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[この本の98%はムダです!]自分が読んで楽しくないものを他人が読んで楽しいと思うかい?


まず、はじめに言わせてください。

つべこべ言わずにこの本を買ってくれ!

この記事で言いたいこと。それは、この一言に付きます。まぁ、まずはカートに入れていつでも買えるようにスタンバイした上でこの先を読み進めてください。


何だこの役に立たない本は?

さっき今すぐ買えと言った本の感想が、「役に立たない」というのはどういうこっちゃ。と思われるかもしれません。それは、誤解ではありません。

試しに、Amazonのカスタマーレビューを見てみましょう。

まず最初に、私はこの本を最後まで読んでいません。
途中で読み進めるのがあまりに苦痛で、そして得るものが無いと判断したからです。
内容に期待せずに、時間を潰す目的なら3かな。読むターゲットを想定しないとか、日記かよと。
本筋とは関係がない、一人遊びや、一人ボケツッコミが多くて、読むに耐えない。返金して欲しい本を買ってしまったのは久しぶり。
「俺は電通に採用されたんだぞ、どーだ」と言わんばかりにプノンペン・ジョーなどという作り話(=虚偽)まで紹介している。軽薄ではすまされない。


ちょっと

そろそろ腹筋が崩壊しそう

なので、カスタマーレビューの紹介はここまでにしておきます。あ、紹介したレビューはすべて星1です。


あ、ちょっと待って下さい。今、この本のこと、もっと言えば、著者のヒロノブさんのことを軽蔑していると思った方。

それは圧倒的な間違いです。

私は、過去にこんな記事を書きました。

「絶対に正しいことなんてあるのか。」という記事です。

結論としては、そんなものはないというものでした。しかし、物事には例外がつきもの。この理論には一つだけ例外があります。それは、私は「絶対的に」ヒロノブさんをリスペクトしているということ。


はい、それを了承していただいた上でこの本を紐解いていきましょう。まずは、「役に立たない」というところ。これは、私の言葉足らずでした。申し訳ありません。こういう言葉足らずのおかげで、SNSでどれだけの諍いが起きているのか。それを考えるといくら反省してもしたりません。

正確に言うと、この本は、「具体的なテクニックは教えてくれない」ということです。つまり、

「表面的に見ると役に立たない」

という表現のほうが正しいのです。

このことは、ほんの冒頭部分にバッチリと書かれています。

本書は、世間によくある「文章テクニック本」ではない。
ー 読みたいことを、書けばいい。p.4

そうです、決してテクニック本ではありません。この本は、

「自分が読みたいことをかけば自分が楽しい」という原理

について書かれた本です。


ここで、突然ですが、著者の田中泰延さんをご紹介したいと思います。本書の中にも「多くの人にとって大事なのは、何が書いてあるかではなく誰が書いたかだ。」という趣旨のことが書いてあります。どこの馬の骨やらわからない人間の書いた文章よりも自分が尊敬しているおじさんが書いた文章のほうが読みたいでしょう。

いくつか、ヒロノブさんの事が分かる記事を貼っておきます。一度読んでみて、それから

必ず戻ってきてください。ヒロノブワールドに捕まってはいけませんよ。


ヒロノブさんと同じくコピーライターだった糸井重里さんとの対談。非常にメチャクチャです。


ヒロノブさんは、「写真者」としても活動されています。惚れますよ。お気をつけてください。


ヒロノブさんのnoteです。このサムネどうなってんだろ?


私が、ヒロノブさんのことを知ったのは、ツイッターでのことでした。ある日突然、どなたかがヒロノブさんのツイートをリツイートしてくださり私の目に止まりました。その文体は、非常に自由でありながら示唆に富み、なにか芯のようなものを感じました。そして、プロフィールページにお邪魔してフォローさせていただいたわけです。

そこから、私のタイムラインはおじさまたちであふれるようになりました。小学生の心を持ったおじさまたちです。ふざけているように見えて、メッチャ優しくて、それでいて、自分というものを持っている方々とつながることができました。

