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知らぬが仏で信じ込むことで幸運を招き起死回生のホームランも打てるという話の【後編】

さて、前回の続きになりますが、売上不振で退去させられる寸前となっていたホテルの売店コーナーを、どうやって売上を上げて立て直せばいいのだろうかと頭をひねっていたら閃めきましたよ、ナイスなアイデアが降りてきました。🤗😇

もし前編の話をお読みでなかったら、まずこちらからご覧くださいね。^^


で、何とかしようと考え抜いた挙げ句に思いついたことが、お土産品の荷造り・梱包を積極的に引き受けてみようという、ものすごく平凡、ものすごく単純でシンプルなことでした!😓

ただ、お土産品の荷造り・梱包や地方発送を引き受けるだけじゃなく、引き受けて地方発送する段ボール箱の空いているスペースを有効に活用するという秘策も立ててみたんですね。(^_^)b

これがどういうことかというと、購入いただいたお土産品がたとえ自分の店の品物でなくても、段ボール箱に詰め込んで自宅へ発送することをオススメすれば、その箱の余ったスペースを埋めるのに、竹コケシも追加購入が見込めるのではないかっていう、閃めきがあったわけですね。^^

その観光ホテルの売りは、ジャングルを演出した大きなホールでポリネシアンショーやハワイアンダンスを観ながら食事をするというもので、売店での売上を確保するために、ハズレ無しの抽選会を実施していたんですよ。🤗

夕食後に配られた抽選券を手に、アロハシャツや浴衣姿の宿泊客がショッピングアーケードの一番奥にある抽選会場で、ガラガラぽんをやって、ハズレ無しの景品をもらえるという仕掛けでした。

そうやってショッピングアーケードの中を、宿泊客の全員が必ず通るように仕向けていたんですよね。(^_^)b


当時のショッピングアーケードのお客様は、ほとんどが宿泊客で新婚旅行ブームと団体旅行ブームで宿泊している、新婚さんと団体さんが圧倒的に多かったのです。

それも鹿児島観光のお決まりの観光コースが、私たちの宿泊地で終わる人や旅程の後半にかかっている組と、旅行コースの最初に立ち寄った人たちとが混在していたものの、後半組のほうが多かったんですよ。

その中でも新婚さんというのは、仲人さんへのお土産や家族・同僚たちと購入しなくちゃいけないお土産品が相当の人数分になるものだから、どうしても購入するお土産品が多くなってしまうわけです。(^_^)b

だから購入するつもりで物色する売店コーナーを、品揃えの豊富な大きい規模の売店コーナーにしがちだったんですが、どこの売店コーナーも地方発送を面倒がってやりたがらないのです。😥

たくさん購入してもらった後に地方発送をお願いされても、露骨に嫌そうな態度で渋々受け付けるわけですよ、売ったあとは次のお客様に早く接客してノルマを達成したいものだから・・・・。😓

そういう実態をみていていつも疑問視していたわけですが、そのことが閃きになって降りてきたのです。😇

他の売店コーナーがみんな嫌がることを、逆に喜んでやってみようと考えたわけですね。(^_^)b


それで早速「お荷物発送、承ります!」と大書きしたポップを作って見本として並べてある一番大きな竹コケシに突っ込み、竹コケシをポップ立て代わりにしてアピールしながら店頭に置いてみたんですよ。(^_^)b

言ってみれば逆転の発想みたいなものですが、どうせ誰かがやらなきゃいけないことなら、嫌々やるのではなく、笑顔で喜んでもらえるような対応をしたほうが絶対に良いよねと、そう覚悟を決めたわけですね。🤗

すると、そこから起死回生とも言える異変が起こったんです!

もっとも売れている売店コーナーは、人気のある高額商品のお土産品を扱っているものだから、少量多品種購入で手間ひまの割に売上金額がそこそこの新婚客の数量買いや、団体さんの冷やかしついでの買い物を嫌うわけです。

おまけに購入したお土産品を、自宅や会社に送ってくれと依頼されるのを極端に嫌がるわけですよ、面倒くさい梱包作業や発送所持ち込みなどの手間ひまが伴うものだから。😓

特に高額のべっ甲製品や大島紬のコーナーの担当などは、露骨に私らは荷造り係じゃないんだよね・・・・なんて口に出すし、荷造りしている間があったら少しでも多くのお客さんに接客して高額品を売りたいわけですね。

