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見え方の加齢変化(1) 青と黒が区別できないのはなぜ?

多くの人は、歳をとると、近くのものが見えにくい老眼になります。水晶体の弾力性が低下し焦点合わせ機能が低下するためですが、老眼は40歳を過ぎた頃から始まり、60歳になると顕著になってきます。このあたりで気を付けたいのが、色を見る能力の変化。

「紺と黒の靴下を左右色違いではいてしまったわ~」

原因は水晶体の黄変です。加齢により水晶体から透明度が失われていくためです。黄変したり混濁すると波長光の透過率が低下します。その結果、網膜像の質低下や光の散乱が発生し、なかでも「青色」が暗くみえてしまう現象が起きてしまいます。

そもそも色とは電磁波。ラジオ波や電子レンジと同じです。つまり電波、赤外線、紫外線、エックス線、ガンマ線と一緒。そのなかで人が見ることのできる範囲を可視光と呼びます。

可視光は、380~780マイクロメートルで、380㎛近辺の短波長域から赤く見える780㎛まで、青紫、青、緑、黄色、橙、赤の順に色が変化します。

色の弁別機能には個人差はあるものの、加齢によって赤紫系と青緑系の低下が著しくなると言われています。

さて、水晶体の黄変ですが、これは水晶体内のたんぱく質分子量が加齢により増加することで発生し、黄変していきます。さらにその粒子が多く作られるようになると白内障となります。

つまり、加齢変化は老眼や、青が暗く見えるようになるだけでなく、視力低下や色弁別感度をもたらしますし、加齢黄斑症や白内障にもつながります。まぶたの筋肉が落ちて眼を覆い、視野が狭まることもあります。

いずれにしても、青と黒の見分けがつきにくくなったらご用心。眼科で診てもらうことをおススメします。

黒い靴下、黒スパッツに紺色の運動靴、見分けがつく方は大丈夫♪