だったと思う。
やっていく中でもちろんギフトに対しての課題意識は強まっている。それは実際にユーザーにギフトを届けていく中で、実際に使っていただいた方からの声を聞いていく中で、より一層感じた。意義のある価値を提供ができ始めているという確信は徐々に持てているが、まだまだ改善していかないといけないことばかりだと思った。僕たちのプロダクトは今までだったらプレゼントをおくらなかったような人、シチュエーションに対しても、これまでよりもとびきりいいモノ、体験を届けることが可能になると思っている。ギフトの回数と質はITの力、ロジスティクスの力でもっともっとよくなるし、それによって人と人との繋がりはもっと良くなる。
日本のギフト文化をもっと変えて、たくさんの人がギフトを通じて感謝を伝えることができるようにしたい、というのは全く嘘ではない。最初がどうだったかの話だ。

だから調達した

(写真注: みんなでハートのポーズ)
おっきなチャレンジをしたい。もっともっと突き抜けた圧倒的なサービスを作りたい。日本を代表するギフトサービスを作りたい。そこに僕の、僕らの情熱を注ぎたいと思ったから調達の道を選んだ。僕たちのチャレンジは本当にここからだ。資金調達をして、周りからすごいね!と言われることがあるが、自分では何もすごいと思わない。
ちなみに今回の資金調達はGCP(グロービス・キャピタル・パートナーズ)と言うベンチャーキャピタルをメインとした座組みだった。担当の高宮さんとの出会いはTHE SEEDSというVCの廣澤さんが呼んでくれた恵比寿のTORAJIで開催された若手焼肉会だった。そこから話を進めて無事調達が決まった。僕はGCP6号ファンドのリリースのどこかに書かれていた「連続起業家の再現性」と言う言葉に惹かれた。起業家とVCがチームになって1周目の起業家にも”信用”を築いていくと言うものだ。途中でも書いたが、僕、COOの中内、CTOの林は経営の経験など何もない。IPOはおろかM&Aの経験もない。GCPと、担当の高宮さんと野本さんとチームを組めば僕たちはもっと成長して本気で天下を取れるんじゃないかと思った。
何もない僕たちが口だけではなくて、本当にこのギフト市場で勝っていくためには僕たちだけの力ではどうしようもない。だからこれからたくさんの人の力を借りようと思う。

最後に


今Graciaには日本の若手の中で一番優秀な人が集まってきている自信がある。いやいやそれはさすがに言い過ぎでしょ、って思うかもしれないけど、成長意欲、仕事の処理速度、チームワークどれを取っても若さを抜きにしても高水準レベルだと自負しているし、これからももっともっと一緒に成長していけると信じてる。
本気で日本一を目指す上で”人”は本当に大事だと思っている。志が高くて、情熱が宿っている人をこれからたくさん仲間にしたい。少しでも気になった人は話を聞きにきて欲しい。
https://gra-cia.co.jp/recruit


僕らに情熱は宿っているだろうか?


掲載記事一覧
TechCrunch: https://jp.techcrunch.com/2019/08/28/gracia-fundraising-series-b/ (コメント: すごく丁寧に事業の優位性を記事におこしていただいてます)
PRTimes: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000033774.html (コメント: 今回投資していただいた投資家の皆さんからのコメントを掲載しています)
the Bridge: https://thebridge.jp/2019/08/gift-ec-tanp-raised-500m-yen-from-gcp (コメント: ギフト市場全体のマクロ的な視点から解説いただいてます)
ダイヤモンド・オンライン: https://diamond.jp/articles/-/213204 (コメント: 創業動機からのストーリーを取材いただいてます)
日経オンライン: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49136830Z20C19A8XY0000/ ( コメント: 全体感をまとめていただいてます)

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