ハタから見てもそんな態度がありありなんですよ。😅

よく旅の恥はかき捨てというけれど、売るほうも観光で来た購入客に2度目3度目のリピートなんて期待もしていないから、ぞんざいな接客態度がまかり通っていたわけです。😨

そんな状況の中で私たちの売店コーナーは人気も無く、閑古鳥が鳴く始末で人だかりもしないのでますます寄り付きがたくて、ヘタに近寄ると売りつけられるぞと警戒され、いくら接客を良くしようとしても、お客様は遠のくわけですね。😓

まぁそういう現実があったから、どんなに頑張ってもなかなか2倍以上には売上も伸びなかったわけですけどね。🤣

そこで起死回生のホームランになりそうな、例の施策を打ち出すことになったのです。🤗


まずやったことは、他の売店コーナーでたくさんのお土産品を買ってお部屋に戻ろうとしているお客様に、にこやかな顔で声をかけることから始めたわけです。

例の、地方発送承りますのPOPを示しながら「よかったら、お荷物お送りしましょうか?」っていうように笑顔で声かけするのです。モシモシ\(^.^)

声かけをしてあげると、大半の方は喜んで近づいて来てくれるんですね。

近づいてこられたお客様に、ポップを示しながら「お荷物の発送を承りますよ」と繰り返すと、ではお願いしますとなって、購入してこられたお土産品をショーケースの上に置かれるわけですね。😄

そこからは配送伝票に記入してもらいながら、配送物の量に合わせて選んだ大きさの段ボール箱を組み立てるのですが、ここでポイントとなるアピールをするのです。(^_^)b

組み立てた段ボール箱の中にお土産を詰め込みながら、発送する荷物の量に合わせた段ボール箱の、空いているスペースを指し示して、空き空間の有効活用の話をお伝えするわけです。

お土産と段ボール箱との容量差から生じているスペースを活用して「お部屋にある、もう使わない着替えやお土産なんかあったら、まだ入りますのでお持ちになりませんか?」って伝えるわけですね。(^_^)b

そう声かけしてあげると「えぇッ?そんなのも送ってくれるわけ?」という反応が返ってくるので、すかさず「はいッ!喜んで!」なんていうやり取りをした後、喜び勇んですっ飛んでお部屋に帰られるのです、荷物とりに。😄

そして部屋にある、もう着ないだろう着替えや、旅の途中で買い込んでしまった土産品をこれでもかと両手で抱えて、引き返して来られるついでにほかの荷物を抱えたお仲間も一緒に連れて来られることが多かったのですよ。🤣

おいッ!用済みの荷物を送ってくれる発送所を見つけたぞッ!」ってなことを言って、お仲間を連れてくるわけですね。🤩

するとどうなるかと言えば、誰もが通り過ぎていた不人気極まりない売店コーナーにたちまち人だかりができて、何やらお土産品やら手荷物などをショーケースの上にたくさん並べて順番を待っているお客様たちで、一気に繁盛店並みの売店コーナーに大変身してしまうわけですよ。🤣

売店コーナーの中では、私たち夫婦が楽しそうにお客様とやり取りしながら忙しく荷造りしている姿も相まって、活気ある売店コーナーに早変わりするわけですね。😲

その一見して繁盛しているようにしか見えない光景を、見てしまったというか見せられてしまった行きずりのお客様たちは、何ごとが起こっているのかと気になって仕方がないと思うのですよね。🤔

このまま黙って通り過ぎたら、何かもらえる物がもらえなくて損しちゃうんじゃ無いかと、不安になっていそうなのがお客様たちの表情からも読み取れるのです。

いわゆる、機会損失の回避行動に奔るわけですね。(^_^)b

そこで、たまらなくなって首を突っ込んできて、尋ねるわけです。😳

先客である、私たちとやり取りしているお客さんに聞くわけですね、ここって鹿児島名物なんですか?とか、コレ買われたんですかとかって情報を集めるわけですね。(^_^)b

竹のコケシを何も買わずに、発送だけを依頼していた先客のお客様もここでハタと気がつくわけですね、そういえばこの売店コーナーの竹製コケシを1つも買っていなかったことに・・・・。😓

まぁね、竹コケシなんて誰も知らないですから、マイナーすぎて・・・。😂

すかさずこちらは、荷造りの手を忙しく動かしながらも例の孟宗竹の由来を熱く語り、かさばるから地方発送がオススメで、こんな風に空いたスペースに不要になった着替えやお土産品を詰め込めますよ、とアピールですよ。

それを聞いた新規のお客様は 😲オオ! っとなるわけです、ちと残念だけど竹のコケシなんかより、旅程の後半で手荷物を減らせるという地方発送に魅力を感じて反応する、っていうだけのことなんですがね。🤣

