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ごはんについて書くための習作47

乗ってしまえば列車の外観は見えないけれど、青い車両に乗りたかった私は打ち合わせより1時間早く着くロマンスカーを予約した。ゴールデンウィークの休日に挟まれた平日。「月曜日と金曜日を休んだ人は10連休になります」の金曜日。息子の幼稚園がカレンダー通りだったので、私も午後、仕事の打ち合わせを入れていた。場所は下北沢。

いつものように朝、幼稚園のバス停まで息子を送り届ける。同じバス停の3家族は月曜日も今日も休まず。バスはいつもの半分以下の幼児。
11:30のロマンスカーを予約していた。送り届けてすぐに作業を始め、今日中に済ませたい音楽の納品と、いくつかの画面デザインを終えたのが11:00前。ロマンスカーの中で昼食を済ますために急いで駅に向かい、昼食を調達する。
スターバックスで甘いフラペチーノ、パン屋でサンドイッチとチョコチップとマカダミアナッツが入った硬いパンを買った。パンのケースとレジが少し離れていて「マカデミア」か「マカダミア」か、分からなくなって上手く発音できなかった。そして、昼食に甘い飲み物はあわないし、溶けてしまうので昼食の終わりを待ってくれないフラペチーノ。

久しぶりのMSE。座席の背が思ったより斜めでゆったりしている。一駅ほど乗ったところで、前に座っていた人がシートをわずかに倒したままだったということに気付く。空いている車内、知らない人が同じ席に座っていたことが気持ち悪く感じる。
いつも買っているフランスパンに挟まれたサンドイッチがなくて、食パンのサンドイッチを買ったので、細かいパンくずが膝に置いたリュックのメッシュ部分に入る。座席の肘掛けから出すタイプのテーブルは使わない。

このテキストはロマンスカーに乗りながら書いているのだが、駅舎に停車する際の暗さと、走行中の外との光の差に合わせて、ディスプレイの明るさを手動で調光している。画面の明るさの自動調整は使わない。

ロマンスカーの到着を10分ほど駅で待ったために、すでに溶け始めていたフラペチーノを窓際に置いてある。サンドイッチを食べ終えたころにはもう一つのパンに「マカダミアナッツ」が入っていることをすっかり忘れていた。フラペチーノ越しに友人らと行ったことのある管理釣り場が見えて、なんとなく良い気分になったところで、そのもう一つのパンをかじって「マカダミアナッツが入ってる」となってさらに気分が良くなった。
そのままロマンスカーは小さな橋を渡った。河川敷から小さな子供がマカダミアナッツをかじる私を乗せた青いロマンスカーに手を振っていた。ちなみに朝の幼稚園バスでは、私たちがバスに向かって手を振って見送っている。

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