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かっこいい生徒と臆病な先生

ある日のテスト明けの授業。

「そういえば進路はどうするの?大学?それとも専門学校?」
「専門学校かな?でも迷っていて......」


そうして、1人の生徒が自分の夢を語ってくれた。
自分のブランドの服を作りたいらしい。
しかも自分で大人に話を聞いたり、高校生でそこまでやるのは本当にすごいと思う。

自分でも刺激をもらえる。本当にカッコいい。
高校生だからではなく、1人の人として。
自分の夢や目標を叶える為に実現しようと努力している人はカッコいいのだ。
上手くいってる時も思い通りにいかなくて悩んでいるのも含めてカッコいい。
本当に素敵だなと思う。

だから、心の底から応援したいと思う。
大学に行って欲しい高校の先生。
みんなと違う進路。
本当に不安だと思う。

「どっち選んでも正解。絶対大丈夫だから。」

話を聞きながら心の中でずっと励ましていた。

「ここまで自分は口下手なんだな」
と新たな気づき。

大学の頃、口からヨイショ、出まかせが出るから詐欺師と呼ばれてたのが懐かしい。
もちろん犯罪は犯した経験はない。

「本当に応援したい。自分のできることがあれば何でも言ってよ。」
「今の迷ってることもきっとあとで自分のブランドになるよ。」

何かが足りない。
恥じらいも邪魔して上手く伝えられない。

どれだけ自分の言葉に重みがあるだろうか。
どれだけ勇気づけになってるだろうか。
やーやー言ってくる価値観を押し付けるおっさんになってないだろうか。

もし自分が金メダルを取ったアスリートだったら。
もしその子が好きなアーティストだったら。
もし有名予備講師だったら。
もし自分が好きな芸能人だったら。
もし自分が大手企業の社長だったら。

「夢は追いかければ必ず叶うよ」
「私が大丈夫と言ってるから絶対大丈夫だ。私を信じろ!」

そんなカッコいい言葉を自分は生徒にかけているただろうか。
そうすればその子は勇気づけられただろうか。

自分はアスリートでもなければアーティストでも有名予備講師や芸能人でも、ましては大手企業の社長でもない。

「結局は『何を』言うかではなく、『誰が』言うか」
ではないか私は思う。

「コーチはクライアントの夢の第一の信者である」

自分が生徒と関わる時大切にしてる言葉で好きな言葉だ。
自分のコーチングの師匠が言っていた言葉だ。
その師匠も師匠から言われた言葉らしい。

この言葉を自分はどれだけ大切にできているだろうか。
どれだけそれだけ相手に伝わっているだろうか。
考えたって仕方がない。
1人の人間として姿勢で行動で伝えるしかないのだから。
だから、仮にその子が辞めたり卒業してもその気持ちはきっと変わらない。

これはその子だけじゃない。
1人ひとりの生徒にそう思っている。
結局応援するのが好きなのだ。
それに自分も負けてられない。
カッコ悪くても等身大で。

ただこの気持ちはこれからも大切にしたい。
だから忘れないために書いておく。

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