もうその辺になると、何も買わずに地方発送だけを依頼されても集客効果があるので、私たちにとっては大きなメリットなんですね。

でも私たちの売店コーナーが、他と同じような売店コーナーであることに途中で気づいてしまったお客様のほとんどが、申し訳ないからとお情け買いをしてくださるわけです。😓

おまけに通りすがる新規の他のお客様たちに、セールスまでしてくれるわけですね。

これは強いですよ、なんと言ってもクチコミ効果ですから信用抜群ですよ。

しまいには、そうやってお客様が他のお客様に売り込んで成約すると、オススメしてくれたお客様と目と目で合図して、ニンマリ微笑んでしまったりと一体感が湧き上がってチーム意識までが漂うのです。😂


あとは、次から次へと連鎖して同じ事の繰り返しのように、またすっ飛んでいくわけですね、お部屋に。

そして相方や同僚や旅行仲閒を引き連れて、たくさんの荷物とともに帰ってくるわけですよ、うちの売店コーナーに。🤣

もうそうなると、うちの売店コーナーは竹製コケシの売店というより、ほんとに地方発送承り所に大変身ですね。😓

もちろんホテル指定の専用発送所は別の所にあるのですが、買った店やその近くで始末したいと考える人がほとんどで、わざわざホテルの発送所に持ち込む人も少ないのです。

そもそもホテルの発送所というのは、各売店コーナーから荷造りして伝票をそろえて持ち込まれる発送品の受付がメインだったから、お客様向けの受付カウンターなんてものが存在しないわけですよ。😓

そういうこともあってホテルの専用発送所は、お客様が直接持ち込む用途としてはあまり使われていなかったのですね。


おまけに荷造りや地方発送の手続きが面倒で、自分たちで受け付けたくない売り場の店員さんらが、お客様に地方発送を頼まれるとすかさず言うようになった言葉があるんですよ。(^_^)b

あ、お客様!ここの端っこのコーナーで地方発送をやってくれますよ!」って、自分たちに依頼されたはずの地方発送の話を、勝手にこっちに振るわけですね。

それも、さもうちが発送受付所であるかのように、勘違いさせてですよ。😓

でも狙っていたことなので、それを大歓迎というように、笑顔で快く引き受けるわけですね。(^_^)b

要するに発送をやりたくないほとんどの売店コーナーが、言わば営業窓口みたいなものですよ。

他の売店コーナーも喜び、うちも助かる(労力は大変だけど)し、お客様からはもっと喜んでいただき、ホテルとアーケード全体の売上も満足度もこれまた向上するといった、三方良しどころか四方良しですもんね。(^_^)b


そうやって引き受けた発送ですが、段ボールの空いたスペースに他の売店で買ったお土産物を笑顔で詰め込んであげてるうちに、お客様はココが地方発送所じゃなく竹コケシの売店コーナーだったと思い出すわけですね。

当たり前といえば当たり前なんだけど、最初は気がつかない人、多かったですね・・・。🤣

気づいたら言い出すんですよ「発送だけ頼んじゃ申し訳ないね、なんか悪いから、その空いたところに収まるものって、何か無い?」なんてことを。

こちらも「いえいえ、ムリしなくても大丈夫ですよ・・・でも、オススメするとしたら、これですかね・・・。😊」なんて返すわけです。

で、その結果は、はい!
ほとんどのお客様にお買い上げいただきました!ヘ(^o^)/

お互い様で気分良くコミュニケーションが取れるていると、荷造り梱包や発送手続きを待っているお客様が手持ち無沙汰と、手伝いたいという意識から通りすがりの宿泊客に声かけしてくれることもあるんですよ。

団体旅行の仲閒が通りすがるなんてときにはむりやり引っ張り込んで、積極的にオススメしてくれるし、現にこうやって発送してもらっているよと事例付きで勧誘するわけですから、コンバージョン率が半端ないのですよね。🤩

いわゆるこれ以上無い強力なクチコミ効果で、紹介販売の図式が成立していくわけですね。

そうやって連鎖式に、団体旅行のお客さん仲閒に一巡りするわけです。😂

そうやって関係が築けると、翌朝の出発前にわざわざ挨拶に来られるお客様も多くなり、ついでにもう一品買っていただけたり、もう1箱追加で発送するなどもあって、ものすごく楽しい商売になってきたんですよね。(^_^)b

こういう経緯をたどって、他の売店コーナーが嫌がる地方発送を喜んで引き受けるようにしてから、低迷続きだった売店コーナーの売上は引き継いでから3倍増、4倍増、5倍増と増え続けることになりました。🤩