他のおじさまたちのお話はひとまず置いておいて、ヒロノブさんの話にしましょう。

ツイッターで見かけたときは、25歳位の方かなと思いました。

文体も軽やかですし、アグレッシブだったからです。でも、やたらと少し昔のネタが多いなと感じていました。まぁ、昔のものがすきな若者なのだろうと思っていたわけです。

しかし、私は、前述のSEINの記事を読んでしまいました。そこには、堂々となんか変なのを持ったヒロノブさんの御姿が写されていました。え、え、え今までの常識がすべてひっくり返るくらいの衝撃。勘違いだ、これは別の人だと思った私は、googleで「田中泰延 画像」と検索しました。

スクリーンショット 2021-05-27 8.56.21

疑いの余地はなくなりました。あと逃げ道があるとするならば、Googleの検索結果は陰謀だ!ということぐらいです。でも、それも考えにくくなりました。写真に写っているヒロノブさんはただのおじさんではなく、「おちゃめな」おじさんだったからです。どの写真もそうでした。私は、これこそがヒロノブさんだという結論にたどり着いたのです。

それは、きっとコロンブスがアメリカ大陸を発見したときと同じくらいの衝撃でした。かくして、新時代は幕を開けたのです。


そして、ヒロノブさんの毎日の大量のツイートを楽しみにする日々が始まりました。本当にものすごい数のツイートです。どこからその言葉が湧き出てくるのか、源を突き止めてちょっと分けてもらいたいぐらいです。源を分けることなんてできるのでしょうか?

あ、ちなみに現在(5月28日 5時41分)のヒロノブさんのこのツイッターアカウントは「裏垢」となっているようです。(言っていることがコロコロ変わるのでおそらく今は違うことをおっしゃっていると思います。)いつから裏垢になったのか知りませんし、裏垢のフォロワーが6.4万人もいるってすごすぎるし、なにより本アカが見つからないので、このアカウントが本垢として扱われています。もし、ヒロノブさんの本垢を見つけたらご一報ください。


ちょっと、ヒロノブさんの尺が長くなりすぎましたね。この段階で2000文字を軽く越えています。書くのが楽しすぎてキーボードがカタカタいっています。


そして、この本を読み解くにあたってもうひとりの重要人物がいます。それは、今野良介さんです。今野さんは、この本の編集者の方です。

この本は、今野さんがヒロノブさんに超長文のメールを送ったところから始まったと本文中に書かれています。その全文が載っているわけですが、情熱を感じる文章です。今野さんなくしてこの本は完成しなかったと言っても過言ではないでしょう。

編集者というのはあまり本を読んでいて意識することはありません。巻末の発行日とかの部分に小さく、編集担当として紹介されているだけです。でも、編集者の思いや考えというのは本というものに確実に反映されます。

今野さんと出会って初めて、「編集者が誰かというのを気にして本を選ぶ」ようになりました。


かっこよすぎませんか?(お顔のことじゃないですよ。あ、お顔もです!)こんな思いで出版された本が人の心に響かないはずがない。そう思います。



そんな素敵な編集者さんと素敵な書き手さんの手によって書かれた本が面白くない訳がありません。

ようやく、この本の内容に入っていきましょう。

この本の特徴をお教えしましょう。それは、

あっちに行ったりこっちに行ったり。でも、一貫している。

コラムのほうが実用的。


この2つだと思います。ヒロノブさんがこの本で伝えたいこと、それは「自分が読んで面白いと思えるものを書いてほしい」ということです。すべては、この結論にたどり着くために書かれています。

でも、その一貫している部分にたどり着くまでに無駄な部分が98%あります。(当社調べ)つまり、2%のことを伝えるために98%のガラクタで装飾しているということです。

しかし、この98%は無駄ではありません。いや、無駄でした。でも、ここに本質が隠されています。この

98%の無駄な部分こそ、ヒロノブさんが書きたかったこと

なのです。自分が書きたいことを書いているなというのをひしひしと感じます。そしてそういう文章は読んでいる人にとっても面白いのです。

もし、この本に98%の無駄な部分がなかったら私はこの本を買いません。なぜなら、そんな本面白くないからです。ヒロノブさんが書きたいことを書いているわけではないからです。つまり、この98%の部分こそこの本をこの本たらしめているということです。無駄なものが必ずしも不必要だとは限りません。


