プロの女子アメフト選手吉田未央さん〜カッコ良さとその裏にある困難〜
2023/01/18(水)、札幌の「本気のリーダー朝会」登壇者だった吉田さんのお話を聞きました。カッコいい生き方に感銘を受けて、非常に勇気づけられました。それと同時に、深刻な現実を目の当たりにもしました。だから、その時に話を聞きながら取っていたメモと、ネット上で検索して出てくる内容を元に今回はこのnoteを書いています。
noteにすれば、自分が感じ取ったこと、考えたことを共有し、他の人にも知ってもらう出来ます。話を聞いてから時間が空いてしまいましたが、自分としてもまたお話の内容を思い出せる良い機会です。
こんなことを言うのはおこがましいのですが、こうして書くことで吉田さんの思いや活動をより多くの人に知ってもらうという意味では「応援」にもなるのではないか?とも思っていいます。
プロフィール
吉田さんの思い、そしてその裏にある辛い経験
今回のnoteでは、あえてプロアメフト選手である吉田さんの「辛い経験」から入りたい。個人的には、世の中には美しいストーリーが溢れすぎていて、「負の感情を原動力にする」パターンは、なんだか良くないのかな?なんて思ってしまうからだ。
原体験(小中高、専門学校、社会人、選手)
厳しい現実を何度も経験している吉田さんだが、結論から言うとプロアメフト選手として現在活躍しているし、その他の活動にも取り組まれている。そこに至るまでのストーリーを以下で紹介したい。
背中を押されるストーリー
アメフトとの出会いと「圧倒的スピード感」
スポーツトレーナーを目指して関東進学し、実習先でアメフトを選んだことがきっかけで、19歳からアメフトを始めた。実習の帰りにGoogle検索でアメフトのチーム発見すると、「体験させて欲しい」とすぐに連絡をとった。
そこからチームに入り、キャプテンに「半年後のグアム国際試合出る?」と聞かれた際は「はい、行きます」と即答。20歳の誕生日にはグアムで初の試合を経験。さらに上のレベルが知りたいということで、グアムの帰りの飛行機内で、アメリカ行きを決意。
そこからは「三ヶ年計画」を掲げ、愛知の会社で働きながら、大阪のチームで練習するように。その後、初めてアメリカに挑戦。全て手探りで「1人じゃ何も出来ない」という感覚からSNSでの発信、人に積極的に会うように。
吉田さんのアメリカへの挑戦
トライアウト前には、人を巻き込んだがゆえに感じるプレッシャー、不安、恐怖もあった。スポーツ・自分の価値を考え直した時期もあった。「やりたいか、やりたくないか」という自問自答もした。
ユタでのトライアウト後にテキサスから "We love your work, are you coming to the states?" (意訳:あなたのプレーがとても気に入った。アメリカには来るの?)というメッセージが。これが人生で1番嬉しい瞬間だった。即、YES。そして、次の晩にはテキサスに着いていた。
ワクワクと緊張の会場入り。1on1の練習で合否が決まるシチュエーション。人生で一番深い深呼吸をして、2本勝負。その練習後、待ちきれずに「一緒にプレーできるか?」と質問。すると、チームからは「そのためにここに呼んでる。今日ここに来てくれたんだからもちろん。あなたの才能をアメリカで輝かせられるということを非常に誇りに思う。」との答えが。
チャンスを掴めなかった経験
しかし、まさかのビザの手続きが間に合わないという事態に。その絶望感から、2ヶ月間は無気力だったという。そんな中、親友からはこんな言葉が。「お前ってこんなもんだっけ?」
そこからは、その言葉が原動力になって、ユタのヘッドコーチに直接交渉しに。第一希望であった全米1位のテキサスでのチャンスを掴むことは出来なかったものの、元々声をかけてもらった全米2位のユタのチームに舞い戻ることに。「roster utah falconz」の背番号1番としてプレーすることに。
吉田さんの現在の活動内容
笠井康弘の感想
一般的には躊躇してしまうような決断を、勇気を持ってしたからこそ、吉田さんは今の景色を見ているんじゃないかな?と思った。Googleで調べてから連絡するまでのスピードは特に印象的だった。連絡してみないとわからない。連絡しないと実現の確率はゼロのまま。何かやりたいことがあるなら、口に出してみることからでも、始めようと思った。
出来ない理由を考えて頭を抱えることに時間を使うくらいなら、実現したいことをどうすれば実現できるかに頭を使った方が良い。そう強く感じた。
2ヶ月間の無気力の期間の話も個人的には印象に残っている。アップダウンがあって、ちゃんと1人の人間って感じがして、どこか安心した。鋼の心でまるで機械のような人にはあまり惹かれないから。
吉田さんの思い
課題感とその原因:あなたもその一部?
