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移住のデメリットを考える

移住や二拠点生活に関心を持っています。
先日、縁あって山梨のぶどう農家さんと、そのご友人にお会いしてお話をお聞きするという貴重な経験をしました。
移住してよかったこともたくさん聞けたのですが、広報誌などには出にくいデメリットの話も聞けたことは、有難い機会でした。

伺ったのは、地域という強固なシステムの中での部外者としての苦労でした。例えば、
・地域ごと数世帯ずつで構成される「組」(町内会のより小さい単位のよう  なもの)の力がものすごく大きい。ゴミ出し、祭り、消防団への寄付など、あらゆることが当然の義務として組み込まれている。「組に入らないならごみを捨てるな」、とゴミ置き場に書かれていたこともあった。
・行事への寄付額の単価が大きい。消防団に1万円、何かの改築のために〇万円など。感覚的には「一桁違う感じ」だった。
・転居して近所に一人で挨拶に行ったら、「組長と一緒に来ない人ははじめてだ」といわれた。
・農地に水を引くための農業用水の管理は、行政の管轄外。水利組合などの地縁団体が管理しているため行政や周囲に聞いてもわからず、管理者の把握が困難だった。
・基本単位は、夫婦と子供。シングル女性は想定外。男性年長者から嫌がらせもあった。
・選択肢が少なく、これは「あの人を通じて購入」など地域の慣例が多い。
・「改革」より「継続」が優先。
・気にしすぎると自分の生活が成り立たないのである程度割り切っている。

こういった地域の繋がりの強さは、今のように行政が管理することになるずっと前から隣近所で助け合ってきた歴史的な背景があってのこととは思います。繋がりありきの暮らしなんだろうなと。
元からいる住民と、よそから来る住民を上手く繋げる方法があれば、双方の不安も薄まり、その後の関係を悪化させずにスタートできる気がします。
受け入れる方からすれば、ルールやしきたりを守ってくれるか不安でしょうし、すぐいなくなるのでは?という懐疑的な思いもあるでしょうし。

もちろん、個人やその地域の特性もあるのかもしれませんが、移住者が直面する困難のパターンを事前に伺えたのは、とても有難い機会でした。正直、そんなこともあるのか、と怖くなった部分もありますが、それでもまだ移住に魅力は感じています。
自然へのアクセスが良いプチ都会に移住し、行きたい時にアウトドアに気軽に行けるくらいがちょうどよいのかも、とも思い始めたこの頃です。


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