ごはんについて書くための習作49

一昨日、息子が幼稚園の遠足行った富士サファリパークでライオンの赤ちゃんを模したぬいぐるみを買ってきた（買ってもらってきた）。そのぬいぐるみの四肢に朝からペッドボトルのキャップを付けていた。世話をしているらしい。私の方が少し起きるのが遅い。

息子を幼稚園のバスに乗せ、朝食時に飲み切らなかった冷めたコーヒーをグラスに移して氷を入れた。幼稚園バスを待っている時の空が晴れていたので、久しぶりに熱海に借りているシェアオフィスへ向かう。月末に友人らと熱海からフェリーで行ける初島へ釣りに行く予定があるので、なんとなくフェリー乗り場を見ておきたくなったのもある。
東海道線の下り列車。天気の割には人が少ない。駅を降りても天気が良いのだが、駅前にも人が少ない。海にすぐ出れる道を下る。ザ・パーフェクトウェザー。暑すぎず寒すぎず、急な下りの階段に木漏れ日。山際のホテルに覆いかぶさりそうな木々。伸び切った椰子の木。それでも人が少ない。

昼食はいつも通り駅前の商店街にあるパン屋でパンを買った。消毒をした左手にトレー、右手にトングを持つ。久しぶりにきたがパンの配置は変わっていない。迷わずクリームチーズと蜂蜜の塗られたフランスパン、クロワッサン、生ハムと豆乳クリームのサンドイッチをトレーに乗せた。
午前中にすべき連絡とミーティングを終えた正午前。赤い縦長のロッカーに置きっ放しになっているサンシェード付きの椅子が入ったトートバッグを持って、初島行きフェリー乗り場の方へ歩き出す。少し来ない間にいくつかの建物が綺麗に塗り直されていたり、居酒屋のハイボールを薦めるポスターが綺麗になっていたりした。夏が近い。

12:30発のフェリーの乗船アナウンスが聞こえる。フェリーの乗船案内も滞りなく行われていたので、そのままフェリー乗り場を過ぎ、少し先にある釣り公園に向かう。前にきた時は災害復旧の緊急車両置き場になっていて入れなかった。今日も入口には「一般車両侵入禁止」という立て看板と警備員が見える。「私は車両ではない」という前提で道路脇の歩道を進もうとすると警備員に挨拶をされる。挨拶を返す。車両ではない私はすんなり通過。

海に向かう公園の手すりには何本もの釣竿が留められている。おそらくアオリイカを狙う人たちだろう。糸の先には活きたアジがついているはず。5〜6人はいるだろうか、釣り人の間で椅子を組み立てる。
ザ・パーフェクトウェザー。完璧な日除けを施された椅子と、パンと、まだ誰も釣れない堤防。私の左の釣り人とその釣り人の左の釣り人の糸がからんでしまって、仕掛けを回収している。やはりアジが付いている。絡まりを解かれ、改めて海に投げ込まれるアジ2匹。
私の右の釣り人のウキが目の前に流れてきたので眺めている。久しぶりに食べる甘いクリームチーズのパンのクリームチーズが服に落ちて、払おうとしたが逆に擦り込むことになってしまったが、白いTシャツなので目立たず、ここにクリームチーズが擦り込まれていることは私しか知れない。

3つのパンを食べ終わり、駅の成城石井で買ったお茶も飲み終わり、読みかけの本も読み進めたが、左右にいる釣り人は誰も釣れていない様子。念の為、InstagramとTwitterで「熱海港」と検索するものの、誰も釣れなかったので椅子とサンシェードを片付けた。