吉田さんの感じている課題感としては、「自分で自分の可能性を閉ざしてしまう」ケースが多いこと。吉田さんのように自ら可能性を掴みに行く行動が出来るのは素晴らしいことだが、それはそう簡単なことではないと思う。自分の中では頑張っているつもりでも、一歩はなかなか踏み出せないこともあるかも知れない。ここで1つ持っておきたい発想は、「その原因は必ずしも自分の中にあるわけではない」という考え方だ。
スポーツを辞める理由の例として、「否定的な身体イメージから来る自信のなさ」が挙げられる。男が筋肉質なのは良い。しかし、それが女性の場合はネガティブに取られてしまう傾向にある。女性の自信のなさのいち要因は「世の中が女性に対して求める姿」によるプレッシャーだと捉えることも出来る。結婚や出産などの変化もあって、世間で言われる「良い母親でありたい」との思いから、一歩を踏み出すことを恐れてしまうパターンも少なくない。
知らず知らずのうちに社会の中で出来上がっているこの「固定されたイメージ」。吉田さんの原体験を聞いて初めて「そんな辛さがあったのか…」と気づく人も多いのではないかと思う。自分はプレゼンテーションを聞いた時に、個人的に経験したことの無い内容ではあるが吉田さんの中での「歯がゆさ」「やるせなさ」といったニュアンスを感じ取った。そういった思いが社会で知られていないこと、「個人の無知」が誰かの「諦める理由」しまうことは大いにあると思う。一見「システム上どうしようもない」と思われることでも、ひとりひとりがその「辛さ」を知る事で、変化は起こせるはず。
進む男女の機会均等
少しネガティブな内容が続いてしまったが、ポジティブな動きもある。
アメリカではこうした法的な枠組みの助けも相まって、女子スポーツは奨励されている傾向にある。「スポーツから人生のやりたいことが見つかる!」という共通見解もあるようだ。豆知識にはなるが、世界の女性CEOは幼少期にスポーツを経験している場合が多いらしい。このような内容(↓)も更に浸透していくと、女子スポーツだけではなくて、スポーツ自体への目線も変わってきそうだ。
女性の挑戦する姿
残念ながら、日本での女子のスポーツ離れは著しいが、吉田さんの「女性として挑戦する姿」を見て、挑戦を後押しされる人が増えていけば、今の「常識」も少しずつ変わってくるはず。そして、「スポーツの価値」ももっと広がっていくはず。
女性だから、マイナースポーツだから、スポーツはお金にならないから…。色々と障壁はあるかも知れない。ただ、吉田さんがプロアメフト選手になるまでのこの経緯を見れば「やろうと思えば実現出来る」と感じられるのではないか?と感じた。
「夢を実現する姿」は、「女性だから出来ないなんてことはない」「マイナースポーツも広がる」「プロとして生きていける」という多くのメッセージを放っていると思う。それと同時に、「吉田さんが夢の実現までに体験してきた困難」にもスポットライトを向けている気がする。それは自分にの目には、社会に対してのある種の「問題提起」にも写っている。
音楽アーティストが社会風刺的な歌詞で歌ったりするのと同じように、スポーツ選手も人々に勇気を与えるだけじゃなくて、強いメッセージを発信している人たちなんだと感じた。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
また次回のnoteでお会いできるのを楽しみにしています👋
僕のnoteを読んでくださって、ありがとうございます!お金という形でのご支援に具体的なリターンを提示することは出来ないのですが、もしサポートを頂いた際は、僕自身の成長をまたnoteを通して報告させていただけるように頑張りたいと思っています。