そして、コラムのほうが実用的だという点。普通、コラムというのは小話みたいな感じで読み飛ばすことが多いかと思います。しかし、

あなたがこの本から何かを得たいのであればコラムだけを読むべき

なのです。このコラムには「広告の書き方」「履歴書の書き方」などが書かれています。

おそらく普通の実用書として出版するならばこの部分を切り取ってもう少し真面目に書いたほうが売れるでしょう。そうすれば、冒頭に紹介したような酷評はなくなるかもしれません。まぁ、そんな本、他にあるからヒロノブさんが書かなくても良いんですけどね。

あ、ちなみにヒロノブさんはこの本がAmazonで中古で1円で売られることをとても気にしておられるようなので、やめてあげてくださいね。


書くことは世界を狭くすることだ。

これは、この本の中に登場する言葉です。この言葉を見たときとてもハッとしました。というのを入力すると、法度しましたと変換されました。

それは置いておいて、なぜハッとしたのか。それは、今まで

私は書くことで自分の世界が広がるという感覚があったから

です。書けば書くほどどんどん自分の世界が広がっていく。そんな漠然とした感覚がありました。

でも、論理的に考えてそんなことはないということに気付かされたのです。私たちの身の回りにはたくさんのことが同時に起きています。小さな生き物が死にまた生まれているし、空気は循環しているし、地球は自転と公転をしているし、川は高いところから低いところへ流れていきます。きっといろんな音だって聞こえるでしょう。

それらを言葉にしていなければ、範囲を狭める必要はありません。意識しているにしろしていないにしろすべてが有るからです。

でも、実際に言葉にして「書く」となると話は違ってきます。すべてのことをそのまま書くことなんてできません。今の状況を描写するにしても、自分の書きたいことにあったことだけを「選んで」います。「編集」しているのです。

すると、世界は必然的に狭くなります。この文章だって、「読みたいことを、書けばいい。」という本のほんの一部しかご紹介することができませんし、一語一句同じように書いたらそれは、丸パクリです。

いやぁ、上手いこと言った。どこの部分か分かりますか?(内緒話:「本のほんの一部」っていうところですよぉ。)

そう、私たちは、『「書く」という行為によって世界を狭くしている』のです。

自分が書きたいことを書くために、編集をして世界を狭くしている。書けば書くほど世界は狭くなっていくのです。


巨人の肩に乗る

これも、本書の中で紹介されている言葉です。

どういうことなのか。巨人というのは、過去の人々のことです。そして、その人達が積み重ねてきたもののことです。

巨人の肩に乗るというのは、先人たちの積み上げてきたものの上に積み重ねていくということです。つまり、過去に学べ、調べろ。ということでしょうか。過去に出された結論は、前提としてそこから物事を見、更に積み上げていく。それが、巨人の肩にのるということなのです。

ちなみにこの言葉は、りんごが木から落ちるシーンで有名なアイザック・ニュートンがロバート・フックに当てた手紙の中で「私がかなたを見渡せたのだとしたら、それは巨人の肩の上に乗っていたからです。」と書いたという話が有名ですが、

実はそれ以前の哲学者シャルトルのベルナルドゥスという日本人には発音がしにくい名前の、おそらく全世界の90%の人が知らない人の言葉のようです。

つまり、この言葉さえも、ニュートンは「巨人の肩に乗っていた」ということでしょう。

もし、巨人の肩に乗ることができなかったらどうなるのでしょうか。その人は、あたかも自分が初めて発見したような気分になって何千年も前にわかっていたことを発見します。

本書には、非常にわかり易い例が紹介されているのですが、それをそのまま紹介するのはちょっとなんとなく嫌なので、頭を捻って考えています。

(20分後)頭をひねろうと思ったら首もひねらなければいけないことに気がついて首をひねったら首をつりましたが、なんとかひねり出しました。


巨人の肩に乗らないと、「うわぁ、なんだこの植物は!美味しいのかな?食べてみよう。」「、、、、、、、。」「ど、、毒、、だ、、、、。」THE END

って言うことになります。つまりこの男は、先人たちが学んでいた毒草について学んでいなかったため、毒草を食べ昇天してしまうのです。もし、この男が過去の先人たちに学んでいれば、「あぁ、これは毒草だ。食べないでおこう。」という判断をすることができたでしょう。これが、巨人の方に乗るということです。いや、わかりづらいなぁ。自分でもよくわからない例えです。もっとしっかり理解したい方は、ぜひこの本を買って読んでみてください。