引き継いだときの売上金額から、3倍増の売上になるまでに要した期間は半年くらいでしたが、その後の1年ほどで一挙に5倍増の売上にまで到達できたんですよね、それも人が嫌がる地方発送を喜んで引き受けたおかげで。🤣

私たちの売店コーナーは退去宣告を受けた後に、そのまま残留することができた例外になったわけですが、実は退去の決定を撤回してもらったことを知らされたのは、着任半年後の3倍増になった頃だったんですよ。😲

ええぇ~~~ッ!
ってビックリ仰天でしたが、ともかく退去せずに済んだという安堵感でヤレヤレと胸をなでおろしました。

退去の期限が来ているのに、何も知らずに頑張っている新婚夫婦の姿が可哀想だと思っていたらしい支配人も、売店コーナーの売り上げが右肩上がりにぐんぐん伸びているものだから、再検討してくれたのだと思いますね。🤔

ぎりぎり退去の期限前に、ホテルのオーナー経営者に支配人が相談してくれたらしいのですね、何とかならないだろうかと厳しいことで有名なオーナー経営者に、異例の相談をしてくれたらしいのです。(^_^)b

それもあって損得勘定の厳しさと、いったん決定したことは変えないという評判があり、地元の経済界でも睨みを利かしている高齢のオーナーも、お客様に紛れて視察にこられたけど、こちらは視察の理由も知らずにただ対応しただけでした。

なにしろオーナーは高齢なものだから、地元経済界のドンといっても何を語っているのか、口をゴニョゴニョ動かして喋る言葉が、いっこうに聴き取れないのですよ私には。

って、ふつうの人には聞き取れないような、ゴニョゴニョなんですよね。😓

それを生活の世話まで担当している年輩の女性秘書が通訳してくれて、いろいろ売上アップに寄与したアイデアのこととか、接客業としての心得などを質問されるまま熱っぽく語ったのです。

高齢のオーナーからの緊張する質問攻めは10分くらいで終わり、そのままホテル内の特別室にお帰りになったんだけど、この後に鶴の一声で売店コーナーの残留が決定したらしいのですよ。🤗

知らぬが仏とは良くいったもので、何も知らないから緊張はあっても割合平常心に近い形で対応できたし、そんなに崖っぷちに立たされているなんて知りもしなかったですからね、その時点では。🤣

決定していた退去を撤回してもらえたのは、顕著な売上増加だけではなくて私たち夫婦の売店コーナーや接客に対して、ホテルの客室に備えてあるアンケート用紙に書き込まれた多くのお客様からの感謝の声だったらしく、そのことが決定打になったようですね。😆

そうやって知らぬ間に退去話が立ち消えになり残留できたのも、お客様からの嬉しい置き土産のアンケートだと思うと、本当に起死回生のアイデアだったとつくづく思うわけですよ。(^_^)b

退去が撤回されるまで何も知らなかったとは言え、退去せずに済んだことは本当にありがたいことでした。🤗

あとから振り返って、アンケートを残してくださったお客様にも、支配人からの相談に応えていらだいたオーナーにも、また嫌がって発送を振ってきた他の売店コーナーの皆さんがたにも、心から感謝したい気分でしたね。

こうやって昔を振り返りながら書いていても、ホントに、おかげ様でしたとお礼を言いたい気分です。😆

あとからこうやって当時を思い返すと、首の皮一枚で繋がったんだなぁ・・・・としみじみ安堵感を感じる際どいエピソードでしたが、期待されたように起死回生の一発大逆転の結末でもなかったので申しわけなかったですね。🤣


でもこの話をまとめると、そのエピソードを通してつくづく考えたことがあるんですよ。

退去宣告を受けたことを何も知らなかったから、がむしゃらに頑張れたんだろうし、掲げた売上目標を達成することを信じて頑張ったから、目標とした結果が出せたのだろうし、それがあったから退去宣告を撤回してもらうという知らなかったことが、状況を変えるパワーになったということです。🤗


もちろん多くのお客様からいただいた、ありがたい応援があったればこその話なんですが。(^_^)b

知らぬが仏で道が拓けることもある!
信じ込むことで生まれるパワーもあり
信じて突き進むことで得られるご褒美もある!

ということですかね。🤗



ってことで、今回は
知らぬが仏で信じ込むことで幸運を招き起死回生のホームランも打てるという話【後編】」という知らぬが仏で助かった昔話の後編でした。(^_^)b
※見出し画像のイラストは、メイプル楓さんからお借りしました。


では!

ごほうびも  知らぬがほとけ  のほほんと


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