この本を読んで、「面白くない」「薄っぺらい本だ」ということを真面目に言う方もおられるようです。それはそうです。人それぞれ好みがありますから、何が好きで何が嫌いかは他人がどうこう言うことではありません。


ただ、一つだけ言わせてほしいことがあります。それは、

本質を見つけて

ということです。前述した通り、この本には98%は無駄で溢れかえっています。それが、この本の面白さでもあり、個人的にはこの表面的なことだけでも笑えるし面白いのですが、笑いの方向性が違うという方もおられるようです。

そういう人は、この文章の表面的部分だけではなく、その「無駄の裏に隠された本質」を読み解いてみてください。

字面だけを読んで、「何だこの内容が薄い本は?」「これで、1500円?ボッタクリだろ。」などと言わないでいただきたい。

何かを学び取りたいのであれば、しっかりと読み解くことが大切です。もっとも、この本は表面的な部分も面白いです。私は、この本をすでに3回読んだのですが、

1回目は声を出して笑いながら読みました。夜中、寝る前などは家族を起こさないよう枕に顔をうずめて笑いました。それくらい面白いです。(ハードル上げてくぅー!)

2回目は、心を落ち着けて、精神を統一して笑いの裏に隠れている本質を探すために読みました。ところどころ我慢できなくて笑いが漏れてしまったことは内緒です。そうすると、1回目は面白いだけだと思っていたものが、本質に近づいたような気がしました。

そして、3回目は、特に気になったところを重点的に読みました。もう、耐性がついたのか笑うことはなくなりました。ヒロノブさん。新ネタをお待ちしております!

ふざけているようで、ふざけていなくて。ただの面白い本に見せかけて、実は深い本で。文章は、書き手を表すとはよく言ったものですがそれをひしひしと感じます。


そろそろ7000字が近くなってきて誰も読んでくれないような文章になる予感がするので、ここらへんでもう一度結論を言っておきましょう。

この本を買って、読んでください!

具体的なテクニックではなく、どういう心構えで書いたら良いのか。というのがとても良く分かります。そして、なによりこの本の文章がとっても参考になります。書き手が本当に読みたいことを書いたらこうなるんだなと言うのが肌身で感じられるはずです。

文章を書くこと少しでも興味のある人は、是非とも!あんまり興味がないなと思う人でも是非とも買ってください!

「書く」という行為は現代社会に置いて避けては通れません。そのことを少しでも勉強しておいて損はないのではないでしょうか?

あ、一つ言っておくとこの文章は全く案件でもなんでもないですからね。(そんな疑いを持つ人はいないと思いますが。)

ただただ、ヒロノブさんのことを大リスペクトしている人間の感想です。バイアスは一切かかっておりません。公平性に欠けるなと感じた場合は、この本の何が私の公平性を妨害したのか買って読んでみてください。


そして、もう一つ、

この文章を読んで「読みたいことを、書けばいい。」を買ったよという方は、是非ともご一報ください!

なんか、100冊売れば、ローソンで講習会みたいなのを開くことができるようなので。是非とも100冊を目指していきたいと思います。可能なら、今すぐにでもあなたの家のポストに放り込みたいくらいです。


「読みたいことを書く」とどうなるのか。読み手はどのような反応をするのか。それは、このnoteへの反響を見ればよく分かるはずです。どんな反応をしてくださるのかわかりませんが、

一つだけ間違いなく言えるのは、「書いている自分がメッチャ楽しい」

ということです。

今回のnoteのテンションがいつものやおきと違う。変だ。といった場合、全責任は、この「読みたいことを、書けばいい。」という本にございます。しっかりと購入して恨みを晴らしてください!

それでは、最後まで読んでいただきありがろうございました!あぁ、楽しかったぁ〜。





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